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肩の評価方法#1

今回は、”複雑な肩の構造を理解した上で評価をシンプルかつ的確に”というお題で肩関節の評価方法について記事を構成しています。

評価手順に一貫性を持つ事を目的にSOP:Standard Operatinig Procedureと言う考え方(捉え方)を提唱しています。
関連記事はこちら!→ https://note.com/t_f_athlete/n/n7cf3caa82946



この記事には以下の項目についてクリアにする内容が含まれています。

Step1 いつ「どうした時に」痛いのか。

問診の際に聞いておきたい(把握しておきたい)項目の一つがこちらです。
質問内容はものすごくシンプル。

『どうしたら痛い?』

この質問で患部に炎症所見があるかを評価できます。

一方で、安静時痛がなく、運動時に症状(痛み)を訴える場合については、その運動にて症状を出す組織にどのようなストレスが加わっているかを把握する必要があると考えられます。

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安静時に痛みがあれば、炎症症状の軽快を目的にリコンディショニングを図ることが重要となります。

運動時に症状が再燃する場合は、その組織にかかるストレスを種類を把握し、リコンディショニングを図る事が重要となります。



Step2 「どこ」が痛いのか

次に確認したい項目が、どのあたりに痛みがあるかと言う点です。

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肩甲下筋が付着する小結節なのか。

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棘上筋や棘下筋(小円筋)が付着する大結節なのか。

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大・小結節間(結節間溝)を走行する上腕二頭筋長頭腱のトラブルも考えられます。

ここでの要点は
限局した痛みがあること。(痛い場所が明確であること)
運動により症状を再現させることができるか。
の2点になります。


スクリーンショット 2022-03-22 2.09.25

例えば、小結節にFinger Signがあり、肩の内旋運動で同部位に痛みが再現された場合を考えます。
小結節には、肩のInner Muscle(回旋腱板)の一部が付着しています。
近くには、関節上腕靭帯も付着していることから、圧痛があることだけでは判別がつきません。


そこで。収縮時 or 伸張時に痛みが出るシチュエーションをわけ考えることで原因となる組織が明確になりやすくなります。


伸張性のある組織:筋肉

非伸張性の組織:靭帯、関節包


だと考えると、

伸張性のある組織への負担=収縮させる(=力を入れる)こと

非伸張性の組織への負担=伸張させる(=張力を加える)こと

だと考える事ができます。


また、上記の組織が問題として挙げられる場合、

筋肉だと筋力低下

靭帯だと関節不安定性の増大(関節運動の増大)

が合わせて機能不全として出てくる事も予想されます。


Step3 Step1と2を踏まえて考える。

上述の通り、筋肉の問題であれば筋肉の。靭帯や関節包の問題だあれば関節包の。
それぞれの組織が担っている役割に何かしらのエラー(機能不全)が出る事が予想されます。

筋肉の問題であれば、筋力低下
→特定の肢位にて、該当筋が機能しているかを評価していきます。

靭帯・関節包の問題であれば、支持性の低下(不安定性の増大)
→それらの組織が止めている運動方向への動揺を評価していきます。


この様に、一つ一つの評価から得られた結果を統合する事でより物事がクリアに見えてくる事があります。


*最後までご覧いただきありがとうございました。次回は、より的を絞った評価方法(腱板の評価方法、肩関節の機能評価方法など)について記事を書き起こそうと考えています。
そちらも是非ご覧下さいね。



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