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「対立・闘争」から「対話・共創」へ

「春闘」という言葉を変えてみたい。

ある程度は健全な労使関係を築けている会社においては、労使でともに会社を良くしていくことを目的に、労働組合と会社経営の対立構造をやめて「闘争」から「対話」に舵を切ってはどうだろう。

会社の経営ビジョンに共感したうえで、納得のいく労働条件で労働契約を結べたならば、労働条件で対立する必要はないはずだ。労働契約の下、会社ともに歩める環境で働くほうが良い。会社にとっては、従業員の賃金改善も職場環境の改善も、ともに会社を良くするための手段のひとつになる。

健全な労使関係に基づき、従業員も会社経営陣もともに会社を良くするための対話を重視する。会社の発展と従業員の幸せの両立を考えて、あるべき賃金水準を労使で協議して合意する。そんな活動に名前を付けたい。

一方で、目の前の仕事に実直に取り組んでいるのにも関わらず、思うように評価されず、会社に不満を抱えている従業員もいる。そういう人にとっては、ここに書いたような労働組合の姿勢は不満でしかないだろう。

頑張っても報われず、労働組合も会社と闘ってくれない。そんな労働組合は「御用組合」と映るかもしれない。その気持ちは理解できる。

したがって、「対立・闘争」から「対話・共創」に舵を切ることは、労使の対等な関係が守られ、会社も従業員を信頼して、一人ひとりの働きにしっかり報いることが大前提だ。

それがないままでは、従業員の不満はたまる一方で、会社の発展と従業員の幸せの両立なんて夢物語にしかならない。