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サッカー文化の定着にメディアの成熟は欠かせない~2022カタールW杯の報道の浅はかさ

pic. by 日テレNEWS

今日も毒を吐きます。

サッカーの試合に芸人は必要か

メディアはサッカーの試合を、バラエティコンテンツと思っている。
そういう扱いだ。

私は、ワールドカップの素晴らしいプレーや、戦術の違いや、采配の妙を、選手のあるいは元監督の目線で、解説してほしい。
いくらサッカー好きだか知らんが、芸人の感想など、ひとつも聞きたくない。
飲み屋の与太話レベルのトークを聞くぐらいだったら、岡田武史さんの解説を、あと5分長く聞きたい。

ハーフタイムの監督インタビューは必要か

初戦のドイツ戦、ハーフタイム。
インタビューに応じる森保監督が、TVの画面に映った。

もちろん、こんなこと記憶にない。
ちょっと、信じられなかった。

試合の途中、しかもビハインドを追っている中で、監督にインタビューに応じさせることが、報道のありかたとしてどうなのか。
終わってからではいけなかったのだろうか?

怒りを通り越して、呆れてしまった。

どうもNHKでは、Jリーグで「いつもやっていること」らしい。
背景は、何でも、サービス向上(インタビューを通じて監督や選手の生の声をサポーターに届ける)を目指すJリーグと、CMがなく「繋ぎコンテンツ」が欲しいNHKの、双方の思惑が一致し、慣例化しているとのことだ。

でも、まさか日本代表戦、しかもW杯の大舞台でも実行するとは思いませんでした。
さすがにNHKともども、ちょっと空気が読めないというか、空回りした印象を受けますね(苦笑)。
ハーフタイムのミーティング後は、監督や選手、チームスタッフ全員で円陣を組んで声出し、タッチを交わしてピッチに向かうのが日本代表のルーティン。
本来ならば監督は、コーチ陣と最終確認、そして審判ともコミュニケーションがとれる重要な時間でもありますが、森保さんは円陣後に急いでインタビュールームに向かったのでしょうか。

スポーツ新聞ジャーナリストのコメント(週刊女性PRIME)

そんなこと、子供でもわかるでしょ。
集中が必要な時間に、邪魔するのがメディアの役目ですか?

感動をありがとうキャンペーンは必要か

巷ではこんな意見です。日本中こんなに盛り上がっています。
それはわかる。事実としては認識できる。
が、それにどんなニュースバリューがあるのだろう。

これが繰り返し流されるのは、同調圧力も感じるし、気持ちのいいことではない。
もっと建設的な、これから日本代表をもっと強くするためにどうすれいいのか、そういうコンテンツを掘り下げてくれないかな。

メディアのあり方は視聴者意識の鑑

わかっている。
メディアがバカな番組を作るのは、視聴者がバカだからだ。

しかし、天に唾吐く行為だとしても、これだけは言わせてほしい。

伊達に、7回連続でワールドカップに出場しているのではない。
そろそろ、この世界最大の祭典で、日本が何を得たいのか、また、そのためには何を準備すべきか、真剣に考えた方がイイ。

4年後のワールドカップは、そのフォーマットが大きく変わる。
次回から、参加国が32→48に増え、アジアの枠も4.5→8.5と拡大する。
そうすると、ワールドカップ本大会に駒を進めるのは、アジア最終予選に駒を進める(今回は10ヶ国)程度の難易度となる。
つまり、アジア二次予選突破レベルで本大会に出られるということだし、日本はかなりの確率でずっと本大会に出続けられるだろう、ということだ。

それは一見喜ばしいことのように思われるが、アジア予選、とりわけ厳しい最終予選を通じて、チームを成熟させていった日本としては、その機会が大きく失われるということも同時に意味している。
ましてや、国際マッチデーの日程にネーションズリーグの試合が組まれるため、ヨーロッパ各国とのマッチメイクが極めて厳しくなった昨今、本大会に向けての代表チームの強化策は最大の課題である。

そして本大会では、16のグループリーグは各3チームで争われ、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
計32チームで争われる決勝トーナメントは、4回戦制→5回戦制となる。
つまり、日本が苦手としている「決勝トーナメント第1回戦」が3試合目、ということになるのだ。
ベスト16が最高位の日本は、決勝トーナメント第1回戦の壁を超えられなければ、今後「万年ベスト32の国」となるかもしれない。

だから、もうちょっと考えよう。
サポーターが賢くならなければ、メディアは変わらない。

ああ、やっぱりブーメランだ。

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