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「選択的夫婦別姓」制度にZ世代は賛成?反対?|CHAPTER2【前編】

当事者世代のホンネを探る

若い世代を中心に年々注目が高まる「選択的夫婦別姓 」。

2017年に内閣府が
18歳から70代以上に実施した世論調査※では、
選択的夫婦別氏(別姓)制度の法制化へ
賛成する人は42.5%でした。

今後、制度の当事者になり得る若者世代は
この制度についてどう考えているのでしょうか?

ここではトークセッションで
高校生の本音もヒアリングしながら、
制度に賛成の理由、反対の理由を
掘り下げて行きます。

※家族の法制に関する世論調査(平成29年12月調査)
https://survey.gov-online.go.jp/h29/h29-kazoku/zh/z16.html

「選択的夫婦別姓」制度ってなに?

選択的夫婦別姓制度とは、

結婚した夫婦が望む場合は、
それぞれが結婚前の姓(苗字)を
名乗ることを認める制度
のこと。

現在、日本人同士で結婚した場合は
夫婦どちらかが
姓を変えなくてはなりません(夫婦同姓制度)。

厚生労働省の統計によると、
結婚した夫婦の96%で
女性が姓を変えています。

TALK SESSION: 「選択的夫婦別姓」高校生はこう考える

「選択的夫婦別姓」制度について、
これまでの論点や各政党の主張、
海外での事例を確認してきた高校生5名。

一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事の
能條桃子さんをゲストに迎え、
意見交換会を実施しました。

制度の導入に
賛成?反対?自分ならどうする?
高校生の生の声を聞いてみましょう。

一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN
Instagramで「U30世代のための政治と社会の教科書メディア」を運営する大学生を中心とした団体。若い世代の政治参加をもっと身近なものにすることを目指して、2019年7月の参議院議員選挙の時期から活動。
【Instagram: @noyouth_nojapan】

「選択的夫婦別姓」導入に賛成?反対?


事前アンケートの結果を見て、どう思う?


「選択制夫婦別姓」制度が導入された場合、自分ならどちらを選ぶ?

投票結果発表:選択的夫婦別姓制度の導入


Z世代は男女ともに8割以上が賛成

内閣府が18歳から70代以上に実施した
世論調査では、
選択的夫婦別氏(別姓)制度の法制化へ
賛成する人は42.5%。

しかし、学校総選挙プロジェクトの投票では、
その倍となる86.5%の若者が賛成。

その理由を紹介します。

Z世代「選択的夫婦別姓」制度に賛成の理由!

選択肢があることが良い
・選択肢は多い方がいい。夫婦同姓がいい人はそれを選べばいい(18歳/男性)
・あくまで「選択的」というスタンスをとっているため。パートナーの姓を名乗りたい人は今まで通り選択できることに変わりはないのに反対する理由が見つからない(23歳/その他)

個人の自由を尊重すべき
・自由であるべき。2人の問題なので、法律等で決めるべきではない(26歳/男性)
・結婚しても個人は個人。相手の付属品ではない(22歳/女性)

自分の苗字を大切にしたい
・自分の苗字に誇りを持っている。せっかく親に買った名前を大切にしたい!(24歳/女性)
・それぞれの家族の苗字を大事にしたい人にとって、どっちかの姓しか選択肢がないのは自由を束縛していると思う(20歳/その他)

夫婦であることに変わりはない
・苗字を一緒にしなくても夫婦の信頼関係や愛情はそれほど変化しないと思うから(22歳/男性)
・苗字が違っても家族は家族。時代とともに選択肢は増えていくべき(29歳/女性)

その他の理由
・手続きが大変だし、旧姓での経歴が一度消えるのは仕事をする上で不利だから。(23歳/女性)
・別姓だと結婚、離婚したということが周囲にバレにくくプライバシーが守られる(17歳/女性)
・男女平等な社会の実現のために必要だと思う(16歳/女性)
・現状、女性ばかりが苗字を変えている。結婚したら女性が苗字を変える風潮は大きく、法律で定めないことには変わらない。(20歳/女性)

Z世代「選択的夫婦別姓」制度に反対の理由!

同姓だから家族といえる
・同姓が嫌なら結婚しなければいいだけの話だと思う。同性だからこそ夫婦であり、家族だと感じる(23歳/男性)
・姓とは家族である証明。それが違うのなら家族と言えない。(18歳/女性)
・結婚する意味がわからなくなる。好きな人と同じ苗字になれるから結婚するのでは?別姓ならただ付き合っているだけと同じだと思う(25歳/女性)

子どもへの影響がある
・子供はどちらの姓にするべきなのか。つける姓で愛情が変わってくるのではないか。建前上でも家族はひとつの姓に統一しておいた方がいい気がする(27歳/女性)
・親の苗字が違う子どもはいじめの対象になるかもしれないから(18歳/男性)
・子供の姓をどうするのかという争点が発生するかもしれないため(20歳/その他)

戸籍制度や伝統を守るべき
・日本の伝統文化を無くす必要はない(24歳/女性)
・家族の絆は消えないかもしれないが、日本人として数世紀前から脈々と続く御先祖様との絆は消えてしまうと思う。(17歳/男性)

その他の理由
・苗字が違うと離婚しやすいと思う(19歳/女性)
・夫婦別姓にしたい人はあくまで少数派。少数派のためにわざわざ法整備をするのは合理的ではない(19歳/男性)
・導入されると、別姓を選ばなかった人が「間違っている」と非難される恐れがある(25歳/その他)

学校総選挙の見解:ハイブリッド型の価値観が特徴

多くのZ世代が、
結婚=家単位ではなく、
個人間の意思で選択・決定されるもの

と認識しています。

結婚によりキャリアが途切れたり、
アイデンティティを失ったりするのは
避けるべきと考えているようです。

自身が別姓を選ぶか否かは関係なく
賛成派の根底にあるのは、
(あらゆるケースにおいて)
選択肢はあったほうが良いという価値観 です。

社会制度や慣習といった外的要因により
生き方の選択肢が狭まることに対する嫌悪感も見て取れます。

一方で、家族の一体感を重視する傾向も現れていました。

制度導入への賛否はあれど、
「姓が違っても家族であることに変わりはない(賛成派)」
「結婚前の家族も大事(賛成派)」
「同姓であることで家族になったと感じる(反対派)」
「子どもと同じ姓であるべき(反対派)」
といったコメントからは、

個人主義的な考えではなく、
従来の家族観に近いものを持っているように思います。

多様な生き方が当たり前とされる時代に生まれたZ世代は、
個人を尊重する人生観と
伝統的な家族観を両立させた
ハイブリッド型の価値観が特徴
と言えるでしょう。

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