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【名曲ライブラリ】 Never Let Me Go

作詞:Ray Evans 作曲:Jay Livingston

1956年「The Scarlet Hour」という映画で、ゲスト出演したナット・キング・コールが歌いフィーチャーされた曲。映画は見たこと無いので感想は書けませんが、YouTube等でトレイラー(予告編)見る限り、恋愛サスペンス的な映画?映画評ではあまり評価は高くありません (^^;

ただしこの曲は実に美しい名曲で、エディ・ゴメス、ケニー・バレル、レッド・ガーランド、キース・ジャレット、ダイアン・シューア、ロイ・ハーグローヴ、そして先日亡くなったザ・ローリング・ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツのジャズ作品など、実に様々なミュージシャンにカバーされています。そしてこの曲にインスパイアされたという同名タイトルを冠したノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロの小説「Never Let Me Go」は衝撃的で素晴らしい作品。まだ読んだこと無い方はぜひ。

前回に引き続き、またビル・エヴァンスのカバーで恐縮ですが、やはりこの曲のカバーでは個人的にこのビル・エヴァンスのピアノ・ソロ作品が絶品だと思うのです。CDをはじめデジタル時代となった今は気付かないかもしれませんが、この曲の収録されたアルバム「alone」のB面は、この14分の長さの1曲だけなんです!当時まだピアノ・ソロ作品というものが一般的でなかった時代において、入念に準備して望んだ録音。すべてがワンキーで演じられ、メロディに重きを置き、インプロヴィゼーションはその対比として表現され、絶えずメロディに帰っていくというスタイルは作曲者のジェイ・リヴィングストンへの賛辞が込められているとも言える。ちなみにExpanded Editionにはもう少し短い別テイクも収録されていますので聴き比べてみるのも楽しいかもしれません(この演奏もとても良いです)。Spotifyで聴けるようなので最後にアルバム・リンクを貼っておきます。

近年の作品、そしてヴォーカルものではボズ・スキャッグスのものがとても素敵です。AORの名手として名を馳せたボズですが、最近のスタンダードものも結構いい感じです。

カズオ・イシグロの同名小説とともにこの曲を聴くとその世界観がダブルで噛み合い実に味わい深いです。ぜひ楽しんでみてください。


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