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小説&ショートショート

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小説は主に短編です。フリー台本として、ご自由にお読みください。 (全部ではありませんが、「聴くっしょ!」にも投稿しています)
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2023年10月の記事一覧

ジッポライター|掌編小説

 ――タバコとコーヒーってさ、似てるよね。  知り合った頃の、彼女の第一声だった。その時…

トガシテツヤ
9か月前
108

地獄ドライブ|ショートショート

「マネージャーはまだか。遅刻なんて珍しいな」 待ち合わせ時間を少し過ぎた時、横に車が停ま…

トガシテツヤ
9か月前
36

りんごの匣|掌編小説(#シロクマ文芸部)

 りんご箱の中に入った。試しに中から蓋を閉めてみると、何だか静かで暖かくて、だんだんと居…

トガシテツヤ
10か月前
62

忘れ物?|ショートショート

――携帯電話がない! あー……さっき飲んでた店に忘れたんだな。 取りに行くの、面倒だなぁ…

トガシテツヤ
10か月前
33

どっちに行くのかな?|ショートショート

道に迷った。 このまま進むべきか、戻るべきか考える。 「おーい。おーい……」 どこからと…

トガシテツヤ
10か月前
27

桜とコスモス|ショートショート(#シロクマ文芸部)

 ――秋桜なんて、別に綺麗だと思わないけどなぁ。  町の観光名所である広大なコスモス畑を…

トガシテツヤ
10か月前
75

手放さない|ショートショート

 私は一度手に入れたものを絶対に手放さない性格だ。  断捨離?  おすそ分け?  とんでもない!  そのためか、部屋の中は物で溢れ返って足の踏み場もない。でも、この中にいると、不思議と落ち着く。  ある日、妙なお客が来た。 「こんにちは。貧乏神です」  貧乏神は私の部屋の中を見て、一瞬「ゲッ!」という顔をしたが、そのまますたすたと中に入った。 「僕を誰かになすりつけない限り、ずっと居座りますよ?」  私は「あっそう」と言って、いつもと変わらずに過ごす。しかし、貧乏

水草と金魚|掌編小説

 灼熱地獄から逃れるように、僕は水の底へと沈む。  水の中を漂っていると、大きな金魚が一…

トガシテツヤ
10か月前
29

ゴールテープ|ショートショート(#シロクマ文芸部)

「走らないことが大切。人生は長いんだから、走ると息切れして動けなくなるぞ」  学生時代の…

トガシテツヤ
10か月前
46

オオワシのサチ|童話(#ウミネコ文庫応募)

「おーい!」  呼ばれて目を開けると、顔の上に大きな白い羽がふわりと落ちた。寝てる時に僕…

トガシテツヤ
10か月前
92

夜|掌編小説

 じっとりと汗をかいた首筋にハンカチを当て、熱気と湿気が充満した世界の淵に立つ。いつもよ…

トガシテツヤ
10か月前
41

月めくり|掌編小説(#シロクマ文芸部)

「月めくりっていう風習があってな……」  突然、ぼそっと喋り出したばあちゃんに、僕はお団…

トガシテツヤ
10か月前
53