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Z世代の環境意識が高いって本当?|CHAPTER3

若者の将来、そして次の世代へと
永遠に美しい地球環境を残すため、
待ったなしの課題となっている地球温暖化対策。

環境問題に高い関心を持つとされる若者は、
この大きなテーマを
どう捉えているのでしょうか?

彼らの「エコ意識」「主体者意識」を
アンケートやトークセッションから考察し、

国内外で実施検討されている法案への是否も
ヒアリングしてみました。

環境問題って誰の問題?

SDGsが世界的トレンドとなった今、
環境問題への対策は
政府・企業・個人すべての人が
積極的に取り組むべき課題となっています。

「Z世代=環境・サスティナブルへの意識が高い」

というイメージを多くの人が持っていますが、
果たして本当なのでしょうか?

レジ袋廃止、石炭火力発電、プラスチック税......。

世界で取り組まれている
環境問題の対策について、
Z世代の声を聞いてみました。

日本のZ世代、実は環境問題への関心は低い!?

「環境問題に対する危機感」
全国の16歳から60代以上に
10点満点で聞いたところ、

20代の平均点が5.9点と最も低く、
続いて16-19歳の6点という結果でした。

※10点が「非常に危機感を持っている」
 0点が「全く危機感を持っていない」として採点。

また、Z世代にとって
「海洋プラスチック問題」
「生物多様性」 はやや高いものの、

全体的に30代以上に比べ、
多くのテーマで自分ごと化に至っていない
ということがわかります。

世界的に環境問題に関心が高いと
言われることも多いZ世代ですが、
アンケートで他の世代に比べて
低い回答になったのはなぜでしょうか?

Z世代のエコ意識は高い?

「レジ袋の購入上限金額」の質問では、
30代以上の世代に比べ

10代〜20代は、
レジ袋購入への心理的ハードルがやや低い
ようです。

一方、環境配慮商品の購入に関する質問では、
学校教育によって環境意識が形成されるためか

10代では
「値段に関わらず買わない」の割合が少ない
ものの、

20代になると30代以上より
「値段に関わらず買わない」の割合が高くなります。

社会人になりたてで可処分所得が低いことが
起因しているのかもしれません。

TALK SESSION:

環境対策の法律、日本に導入することに賛成?反対?

諸外国の環境対策の法律を
日本でも導入すべきか、

また環境問題に取り組むべき
最も重要な主体者は誰か?について、
若者たちが話し合いました。

「プラ製レジ袋の配布・販売禁止」に賛成?反対?

<TALKSESSION画像>

「プラ包装の商品に追加の税金をかける」に賛成?反対?

<TALKSESSION画像>

「日本でも石炭火力発電所を廃止」に賛成?反対?

環境対策の取り組みで、特に重要なのは誰だと思う?

<TALKSESSION画像>

環境アンケート投票結果発表:

<書籍内コメント画像>

Z世代同士でも意見が二分する傾向に

「環境アンケート」では、
TALK SESSIONで話し合った

「諸外国の環境対策の法律の導入賛否」と
「環境問題への取り組みで最も重要な主体者」
についての全4問の回答を募りました。
(10代〜20代の9602人が回答)

2021年に開催された
第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で、
日本はCOP25に続いて「化石賞」を受賞。

環境問題への取り組みの遅れが指摘される日本ですが、
Z世代はどのような意見を持っているのでしょうか。

賛成48.7%、反対51.3%と
法律で禁止することには反対

という反対派がわずかに多いという結果に。

廃プラスチックのうち
レジ袋が占める割合は2%のため、
気候変動対策には効果がないという
指摘もありました。

賛成40.3%、反対59.7% でした。

生分解性のプラスチックに換えていけば
解決につながるという意見や、

お金がある人は
プラスチック包装の商品も買ってしまうので
効果がないという意見もありました。

賛成が56.4%、反対が43.6%。

太陽光発電での安定的な電力の供給問題や、
アイスランドの地熱発電の例など、
情報を吟味した上で、
最終的には廃止でという考えが多いようです。

環境対策の取り組みで重要なのは
個人の行動だとする方が45.3%と最多。

個人の主張から
国や企業が動くという頼もしい意見や、

インフルエンサーなどの
影響力がある個人の力が
きっかけになるという意見もありました。

高いとは言えない環境問題への関心、その実態は?学校総選挙の見解

<見解の画像>

10代〜60代以上の
全年代を対象としたアンケート結果から、
20代以下の環境問題への危機感は
年上の世代と比べて
高くないことがわかりました。

子どもの将来を考える30代〜40代に比べて、

10代〜20代は、学校生活などの
自分たちの生活が関心の中心であり
環境問題を自分ゴトとして捉える機会が
多くないためかもしれません。

また、環境問題は課題のスケールが大きく、
悪化や改善の変化を実感しにくく、
想像が難しいことも
自分ごと化しにくい理由になっていると思います。

そう考えると、
若い世代の関心が低いというより、
他の世代の方が気温の上昇など、
過去からの変化を感じていた人が
多いということかもしれません。

私たちは、今回の調査をするまで
Z世代は他の世代よりも
環境問題への関心が高いと考えていました。

しかし、アンケートの結果を踏まえると
学生や若者に比べて、
30代以上(特に40〜50代)の人たちは
企業としての取組が
報道されることはあるものの、

個人としての取組が
ニュースとして取り上げられにくいため、
その様子が見えにくくなっているのではないか
と考えられます。

逆に言えば、
日ごろのニュース報道において
環境問題に取り組んでいる学生や若者が
よく取り上げられていることで、
彼らの環境問題への関心度やアクションが
強調して伝わっていたのかもしれません。

社会の気になること10万人の若者にきいてみた

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