開始1年で年商数億のワインD2C

ワインを飲みながら学べるD2Cが開始一年で登録者3000人を超えているそうです。月の会費は1.3万円と高額にもかかわらず、順調に会員数を伸ばしています。継続率は月で95%の驚異的なものになっています。

https://shop.homewine.jp/lp

初期は広告よりも、PRを中心にユーザーを獲得して、粗利(LTV)は広告費に対して6倍と通常のD2Cに比べるとかなり高い水準です。
広告戦略や商品設計の詳細はこちらのnoteで取り上げられているのでぜひ読んでみてください。

https://note.com/maemae_8/n/n99ad0313e9b9

ここからは最近自分が研究している「関係消費」と絡めながらこのサービスを分析していきたいと思います。

関係消費は、それを購入したことによって人間関係の構築、他者からの評価にプラスをもたらすのではないか、と期待をして購入するものです。

ランボルギーニやロレックスなどを購入するときは、その先にある女性からの金持ちとみられたい、それを口実にドライブデートに行きたいなどを大いに期待して購入しています。

逆にガビキラーはそれを購入したことによって人間関係構築に役立つものではありません。完全に自分で完結。これを非関係消費と定義します。

最近考えているのは、一見「関係消費」に見えないが、裏に隠されたインサイトは関係消費であるというものです。例えばペット。ペットは癒しを求めて購入するもので、ほとんどの人はそうだと思います。

しかし、実は以下のような潜在的ニーズがありますがあります。
・女の子を家に連れてくる口実にする
(うちの猫にあって欲しい)
・近所を散歩していて、犬や猫を起点に会話が進む(老人によくある)

このような場合、ペット購入はこの欲求を満たす要素もあるため純粋な「非関係消費」ではなく関係消費と言えるでしょう。

そしてワインやアート、クラッシック、ジャスのように教養と呼ばれるようなものがあります。

・知っていないと恥ずかしい(同性間)
・ランクが高い男と見られたい(異性間)

ワインを注文するときに一言くらい通であることを示すような言葉をさりげなく入れたいですよね。

21世紀の資本というウルトラ分厚い本があるのですがこの本は昔の社長室には大抵置いてありこれを読んでいないと恥ずかしいというレベルだったと言います。つまり対外的な評価のために購入している側面があります。

知識と教養という言葉の使われ方の違い着目すると、教養にはどこか対外的な評価を気にする時に使われているように思います。

・教養としての世界史
・教養としてのワイン

なんていう本最近見ますよね。あの言い方には見栄を張る、恥を回避するための知識っていう意味も汲み取れます。

僕がこのワインのD2Cが斬新なサービスだと思った点が

・物販に加えて、情報で付加価値を上げている

・ワインを送るだけだと自己完結する非関係消費だが、ワイン講座と共に送ることで関係消費になる。
(見栄や他者からの承認につながる)

・それによって付加価値が大幅に上がる。関係消費(特に見栄とか、恥回避、承認欲求)の方が財布が緩む。


教養って色々ありますが、ワインは知識を披露する機会が圧倒的に多いですよね。それも自然な流れで。もちろん、ワインの味の違うを楽しみたいという理由も大きなものだと思います。

機能だけで差別化が難しいと言われて久しいですが、この辺りの研究と商品開発はめちゃくちゃ興味あるので引き続き調査していきます。

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