シネマのように 第3話|連載小説
【第2話はこちら】
カーテンの隙間から、うっすらと月明かりが差し込んでいる。空が漆黒から群青へと変わっているのを見ると、おそらく朝の5時前だろう。使い方に困る時間帯だ。二度寝すると遅刻するし、特に何かをやろうという気にもならない。40という年齢に近づくにつれ、眠りが浅くなってきた。ここ最近、熟睡というものから見放されている。
窓から外を見ると、車通りも人通りもないのに、信号機がしっかり仕事をしていた。歩行者信号の青が点滅し、赤になるのをしばらく眺める。
4年前、広めの