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風の街

風の街

ほんのり木の香りが残る机に、縁の欠けたマグカップが置かれている。
溢れそうなほどに水がたたえられており、表面張力が緊張を醸し出している。
空になったペットボトルは机の脇に転がっており、窓から差し込む光を漠然と屈折させている。

ブランケットが無造作に掛けられた二人掛けのソファに触れる。
昨日、ここに彼女がいた。

今日はやけに肌寒い。彼はブランケットを羽織り、電気ケトルに水を注いだ。

ほんのり木

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