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vol.018「教科書に書かれてない問題:『距離感』を『調整』する、ということ」

社会に出て、生きていると、「人生で、重要なわりに、学校の授業ではまったく教わらないこと」がいくつもあると知る。
「距離感」はそのひとつ。※FB版に加筆したロングバージョンです。

◆そもそも「距離感」ってなに?
 
「距離感」を定義するのは、実はとても難しい。言葉にすると、
 
法律や条例で定められているものではない。「当コミュニティの規則」にも書かれていない。だけどそこに確かに存在するもので、
 
明示されてないけれども(または明示されてないからこそ)、失敗すると回復が難しいもの。意識できてないと かなり損をするもの
 
とでもなるだろうか。
うーん。何のことかよくわからないですね。
 
「適切な距離感のとりかた」ではどうでしょう。
 
おなじく、ぱっと一言で言えないのだけど、この投稿を書いている時点ではひとまず、
 
1.相手に使わせる時間(量)、パーソナル度(質)の二つを調整できる
2.自分が権利と責任を有してない事柄に、許可がないのに口出ししない
3.安全な人物である(リスクを生じさせない)という実績を積み上げる

 
に集約できるのでは、と考えています。
 
以下、いったん書き出してみて、特に「定義」については整理できたらまた書き直します。
  
引き続き、
「なにかのセミナーや講座に参加したときの、メイン講師の先生、そのコミュニティの関係者との距離感のとりかた」
という場面設定で話を進めます。

 


1.相手に使わせる時間(量)、パーソナル度(質)の二つを調整できる


 
パーソナル度を調整する
 
敬語で話す
まずは敬語、丁寧語で話す。自分から先にタメ口で話さない。馴れ馴れしくしない。
 
連絡手段をえらぶ
使うメディア(媒体)の性質を考えて使う。(名刺に書かれているメールアドレス>>SNSのメッセンジャー>>>>>>電話)
 
まずはSNSで発信する
実践したレポートは、まずはSNSで発信する。「自分のタイムラインへの投稿」で表現する。
 
タグ付けするか考える
タグ付けするかしないか判断する。相手のタイムラインに出ていい内容か考える。
 
 
相手に使わせる時間を調整する
 
話す長さを調整する
自己紹介、意見や感想をしゃべるとき、持ち時間の指定があれば守る。または全体の平均以内におさめる。または想定時間を対象人数で割って(勝手に)あたりをつける。
 
質問の回数を調整する
自分だけが突出して質問しない。「質問する(挙手する)」こと自体は有益で差異化にもつながる。「質問回数トップ層に合わせる」ぐらいの感覚。
  
もじもじしない
周囲にケアさせる手間をかけない。例えば水を向けられて、話しはじめるまでの何ターンかの会話を消費させない。話すならさっさと話す。勉強の場にあっては「謙譲は美徳にあらず」。
 
ほかの人の話も聴く
デフォルト設定を「機会均等(公平)」「謙虚」にしておく。そこから、状況に応じてスイッチを切り替える。
 
許可を求めない
「SNSで感想を書いていいですか?」とメッセージしない。その人のタイムラインや過去のリピーター受講生を参考に、自分で判断する。


コラム「個別メッセージのやり取り」

非対面の場面のなかで、「個別メッセージのやり取り」は、①不特定多数の前で恥をかくわけではないが、②失敗すると非常に修復が難しい(静かに疎遠になる) ことの、筆頭だと考えています。

メッセージの総ボリュームを調整する
スクロールしないと読めないような長文を送りつけない。改行、空白スペースをいれて読みやすくする。
 
ひとかたまりの長さを調整する
書いて送信を押すかたまりの長さを、ある程度相手に合わせる。短く何ターンか送ってくる人には短めでいくつかに分ける。
 
メモ帳で下書きを書く
メッセージ送信を複数に分けると「いつ話題(返信)が終わったか」が相手からみて分かりづらくなり、途中で返信がきてしまう。(いわゆるかぶったり、会話が意図せぬものになる)
なにか正式な報告のときには、メモ帳に下書きしておくことで、間(ま)を空けず、かつ(相手に合わせた形で)いくつかに分けて送信できる。
 
改行、スペースを調整する
一文の長さや改行の位置(改行の数)は、人それぞれかなり違う。
(私の場合)相手が詰めて改行せずに文章を書く人か、改行やスペースを多めに書く人かで、返信やコメント書き込みを相手にやや寄せている。
※補足:相手がどうかに関わらず、こちらは見やすくして送ればほぼ外れないので、あまり気にしなくてもいい
 
やり取りの頻度を調整する
メッセージやり取りする場合は「1問1答」方式。メッセージ1件に返信1件。返信の長さはもらったメッセージの長さと同程度。
 
やり取りの速さ(遅さ)を調整する
返信が早い相手にはこちらもすぐ返す。間隔が空く相手にはこちらも間隔を空ける。要するに相手と同じペースにする。
 
催促しない【最重要】
送ったメッセージを読むことや返信を催促しない。(既読をチェックするのは問題ない。誰にも迷惑かからない)
ここで例に挙げたようなケースでは、相手はものすごく忙しい。スマホで本業のやり取り(クライアントや取引先との連絡)をしていることがほとんどだ。
とにかく催促しないこと。
 
返信がほしいときは「一方的に」「続報」を送る
どうしても返信(反応)がほしいときは、「続報です」「備忘録を兼ねまして」などの形でさらりと更新情報を送る。(「ご返信は不要です」は不要)
関連するテーマの取組課題をやってみた報告、等だと不自然さもすくない。

以上、ご参考になりましたら。



2.自分が権利と責任を有してない事柄には、許可がないかぎり口出ししない

 
「有価資産」である、という感覚をもつ
 
"無銭飲食"しない
有料の内容をタダで質問しない。個人的な相談を長々としない。自分の「持ち時間」を考えておく。
 
「聞いていいか」考える
「それは聞いていい内容か」を考えてから発言する。
たとえば著書について「何万部売れたんですか?」「印税っていくらもらえるんですか?」などと聞かない。普通の人との会話で、「どのぐらいお金貯めてますか?」「お宅のローン、いくら残ってるんですか?」と聞かないのと同じだ。
 
 
◆責任を取らないなら静観する
 
頼まれてないのに評論しない
講義の内容や価値観を評論しない。長々と持論をぶたない。間違えても"説教"しない。
 
責任を負わないことは静観する
結果責任を取れないことに指図や口出ししない。やりたければ自分でセミナーを主催してそこでやる。※繰り返しになるが質問や意見交換はOK。
 
 
 

3.安全な人物である(リスクを生じさせない)という実績を積み上げる


 
◆情報発信のしかた
 
タグ付けするかしないか考える
細かい話をすると、相手が「タグ付けを許可するかスルーするかを選ばないといけない」という視点を持つ。
 
守秘義務を遵守する【重要】
セミナーの内容をどの程度、SNSで書いていいか、所定のガイドラインに忠実に従う。
懇親会での話題は、明示的に許可のないかぎり口外しない。または発言者(何の場か)を特定できない形で引用する。または自分が話した部分についてのみ触れる。
 
守秘義務を遵守する2【超重要】
個別の連絡、なにか厚遇してもらえたときは特に徹底する。拡大解釈したり、勝手にルールを読み替えない。
ほかの人に自慢したくor確認したくなるが、やらない。「そっちはどう?」などと連絡を取り合わない。
 
 
行動、ふるまい
 
言動を安定させる【重要】
自分の面倒は自分で見る。(いわゆる「自分の機嫌は自分で取れる」)。「安定していない人」には「隠されたドア」が開かない。連れていく行く立場から見てリスクが高いからだ。 
 
期待しない【重要】
宿題をやったと報告する。懇親会の幹事に立候補する。議事録を自発的に書く。
これら全般について「賞賛されるはずだ」「お礼のメッセージがあるはずだ」と期待しない。催促しない。
この世の「裏切られた」の半分は、「勝手に期待して勝手にそれが外れた」場合だ。
 
「この場の所有者は誰か」と考える
相手の主催するコミュニティ、相手の人脈で、尊大な態度を取らない。口論をふっかけない。場を荒らさない。
 
 
とりあえず「素直に」「すぐ」
 
催促させない
何かのお誘いに「Yes」で返事するつもりなら、速いほどいい。特に「すべて把握できてない時点で先に返事」すると価値が上がる。
「No」なら、理由を添えてて返事をする。理由は方便でもいい。
重要なのは、スルーしない。再確認が来てからあわてて言い訳したり、まちがっても逆ギレしたりしない。
 
助言は取り入れる
なにか助言されたら素直に一度実行する。全部または一部取り入れる。自分からアドバイスを求めておいて「できない理由」を並べない。聞くつもりがないなら相談しない。


4.その他、気をつけていること


 
◆「見られている」と考えておく
 
続けているか(中断することは何の問題もない)。第三者に横柄でないか。愚痴っぽくないか。「自分に投資できる人か」「習慣化できる人か」、見てないようで見られている。
彼ら彼女ら「天然族」は、文字を読む速さ・消化できる量(=レーダーの届く広さ、エンジンの排気量)が一般人とは違う、と考えておいてちょうどいい。
 
 
「気を使う」は安全で楽な口実だ
 
世の中の「目上の人」には2種類いる。
気を使ってほしいタイプとほしくないタイプ。または、自分に気を使ってほしいタイプと、自分が気を使いたいタイプだ。
後者、つまり、「気を使われるとわずらわしく感じるタイプ」に対しては、「気を使う」は解決策になっていない。 
 
一例として、「会食に招かれた場合」を考えてみる。
相手のご指定の会場、行きつけのお店に到着して、席に案内された場面でどうするか。
正解は、上座に座るよう勧められたら、一言お礼をいってから素直に座る。「いえいえ、ここは先生が上座に座ってください」等の"無益な"やり取りで、時間を消費しない。相手を「招待客を立たせてしまっいる人」にさせない。
「相手の視点」で考える訓練をする、ということだ。
 
「気を使う」のは安全で、楽で、後ろめたさもない自分自身の気が済むから、目下の人間はついやってしまう。しかし「気を使わなくていい」(この場を楽しみなさい)と言われたら、それが「その人の意向」だ。「では、気を使うのはやめますね」とわかるような行動に切り替える。楽しんでいることが伝わるようにする。「目上の相手に気を使う」とは、そういうことだ、と考えている。
 
 
◆どこかではリスクを取って勝負に行く
 
とは言いながら、「距離感を縮めたい」「信頼関係を獲得したい」と思ったら、どこかの場面で勝負に行く必要がある。
「実践」は極論すると「結果をじかに報告するための口実、アリバイづくり」だ。実践・試行錯誤することで、連絡を取りやすくなり、「信頼ポイント積立て」につなげることもできる。距離「感」を間違えさえしなければ、距離を縮めることもできる。
要するに、リスクを取るかどうかがだ。
 
 
「相手はどうしてほしいのか」を推定する
 
「タグ付け」は、最初からしたほうがいいケースもある。「よければぜひタグ付けお願いします」と連絡を頂くこともあって、「よけいな一手間かけさせている」とも言えるからだ。
 
ブログの投稿などの誤字は、報告するかしないか迷うところ。それこそ相手との「距離感」によるし、その人の価値観による。「誤字脱字は重要じゃない、意味が通じればいい(いちいちツッコミは要らない)」という人もいて、それはそれでその人のポリシーだ。
 
著書の誤字脱字誤植は、発見したら報告する(距離感によって、公式メールかSNSメッセンジャーかは使い分ける)。これを嫌がった人は今のところいない。丁重にお礼を言われる(≒感謝される)ことがほとんどだ。
 
運営スタッフの方のミス等(応対への違和感、平たくいうと不快な思いをしたり、明らかな過失と思えたもの)は、言うか黙っておくか迷うところ。私自身は、「今後もその先生/その会社と関係を続けたい」→言う、「疎遠になっていい」→見送り、とすることが多い。
 
 
◆特に目下の(と思っている)人に対して
 
主催者や先生と呼ばれる人【以外の】人たち、特に目下の(と自分が勝手に思っている)人たちに対しての距離感には気をつける。スイッチがオフになりやすいからだ。
たとえば、言葉遣いが馴れ馴れしくなったり、上から目線で評論やアドバイスをしたり、目上の相手には聞けないような質問を平気でしたり、といったことだ。
「デフォルト設定を謙虚」「こちらからは敬語・丁寧語を崩さない」を基本にしておくと、事故は防げる。
 
  
◆ほかの参加者との距離感をどうするか
 
同じコミュニティのほかの参加者との距離感は、自分の価値観で決める。要は、勝手に踏み込みすぎなければいい。
私はというと、①全員が仲良くする必要はない(温度・価値観・動機は千差万別)、②その先生の信者(礼賛)とは一線を引く、という価値観だ。
熱さから距離を置くことのデメリット(例:体験や気づきの機会を逃す)もあるから、このあたりは本当に人それぞれでいいと考えている。
 
 
◆割り切って次に行くことも必要

法律や条例で定められているものではない。ということは違反しても訴えられないかわりに、予告なく静かに遠ざけられることもある。
「現時点の力が足りなかった」あるいは「ご縁がなかったのだ」と割り切って次に行くことも、精神衛生上は必要だ。


いったん以上です。

読み返すと「距離感」以外の話も混じってしまってますね。
 
整理しきれてない、言語化しきれてない感があるので、また加筆・修正していきます。

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