ショートショート『魂は石みたいな形をしている』
金髪の少女だった。
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真由子は力いっぱい目をつぶり、直前の記憶を思い出そうとする。いや、記憶は鮮明だ。思い出そうとする、というより、確認しようとする、と言った方が正しいかもしれない。
その日の夕方、真由子はオフィスを出て、恋人との待ち合わせ場所に向かうところだった。タクシーを拾おうとしたが路上駐車している宅配業者のトラックが歩道への視界を遮っていたのでしかたなく車道に出ると、真由子すぐ脇を金髪の少女が車道の真ん中に歩いていく。向こう側が透けて見えそうな儚げな少女だっ