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甘露寺蜜璃になりたい

ないものねだり、とはよく言ったものだけれど。

先週の『鬼滅の刃』を見ながらわたしは確かに、明確に思った。わたしがなりたかったのは甘露寺蜜璃みたいな人だったのだと。

放送を見終えたわたしは「蜜璃ちゃんかっこいい…好き……」としばらく余韻に浸っていたのだけど、Twitterで「蜜璃ちゃん、セーラームーンじゃん」という呟きを見て、妙に納得してしまった。

かわいくて、かっこよくて、強い。そういう人にわたしはもうずっと憧れていたのだ。セーラームーンを見ていたころと変わらず、今も。

やっと気づいた。
わたしはああいう人になりたかったんだ。

そう気づいてしまったと同時に、絶対に自分はああなれないとも悟った。だから一層憧れてしまう。わたしが若かったら、禰豆子のようなキラキラとした目で蜜璃ちゃんを見つめていたに違いない。

これまでの人生で「憧れ」なんてものに出会ってこなかったけれど、きっとこれがそういう気持ちなんだろう。

わたしは、甘露寺蜜璃みたいな人になりたかったんだ。

それを知れてよかった。



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