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リスクを恐れず、カミングアウトの選択肢も持てる社会を作るために|カミングアウト・レターズ

6月は #プライド月間 です

6月は「プライド月間(Pride Month)」ですね!
プライド月間について知りたい方は、
こちらの記事をご覧ください👇

そして今回はLGBTについて、
著書『カミングアウト・レターズ』を題材に、
本noteの執筆者である大学生目線から
考えてみました。

カミングアウト・レターズ

この本のタイトルを見て、
どんな内容かイメージすることはできますか?
「カミングアウト」と見て、私は、
‘‘人に何か秘密を打ち明けること’‘
と解釈ました。
しかし、これは間違った認識でした。
私と同じような認識をしていた人は
少なくないのでは?と思います。

もともと「カミングアウト」という英語は、ゲイやレズビアンが、仲間が集まるバーに初めて行くようになるなど、なんらかのかたちで「コミュニティ」に参加するようになることを意味する言葉だったという。しかしいつしか、みずらかの性的指向を誰かに(おもに異性愛者に)伝えることを指すようになっていったらしい。

『カミングアウト・レターズ』P.195より

 カミングアウトやアウティングについては
こちらの記事で詳しく紹介しています👇

この本では子どもと親、
生徒と先生といった関係性の中で
カミングアウトをする手紙、
あるいはカミングアウトをふり返る手紙と、
それに対する返事が収められています。

もし自分がカミングアウトを受けたら?

不安、恐怖、葛藤…
カミングアウトをする側の気持ちを
考えたことはあるでしょうか。

生徒と先生が交わす往復書簡の中で
カミングアウトをする生徒の言葉に
こんなものがありました。

よく言われることですが、カミングアウトは、たんなる告白ではありません。突然のびっくりするような強風で片付けられるようなものではありません。された側とした側が、そこからさらに新しい関係を築くことが、最終的な目的だと思うのです。互いの存在そのものが響きあうことなのです。

『カミングアウト・レターズ』Ⅱ章 letter7 より引用

カミングアウトはいつ、どんな時、
どんな立場でされるかはわかりません。

友人、兄弟、あるいは自分が親になったときだって
あるかもしれないのです。

そんな時、自分がカミングアウトを受けたら
どうするべきなのか。
よりよい関係を築いていくために
どんな行動をとるべきなのか。
この本を読んで、私なりに考えてみました。

カミングアウトしてくれる=信頼してくれている

彼らは、カミングアウトをするにあたって
様々なリスクを考え、葛藤した末に、
私たちに打ち明けてくれています。
ですから、
「その人があなたにカミングアウトをしたということは、あなたのことを信頼し、また大切に思っている」ということを心に留めることが大切だと考えます。

彼らの生き方を否定せずに受け止める

そして、
その人は「カミングアウトする前もその後も、
同じ人である」ということを受け止めること


たとえば、 異性愛が “普通” として
考えてきた人にとっては、
自分の親しい人がゲイやレズビアンである
ということをすんなりと受け入れることが
できないかもしれません。

カミングアウトをする彼ら自身も、
自分がゲイであること、レズビアンであることを
肯定的に捉えられるまでに
長い時間がかかっています。

同じように
長い時間かかるかもしれないけれども、
そのことを少しずつ受け止めていければ、
カミングアウトしてくれた相手とよりよい関係を
築けるようになるのではないでしょうか。

同性愛や多様な性のあり方について、知ろうという姿勢を見せる

最近はLGBTQについて
取り上げられる機会が増えているため、
そのような機会から
ゲイやレズビアンへの理解を深めることも、
より良い関係を築いていくために
必要なことだと考えます。

たとえば、今回紹介した本以外にも読んでみたり、
LGBTQについて取り上げている記事を
見つけたら実際に読んでみるなど、
理解を深めることで、
自分自身のゲイやレズビアンに対する
向き合い方の意識が
変わってくるのではないかと思います。

そうすることで
カミングアウトする側、される側、
互いの信頼関係はより一層深まっていくのでは
ないでしょうか。

この本を読んで学んだこと

ゲイ/レズビアンへの誤解

実際、この本を読むまで私は
ゲイやレズビアンに対して
誤解していたことがいくつかあることに
気が付きました。

例えば…
・ゲイであることと女っぽさ、レズビアンであることと男っぽさを結びつけてしまっていたけれども、必ずしもそうではない
・ゲイやレズビアンのカップルは、必ずどちらかが『男役』でどちらかが『女役』というわけではない

少なくない人たちが同じように
誤解しているのではないでしょうか?

また、私はゲイやレズビアンであることと、
トランスジェンダーと性同一性障害との違いを、
この本を読んで初めて理解しました。

カミングアウトは他人事ではない

そして何より、一番の学びは、
「自分がカミングアウトを受けていないだけで、
実際には身近に性的マイノリティであることを
言っていない人がいる」
ということです。

2019年に株式会社LGBT総合研究所が調査した、
日本におけるLGBT・性的少数者の割合は
全国の20~60代で10%が該当するという結果が出ています。
この結果は、10人に1人がLGBTであるということを示しています
出典:「LGBT意識行動調査2019」

自分の身近には性的マイノリティの当事者の人は
いないと思っていましたが、この結果を見て、
カミングアウトをされていないだけで、
実際自分の周りにも当事者の方が
いる可能性があること
を知り、
他人事として捉えてはいけないと思いました。

私たちにできること

私たちは知らず知らずのうちに
カミングアウトをしづらい環境を
作ってしまっていることを
一人ひとりが認識できているのでしょうか?

初めて会った人や少し親しくなった相手に
「結婚しているの?」「彼女/彼氏はいるの?」
などと言ったりしていませんか?

こうした異性愛を前提とした会話は
無意識のうちに多くの人がしてしまっていること
だと思います。

カミングアウトしやすい環境を作っていくために、
・「彼氏」「彼女」ではなく、
 「パートナー」「恋人」と呼ぶように気を付ける

・「女だから、男だから」で判断しない など

身近にLGBTQ当事者がいる前提で話し、
行動することが大切だと思います。

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まとめ

LGBTについて理解しようとすること、
異性愛者であることを前提とした会話を
しないなど、私達一人ひとりが少しでも
意識を変えることで、
本人がカミングアウトのリスクを恐れることなく、
カミングアウトの選択肢も持てる社会
が実現するのではないでしょうか。