見出し画像

自分の羅針盤を持とう:Michael Ray "The Highest Goal"

今年、来年と、自分に大きな変化がありそうだ、いや、この先10年、20年を見越したときに、今年、来年で自分を変えていかなければならない、と思うところがある。そんなわけで、30年から35年前の社会人になる前の大学生のころと、キャリアの中では大きな転機となった20年から15年くらい前の本を引っ張り出し、note に思うところを投稿することで、原点に戻り、自分を見つめ直すつもりもあった。とても良かったと思う。

画像3


そんなこともあって、去年の12月末の一週間の間、Michael Ray の "The Highest Goal" を読み直していた。Amazonによれば、2006年の4月に購入している。著者のマイケル・レイは米国スタンフォード大学の コース:パーソナル・クリエイティビティ・ビジネスで教えている。

裏表紙に書かれている1行要約は次のような感じだ。

Thrive with the secret that turns tough times into fulfillment, contribution, and triumph.

訳すと次のような感じだろうか。

困難なときを、充足感と貢献と喜びに変えて乗り切る、そんな秘訣を学んで目標を達成しよう

日本語訳の本は読んでいないが、Amazonの書影の帯とか見るとすごく軽い自己啓発書のように見えるのでイマイチな気がするかもしれない。また、この分野の本にありがちな、ちょっとスピリチュアルな感じも怪しげに思う人がいるかもしれない。

が、私はこの本はとても良い本だと思う。個人個人の取り組みに落とし込まれている点、そして、実践のヒントが丁寧に具体的に書かれている点がよい。特に、思ったように仕事ができずに悩んでしまっている人、空回り感がある人、頑張りすぎてへこたれてしまった人、Introduction だけでもいいし、少しひっかかったところを拾い読みするだけでも、いろいろ自分自身について気の付くところがあると思う。

ただし、読んですぐに行動が変わるとか、何もかもがうまくいくようになるとか、実利的な即効性があるとは思わない。あまりそのへんを期待するとがっかりするかもしれない。

画像1

最初の章の Introduction で、まず、The Highest Goal についてと、その見つけ方について書いてある。

The Highest Goal とは、内面で感じる全世界と一体になる経験、であり、自分が自然にやりたいことを夢中になってしているときに感じるあの感じである。「フロー」のときの経験ともいえる。この The Highest Goal を大事に、自分に正直に生きることが、創造的な仕事をする秘訣だとする。

The Highest Goal は、自分を見直すこと、特に幼いころから見直し、自分が感動した体験を書き出してみることで見つけることができるだろう。最近の出来事だって一向にかまわない。それを書き出して、それを大事に仕事に取り組む。 すると現実には、The Highest Goal を目指しても、それだけで人生バラ色になるわけではなく、返っていろいろ障害もあるだろうし、自分が迷うところもあるだろう。周囲や自分自身と折り合いをつけてしまってあきらめるところもあるかもしれない。本当にThe Highest Goalを目指して行動するためには心構えだけでなく、日ごろからの訓練と実践が必要なのだ。

例えば、誰に何を言われても1週間は自分の好きなやりやすいことしかしない、あるいは、誰に何を言われても1週間は自分が嫌で困難に思うやりにくいことから手をつける、そのように行動して経験したことや感じたことを書き出し振り返る、などなど、いろいろ実践するテーマが 8 ステップ書かれている。

ここでは細かく紹介しないが、目次を引用しておこう。なんとなく感じがつかめるだろうか。

Foreword by Jim Collins
Preface
Introduction
Chapter 1 Go beyond Passion and Success
Chapter 2 Travel Your Own Path
Chapter 3 Live with the Highest Goal
Chapter 4 Find True Prosperity
Chapter 5 Turn Your Fears into Breakthroughs
Chapter 6 Relate from Your Heart
Chapter 7 Experience Synergy in Every Moment
Chapter 8 Become a Generative Leader
Appendix A Continue the Journey
Appendix B Live-Withs

実践するテーマや取り組みのアイテム、そして、自分自身に正直に生きていこうとするときにぶち当たる数々の困難、そういったことを本書では、"Live-With" と呼んでいる。受け入れて一緒にうまくやっていく、という感じだろうか。我慢とかチャレンジとかではない。

人生は、よく、旅にもたとえられる。Chapter 2 の "Travel Your Own Path"、 訳すると「あなた自身の道を旅しよう」といったところだろうか。人生の旅は、あなたが主人公の物語でもある。

画像2

物語は、次のような構成であることが多いという。

1. Innocence 無邪気で平穏のとき
2. Call 使命が与えられる
3. Initiation 試練のとき
4. Allies 仲間ができ味方ができる
5. Breakthrough 突破、使命の達成
6. Celebration 祝福のとき

大きかったり小さかったりする、このU字型に表現される物語の連続を私たちは生きて人生の旅を渡っていく。私はたまに、パラパラとこの本を見直してみる。とはいえ、私自身は Live-withs は、あまり真面目に実行していない。

迷ったときには羅針盤を見る、そういう感じかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?