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vol.006「質問する技術、教えてもらうコツ。」

目上の人に質問するときのポイント、教えを乞うときのコツ について、まとめなおしてみました。


1.目上の人に質問するときのコツ


 
「講演会の聴衆のひとりとして、質疑応答タイムで質問する」ケースを例にします。
 
ポイントは2つ、
 
(1)「相手が言ってほしいこと」を質問する。
(2)あらかじめ紙に書き、準備しておく。

 
だと考えている。
 
(1)「相手が言ってほしいこと」を質問する。逆にいうと「自分が言いたいこと」は言わない。
 
この「相手が言ってほしいこと」は
「無難な質問をする」
「賞賛(お世辞)を言う」
ことではない。
 
「するどい質問をしたら先生が窮するかもしれないから、配慮してあげましょう」
という意味でもない。
 
相手(講師の先生)は、その日の、そのテーマの専門家。
場合によっては著書がすでにベストセラー。
「答えられない、レベルの高い質問」
を、いち聴講者が発してしまうことは起こり得ない、と考えていい。
 
そうではなくて、
 
・著書を読めば答えが分かるような質問をしない
・自分の(大したことのない)所見を一席ぶたない
・いかに熱烈なファンであるかを長々と訴えない
 
といった観点です。
 
できれば、
「会場全体が盛り上がる内容」
「他の人も聞きたかったであろう質問」

が望ましい。
 
終了後のサイン会で聞けば事足りる質問はしない」と言っても良い。
 
 
(2)あらかじめ紙に書き、準備しておく。
 
紙に書いておく」ことは、確実に効果があります。
 
①質問の内容を紙に書いておく。
 極端にいうと「(ほぼ)質問のセリフ=原稿そのもの」を書き出しておくと、間違いがおこりにくい。
 
②質問を複数準備する(もちろん紙に書き出す)。
 質疑で当てられるまでのあいだ、入れ替え戦を行う。
 「講演の中で先生が該当する答えを言った」
 「直前の質問者が同じ質問をしてしまった」
 といった事態にも対処することができる。
 
 
講演会場で、①をやっている人は少数派。あまり見かけない。
 
②を実行している人は、今のところ、まだ見てない。
 
理想は「お礼 or 感想ひとこと[5秒]+ 質問[10秒]=合計15秒」。長くて「30秒以内」が上限。
 
会場の聴講者は、いち聴講者の話ではなく、先生の話を聞きにきている
 
そして、質問の意図の補足、たとえ話等は(基本的には)いっさい不要。
 
先生はそのテーマの専門家で、類似の質問を千回くらい受けている。
おそらく、質問文の前半を聞いた時点で、答えが頭に浮かんでいる、と心得ておく。
 
 
前に出た講演会で教わったのは、
 
「自分が聞きたいことを聞く場ではない」
「検索すれば判ることは聞かない」
「相手の印象に残る質問をする」
 
の3つだけ気をつければ良い、だった。同じことを言っていると思う。
 
「質問には目的があるべきで、目的を達成するために聞こう」
と指摘していて、ほんとうにその通りだと、深く納得した。
 
質問にかぎらず、言葉を発するとき、そこには何かしら意図がある。
 
「話し始める時点で、目的をもっている」というのは、簡単なようで、とてもむずかしい。
 
でも、実行している人はすくないから、差がつく部分だ。

2.目上の人に教えを乞うときのコツ


 
かならずしも社会的地位とか年齢とかのことではなくて、その分野(=相手の本業・本領)において目上。
なので、何かを教わるケースのほとんどにあてはまる。
 
「教えてください」とお願いすることで、信頼関係が醸成される効果があるから、けっこう役に立ちます。
 
 
①第三者を介して紹介された場合は、とにかく礼儀正しく。相手の話を聞く。適度に質問する。
 ↓
②正式にアポを取る。①の場合でも、一人で訪ねる。
 ↓
③予習して臨み、どこまで予習してきたかを言う。
 
④最後まで聴く:さえぎらない。おしまいまで聞く。うなずく。
 ↓
⑤メモをとる。
 ↓
⑥質問する。理解度を確認する。
 
⑦お礼をいう。実践してみます、と宣言する。
 ↓
⑧実践した、という報告をする。メールやメッセンジャーで良い。
 ↓
⑨うまく行った部分、効用を報告する。お礼をいう。
 ↓
⑩うまく行かなかった部分を報告する。お礼をいう。
 ↓
⑪あらたな質問や相談をする。
 ↓
⑫実践し、うまく行った部分、行かなかった部分を報告する。
 
(以下、同じサイクル)
 
 
質問する→メモと確認→実践する→結果報告→さらに教えを請う
という流れになる。
 
 
得意な分野で
「教えていただけませんか」
と頼まれて、気を悪くする人はあまりいない。
 
自分の話を真剣に聞いてくれる相手を、人間は嫌いにはならない。
予習、実践、報告をしてくる「教え子」を、「先生」はかわいく思うものだ。
 
事実を、こまかく報告する
事実と感想を分けて報告する
のがポイントだと考えている。
 
 
「そのあとの結果を報告をする」は、実施している人が意外にすくない。
『事実』は使いべりしない、便利な武器だ。

1.質問するコツ と 2.教えを請うコツ に共通するのは、
「あなたに敬意を払っていますよ」という姿勢だ。
 
相手の時間を頂くからには、自分の時間(手間・コスト)を惜しまない人間ですよ』という証明を、行動で示そうとしていることだ。
 
 
偉い人は、
・自分の価値を理解してくれている人か
・状況に見合った振る舞いが取れる人か
を見て、判別しているのではないかと思います。
 
つまり、入り口の言動で、ある種のふるいにかかっているのだろう、という仮説を立てています。

そしてこの仮説は、おそらく当たっています。

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