越前敏弥 Toshiya Echizen(オフィス翻訳百景)

文芸翻訳者。読書会トラベラー。訳書『オリンピア』『ロンドン・アイの謎』『Yの悲劇』『オ…

越前敏弥 Toshiya Echizen(オフィス翻訳百景)

文芸翻訳者。読書会トラベラー。訳書『オリンピア』『ロンドン・アイの謎』『Yの悲劇』『オリジン』『解錠師』など。著書『翻訳百景』『文芸翻訳教室』『日本人なら必ず誤訳する英文』など。仕事のご依頼はoffice.hyakkei@gmail.comへ。twitter @t_echizen

マガジン

記事一覧

INFORMATION 2024-09-14

 長く入手困難となっていたパーシヴァル・ワイルドの名作『検死審問』(創元推理文庫)が、東京創元社の70周年記念復刊フェアの一環として重版されました。装幀などは以前…

「オンライン文芸翻訳実践講座」第7期スタート

 2024年10月から、オフィス翻訳百景が主催する「オンライン文芸翻訳実践講座 第7期」を開催します。進め方は第6期までと同じで、もちろん今期からはじめて参加することも…

朝日カルチャーセンター横浜教室の新講座「文芸翻訳添削道場」について

 朝日カルチャーセンター各教室(新宿・横浜・中之島)の10月期文芸翻訳講座の受付がはじまりました。わたしが担当する全クラスの内容を下のページにまとめてあるので、ご…

朝日カルチャーセンター2024年10月期の文芸翻訳講座

 朝日カルチャーセンターでわたしが担当する文芸翻訳講座は、2024年10月期についても、すべてハイブリッド形式(教室・オンラインのどちらでも受講可)でおこなう予定です…

あらためて、『オリンピア』について思うこと

 パリ五輪が終わりました。以前も『オリンピア』もうひとつのあとがきと、ある編集者の感想に書いたとおり、『オリンピア』は1992年のバルセロナ五輪までのオリンピックを…

『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室

 8月17日(土)の15時から、ブックファースト新宿店で 「『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室」と題したトークイベントをおこないます。本の…

INFORMATION 2024-08-01

 8月3日(土)15時から、朝日カルチャーセンター新宿教室の対談講座「だから翻訳は面白い」に高橋聡さん(通称・帽子屋さん)をお招きして、「AIは翻訳者の敵か、味方か、…

INFORMATION 2024-07-21

 8月17日(土)の15時からブックファースト新宿店で 「『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室」と題したトークイベントをおこないます。本の紹…

『オリンピア』読書会@PASSAGE bis!(北烏山編集室&オフィス翻訳百景共催)

 デニス・ボック『オリンピア』は、2023年末の刊行以来、青山、京都、郡山、目黒、横浜などで読書会やトークイベントを開催し、にぎやかに熱のこもった意見交換をしてきま…

YouTubeでの著訳書紹介(2)

 2020年から、ときどきYouTubeで著訳書の紹介やミニ翻訳講座をおこなっています。対談や座談会形式のものもあります。これまで配信したもののアーカイブを古いほうから改…

YouTubeでの著訳書紹介(1)

 2020年から、ときどきYouTubeで著訳書の紹介やミニ翻訳講座をおこなっています。対談や座談会形式のものもあります。これまで配信したもののアーカイブを古いほうから改…

INFORMATION 2024-06-29

 パリ五輪の開会式がおこなわれる7月26日(金)の夜、兵庫県西宮市の門戸寄席で『オリンピア』(デニス・ボック、北烏山編集室)の読書会があります。ふだんは寄席をおこ…

INFORMATION 2024-06-23

 先日公開した海外文学好き6人による YouTube 公開座談会「『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?」を未見のかたは、ぜひお時間のあるときにご覧…

『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?

 YouTubeチャンネルで動画「『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?」を公開しました。約2時間に及ぶ、わたしも含めた6人によるトークです。  出…

『境界の扉 日本カシドリの秘密』刊行

 エラリー・クイーン『境界の扉 日本カシドリの秘密』(角川文庫)が刊行されました(これまでの角川文庫のクイーン作品と同じく、紙版のみの発売で、電子版は出ません)…

東江一紀さんの逝去から10年

 わたしが自分の「裏」師匠であると公言しつづけている東江一紀(あがりえ・かずき)さんが逝去なさったのは2014年の6月21日のことでした。まもなく10年が経ちますが、い…

INFORMATION 2024-09-14

 長く入手困難となっていたパーシヴァル・ワイルドの名作『検死審問』(創元推理文庫)が、東京創元社の70周年記念復刊フェアの一環として重版されました。装幀などは以前のものと同じです。かつて、訳しながら笑いが止まらず、寝ようとしても笑いが止まらなかった本です。まもなく書店に出まわるので、この機会にぜひ読んでください。  また、9月19日ごろに早川書房から『ターングラス 鏡映しの殺人』(ガレス・ルービン)が、9月27日ごろに河出書房新社から『アウシュヴィッツの父と息子に』(ジェレミ

「オンライン文芸翻訳実践講座」第7期スタート

 2024年10月から、オフィス翻訳百景が主催する「オンライン文芸翻訳実践講座 第7期」を開催します。進め方は第6期までと同じで、もちろん今期からはじめて参加することもできます。Peatix でのお申しこみの際にメールアドレスと氏名を記入してもらうことになります。  第7期の要領は以下のとおりです(3か月を1期とします)。 【日程】 2024年10月5日(土)、11月2日(土)、12月7日(土)の3回(前期まで毎月第2土曜日におこなっていましたが、今期から原則として毎月第

朝日カルチャーセンター横浜教室の新講座「文芸翻訳添削道場」について

 朝日カルチャーセンター各教室(新宿・横浜・中之島)の10月期文芸翻訳講座の受付がはじまりました。わたしが担当する全クラスの内容を下のページにまとめてあるので、ご覧ください。  きょうはそのなかで、新設された「文芸翻訳添削道場」(横浜教室のみ、オンラインもあり)について、すこしくわしく書きます。  朝日カルチャーの「英米小説の翻訳」クラスでも、オフィス翻訳百景の「オンライン文芸翻訳実践講座」(次期は9月1日受付開始)でも、わたしは原則として個別翻訳指導をおこないません。ひ

朝日カルチャーセンター2024年10月期の文芸翻訳講座

 朝日カルチャーセンターでわたしが担当する文芸翻訳講座は、2024年10月期についても、すべてハイブリッド形式(教室・オンラインのどちらでも受講可)でおこなう予定です。新宿教室・横浜教室・中之島教室のすべてで受付がはじまりました。引きつづき、全国どこでも(海外でも)受講できる形なので、関東・関西以外にお住まいのかたもどうぞ。  朝日カルチャーセンター全体のトップページの最上段にある検索窓に講師名を入れてもらえれば、現在受付中の講座がわかります。教室名を選んで再検索すると、そ

あらためて、『オリンピア』について思うこと

 パリ五輪が終わりました。以前も『オリンピア』もうひとつのあとがきと、ある編集者の感想に書いたとおり、『オリンピア』は1992年のバルセロナ五輪までのオリンピックを背景とした物語であり、一気に商業化が進んだ1996年のアトランタ五輪以降のオリンピックについては、わたしはずっと冷めた目で見ているので、あまり思い入れがありません。ただ、自分は相変わらず敗者のふるまいに興味があるんだな、と思いながら、横目で観ていました。『オリンピア』はまさに敗者の(再生の)物語であり、自分が『オリ

『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室

 8月17日(土)の15時から、ブックファースト新宿店で 「『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室」と題したトークイベントをおこないます。本の内容紹介や、もとになった中学2年生の勉強会の裏話のほか、今回特別に用意した、中学2年までの英語力で取り組める翻訳課題(100語程度)の解説をします。  本のなかではオー・ヘンリーの「二十年後」を課題として扱いましたが、今回の特別講座では同じオー・ヘンリーの「最後のひと葉」を扱います(両作とも角川文庫『最後のひと葉

INFORMATION 2024-08-01

 8月3日(土)15時から、朝日カルチャーセンター新宿教室の対談講座「だから翻訳は面白い」に高橋聡さん(通称・帽子屋さん)をお招きして、「AIは翻訳者の敵か、味方か、それとも…」というテーマで話していただきます。翻訳者や学習者だけなく、語学に興味のある人はまちがいなく多くの刺激を受ける内容の講座です。はじめてのかたもぜひお越しください。最後にQ&Aの時間を多くとる予定です。オンライン受講も可能で、約1週間の見逃し配信があります。  会場では、高橋さんが翻訳なさった『Chat

INFORMATION 2024-07-21

 8月17日(土)の15時からブックファースト新宿店で 「『いっしょに翻訳してみない?』刊行記念 越前敏弥の夏の翻訳教室」と題したトークイベントをおこないます。本の紹介や、もとになった中学2年生の勉強会の裏話のほか、今回特別に用意した、中学2年までの英語力で取り組める翻訳課題(100語程度)の解説をします。  本のなかではオー・ヘンリーの「二十年後」を課題として扱いましたが、今回の特別講座では同じオー・ヘンリーの「最後のひと葉」を扱います(両作とも角川文庫『最後のひと葉』所収

『オリンピア』読書会@PASSAGE bis!(北烏山編集室&オフィス翻訳百景共催)

 デニス・ボック『オリンピア』は、2023年末の刊行以来、青山、京都、郡山、目黒、横浜などで読書会やトークイベントを開催し、にぎやかに熱のこもった意見交換をしてきました。このたびは満を持して、本の町・神保町での読書会を企画しました。会場は、本書の翻訳者である越前敏弥、出版元である北烏山編集室がともに棚主となっている共同書店PASSAGEの喫茶スペースである PASSAGE bis! です。当日は越前敏弥のサイン入り書籍や北烏山編集室の刊行書籍もその場で購入できます。 デニス

YouTubeでの著訳書紹介(2)

 2020年から、ときどきYouTubeで著訳書の紹介やミニ翻訳講座をおこなっています。対談や座談会形式のものもあります。これまで配信したもののアーカイブを古いほうから改めて紹介します。きょうはおもに著書の内容紹介です。訳書についてはこの記事をご覧ください。 オンライン文芸翻訳教室「最後のひと葉」(1)から(6)(2021年6月&12月公開、計約130分) オー・ヘンリーの名作「最後のひと葉」の冒頭部分の翻訳について、1動画で1段落のペースでゆっくり解説します。翻訳クラス生

YouTubeでの著訳書紹介(1)

 2020年から、ときどきYouTubeで著訳書の紹介やミニ翻訳講座をおこなっています。対談や座談会形式のものもあります。これまで配信したもののアーカイブを古いほうから改めて紹介します。きょうはおもに訳書の内容紹介です。著書についてはこの記事をご覧ください。 エラリー・クイーン新訳Q&A(2021年4月公開、約97分) この少し前におこなった書店トークイベントで答えきれなかった質問にまとめてお答えしました。この時点では『ダブル・ダブル』『靴に棲む老婆』『境界の扉』の3作の新

INFORMATION 2024-06-29

 パリ五輪の開会式がおこなわれる7月26日(金)の夜、兵庫県西宮市の門戸寄席で『オリンピア』(デニス・ボック、北烏山編集室)の読書会があります。ふだんは寄席をおこなう場所ですが、通常の読書会と同じ形式です。どなたでも参加できます。お近くのかたはぜひお申しこみください。 『オリンピア』の読書会はこれまで郡山、東京(フラヌール書店)、横浜(象の旅)などでおこなってきて、夏ごろにまた東京で開催する予定です。ほかの地域でもぜひ開催したいので、希望なさるかたはトップページのアドレスに

INFORMATION 2024-06-23

 先日公開した海外文学好き6人による YouTube 公開座談会「『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?」を未見のかたは、ぜひお時間のあるときにご覧ください。当初は1時間の予定でしたが、みな話が止まらず、熱い2時間となりました。  内容の概略を説明したnote記事はこちらで読めます。動画は下のリンクから視聴してください。 ――――――――――  東江一紀さんの10年目の命日にあたる6月21日にジュンク堂池袋本店で開催された布施由紀子さん、原宿さんとのト

『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?

 YouTubeチャンネルで動画「『ストーナー』&『オリンピア』どこが似ていて、どこがちがう?」を公開しました。約2時間に及ぶ、わたしも含めた6人によるトークです。  出演者は以下のとおりです。  酒井七海(もくめ書店)  ダイチ(文学ラジオ 空飛び猫たち)  ないとうふみこ(翻訳者)  樋口真理(北烏山編集室)  ミエ(文学ラジオ 空飛び猫たち)  越前敏弥(翻訳者)  わたしの訳書『オリンピア』(デニス・ボック、北烏山編集室)が刊行されたとき、何人もの知り合いが

『境界の扉 日本カシドリの秘密』刊行

 エラリー・クイーン『境界の扉 日本カシドリの秘密』(角川文庫)が刊行されました(これまでの角川文庫のクイーン作品と同じく、紙版のみの発売で、電子版は出ません)。 【KADOKAWAのサイトへのサイバー攻撃でさまざまなことが滞っているようですが、この本については予定どおりの日に刊行されます。ただし、一部の書店で少し遅れるかもしれません】  わたしが翻訳したクイーン作品は、これで計21作(角川文庫15作、早川文庫6作)ということになります。  この作品は、従来は『ニッポン樫鳥

東江一紀さんの逝去から10年

 わたしが自分の「裏」師匠であると公言しつづけている東江一紀(あがりえ・かずき)さんが逝去なさったのは2014年の6月21日のことでした。まもなく10年が経ちますが、いまも「表」師匠の田村義進先生と並んで最も影響を受けた翻訳者であることに変わりはありません。  逝去の1年後には、〈ことばの魔術師 翻訳家・東江一紀の世界〉と銘打って、トークイベント・読書会・ブックフェアなどが数多くおこなわれました。トップ画像は2015年6月13日に文京区根津でおこなわれたトークイベントのときの