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年末年始に青春18きっぷを使って東京から京都まで旅した話

はじめまして。東京の大学生です。写真を撮るのが好きです。12月31日から1月3日にかけて、JRの青春18きっぷを使って電車旅をしました。なかなか楽しい体験だったので、備忘録代わりにnoteへ投稿しようと思いたち、キーボードを打ち始めた次第です。この投稿が誰かの役に立ったら幸いです。

旅程を地図に表したものです

旅の概要

12月中旬、年末年始が暇なことに気づきました。私は一人暮らしをしているのですが、諸事情によりこの年末は実家に帰らない予定だったのです。そこで、同じく実家に帰らない友人Aに「旅に行かないか」と誘いました。

始めは東北方面に行く案もあったのですが、①電車等のアクセスが悪いこと ②車で行くとなると雪が怖い、という懸念から、無難に西日本方面に決まりました。また、せっかくの冬の旅行なので、東海道ではなく中山道を通っていくことが決まりました。

話し合いを重ねた結果、日程は次のようになりました。

1日目(12月31日) 東京→甲府
2日目(1月1日) 甲府→上諏訪→名古屋
3日目(1月2日) 名古屋→京都
4日目(1月3日) 京都→東京

青春18きっぷは1日乗り放題が5日分ついてくるのですが、それを2人で分けて使うとなると1日分余ってしまいます。そのため、金券ショップにて4回分の18きっぷを購入しました。1万円で買ったので、料金が2500円を超える区間(2日目の甲府→名古屋と3日目の名古屋→京都)は18きっぷを使用する方がお得になります。これに伴い、1日目の東京→甲府は学割の乗車券を使用して鈍行列車で、4日目の京都→東京は新幹線で移動することにしました(さすがに帰りは楽したかった)。

宿については、事前にBooking.comを使用して1泊3000円前後の価格帯で探し、予約しました。宿の名前や感想については後述します。

持ち物については、機動性を確保するため、アウターやボトムスは着回すなどして、なるべく体積が少なくなるように準備しました。衣類はバックパックに、カメラやモバイルバッテリーなどは肩掛けバッグに入れることで、運びやすさと即応性を両立しました。カメラはSONY ZV-E10、レンズはTamron 18-300mmの1本だけです。友人AはiPadを持って行っていましたが、私は不要と判断したためiPhoneで乗り切ることにしました。加えて、暇つぶし用に、『ポケットモンスター スカーレット』をインストールしたNintendo Switchを持っていきました(今回の旅のために最新作に手を出した)。


1日目 東京→甲府

12時過ぎに最寄りの中野駅から中央線特別快速に乗り込み、東京駅から乗ってきた友人Aと合流しました。高尾駅で中央本線に乗り換え、揺られること1時間半。ポケモンのチュートリアルをしていたら甲府駅に到着です。

甲府駅の南口。それなりに人はいた

その後、駅近くの甲府城跡を観光しました。城跡である以上当然ですが、階段が多く、キャリーケースで来た友人Aは苦労していました。その分見晴らしは良く、甲府盆地を見渡すことができました。

甲府城跡からは富士山も見えた

その後、駅北側のタイムズレンタカーで車を借り、友人Aの運転で武田神社に足を運びます。

武田神社。西日が差していて綺麗だった
帰りの駐車場にて。夕日と山が織りなす光と影の層

その後、友人Aの要望により「ほったらかし温泉」へ向かいました。甲府駅周辺から車で30分ほどの場所にあり、露天風呂から甲府盆地を一望できる温泉(大人入浴料は800円)です。タオル代金200円をケチって、持参してきたタオルを使用しましたが、翌朝になっても乾かなかったので捨てました。普段使いのタオルが2枚減ることになり、ちょっと後悔してます。割と標高の高いところにある温泉なので、夕空も夜空も綺麗に見えました。この記事のヘッダーが入浴前に温泉の駐車場で撮った写真です。

風呂上がりの珈琲牛乳を堪能した後、宿に向かいました。この日の宿は「バッカス甲府ゲストハウス」です。事前にメールで送られてきたQRコードを、無人フロントに置いてある機械にかざしてチェックイン完了です。箱から鍵を取り出し部屋に入ると、2段ベッドが2つ並んでいます。ゲストハウスである以上他の客と共用になるわけですが、私たちの部屋には他の客1人の荷物があるだけで、その客自身は部屋にいませんでした。

衣類を部屋に残して貴重品だけを私のバックパックに詰め込み、車を返して、夕食を食べに行きます。甲州名物のほうとうを食べたかったのですが、ほとんどのお店が休業していました。仕方なく駅ビルのロッテリアに入り、「タブル絶品ベーコンチーズバーガー」を貪ります。2022年最後の晩餐はチェーン店のハンバーガーとなってしまいました。

帰り道にカップそばを買って帰ると、宿のラウンジに社会人男性2人がいました。2人は仕事の同僚らしく、元旦のダイヤモンド富士を見るためにこの宿に泊まるらしいです。分けていただいた餅と馬刺しを食べたり、オセロをしたり、紅白歌合戦を見たりしていたら、あっという間に年越しです。

何の関わりもなかった人と仲良くなれるのがゲストハウスの良いところ
餅を焼いたり、ペレットストーブの故障を直したりしてた

1時過ぎになり全員眠くなってきたので、年越し会を解散して部屋に戻りました。ベッド自体は悪くなかったのですが、エアコンの暖かい空気が天井付近にたまってしまい、下段は全く温まりませんでした。仕方ないのでダウンジャケットを着て、「1泊2900円なんだからこの過ごしにくさは我慢しろ」と自己暗示しながら眠りにつきました。


2日目 甲府→上諏訪→名古屋

朝5時に起きて、支度を始めます。早起きする理由は、朝日とともに諏訪大社へ初詣に行きたいからです。ローソンで65円のホットミルクを買い、手を温めながら駅に向かいました。街にはほとんど人がおらず、いたとしてもこれから初詣に向かうであろう高校生グループだけです。今回の旅で初めて青春18きっぷにスタンプを押してもらい、6:07の中央本線松本行に乗ります。

車窓から見るマジックアワーの山々

7:13、上諏訪駅に到着。7:15の市バスに乗ろうと手早くコインロッカーに荷物を詰め込みますが、すんでのところで逃してしまいました。年始ということもあり、次のバスが時間通り来るかも分からなかったので、仕方なく2500円を払ってタクシーで「諏訪大社 上社 本宮」へ向かいます。

街は閑散としていましたが、本宮の近くまで来ると多くの人で賑わっていました。出店を横目に、初詣をすべく鳥居をくぐります。

中部地方の名物・五平餅が売られていた。
参拝後に買って食べた
境内にて。朝日が綺麗だった

時間が余ったので、上社の近くを歩いていると、北斗神社にたどり着きました。200段の階段を上った先に、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を祀る小さな本殿があります。本殿の前は足元が不安定ですが、諏訪市全域を見渡せます。

階段の下には小さな雪だるまがあった

雪で滑りやすい階段を慎重に下った後は、諏訪ステーションパークへ向かいました。上諏訪駅へ戻るバスがここから出るためです。諏訪ステーションパークにあるイオンでおにぎりと焼き鳥を買い、イートインスペースでバスを待ちました。時間になりバス停に行くとすでに1台のバスが止まっており、その運転手さんが、より所要時間が短いバスへと案内してくれました。上諏訪駅に向かう道中、運転手さんが車窓から見える山や建物、諏訪湖などについて解説してくれました。

上社付近の景色 / バスから見える諏訪湖

上諏訪駅に戻った後、塩尻駅と中津川駅を経由して金山駅へと向かいます。所要時間は約4時間で、今回の旅では距離も時間も最長の区間となりました。金山駅で東海道本線に乗り換え、熱田駅に到着。熱田神宮を訪ねます。

熱田神宮はとにかく人が多かった。
あと1000円もするイカ焼きを食べた

その後、熱田駅から名古屋駅まで移動し、宿へと向かいます。この日の宿は、名古屋駅から徒歩10分ほどのところにあるカプセルホテル「ナインアワーズ名古屋駅」です。一旦チェックインしてロッカーに荷物を預け、身軽になった後に夕食探しに出かけました。

左:ロッカールーム / 右上:最上階にあるラウンジ / 右下:睡眠スペース
どこか近未来的なデザインでかっこよかった

味噌かつやひつまぶしなどの名古屋名物を食べようと、JRセントラルタワーズプラザの12階レストラン街でご飯屋を探しましたが、多くの店のラストオーダーが早まっていました。唯一空いていた「京たまごキッチンモレット」に入り、味噌かつが載ったオムライスプレートを頂きました。

味噌かつが食えたのでおk

その後ホテルに戻り、シャワーを浴びました。シャワールームはロッカールームの中に6つほどあり、非常に清潔で便利でした。その後、ラウンジにて男2人して『ポケモン』で遊んだ後、24時ごろにカプセルに入って就寝しました。


3日目 名古屋→京都

7時に起きてチェックアウトを済ませ、朝ごはんを食べにカフェを探します。ホテル近くのカフェが閉まっていたので、名古屋市営地下鉄で国際センター駅から久屋大通駅へ移動し、近くのコメダ珈琲に入りました。コメダ発祥の地だから名古屋の店舗は何か特別なのかなと期待していたのですが、実際は東京と変わりませんでした。

いくら名古屋とはいえ、1月2日の朝はさすがに人通りが少なかった

コメダ珈琲を出て、徒歩で名古屋城まで移動しました。今回のお目当ては金鯱で有名な天守閣ですが、現在は老朽化により閉館しています。改修が進んで、中が見れるようになる日が待ち遠しいです。

道中の市役所本庁舎 / アットナゴヤモニュメント / 名古屋城天守閣
猫を2匹みかけた

11時前にバスで名古屋駅に戻りました。東海道本線で米原駅まで行くと、JR西日本のエリアに入ります。米原駅から京都駅までは琵琶湖線で移動しました。京都駅のコインロッカー(めちゃくちゃ混んでた)に荷物を預け、嵯峨野線で嵯峨嵐山駅に向かいます。冬の嵐山を見てみたかったのです。

渡月橋。観光客が多く、歩きづらかった
途中で雨が降ってきたのでカフェに避難。
前の大家族が親子丼を12個頼んでてビビった
道中で乾電池の自動販売機を見かけた。なぜ残してあるのだろう…

日が暮れてきたので、京都駅に戻りました。駅の地下にあるレストラン街・ポルタでご飯やを探していましたが、どの店もものすごい混み具合なのでとりあえずお好み焼き屋「ここやねん」で整理券を発行して待つことにしました。30分ほど待って、番号を呼ばれたので入店。お好み焼きとふうわり焼き、とんぺい焼きを食べました。

ふうわり焼きの正しい食べ方は未だに知らない

満腹になったので、店を出て宿まで歩きます。この日泊まった宿は、油小路通りを挟んでイオンモールKYOTOと向かい合う位置にある「Wise Owl Hostels Kyoto」です。個室もあるみたいですが、今回は安いドミトリーの方を選択しました。

荷物を置いて貴重品を鍵付きの棚に入れた後、着替えと財布とスマホだけを持って、タイムズレンタカーの駐車場へと向かいます。次に行くのは、宿から車で10分のところにあるスーパー銭湯「伏見 力の湯」です。露天風呂、サウナ、ストロングバスや電気風呂を楽しみました。サウナ好きの友人Aは外気浴とかしてました。

お風呂を出た後は伏見稲荷大社に行きました。午後10時半だったので他の参拝客はぽつりぽつりといる程度でしたが、周辺の駐車場はほとんど埋まっていました。

夜の千本鳥居。一眼カメラを置いてきたことを後悔した

23時ごろに車を返却して、宿のラウンジで『ポケモン』を堪能した後、1時半ごろに就寝しました。今回は私も友人Aも2段ベッドの上段です。

このドミトリールームは男女共用。十数台の2段ベッドが並んでいる

4日目 京都→東京

旅の最終日です。8時ごろに起床・チェックアウトした後、近くのカフェ「林家コーヒー」に行きました。他に4組ほど客がいましたが、雰囲気は落ち着いていました。

ピザトーストとモンブランを食べた

その後、九条を通って南大門から東寺に入りました。今回の旅では様々な神社を巡ってきましたが、最終日にして初めて仏教寺院を訪れました。金堂や講堂の傷んだ木組みからは、その歴史の長さを感じられました。

境内からは京都タワーが見える

10時半ごろ、京都駅に戻りました。いよいよ東京に帰る時が来ました。友人Aは彼の祖父母の家に一泊してから東京に戻るので、ここで解散です。帰りは東海道新幹線に乗るわけですが、指定席がことごとく埋まっていたため、始発の自由席に乗るべくJR京都線で新大阪駅まで行きました。新大阪駅を行き交う人々の多くはスーツケースをひいていました。新幹線乗り換え口にて、中野駅で買っておいた新幹線のきっぷを入れた後、京都-新大阪の料金をPASMOで支払います。27番線の1号車付近で並んでいると、11:51発の列車がやってきました。直前まで座れるか不安だったのですが、車内は意外と空いていて、余裕で3列シートの窓側に座ることができました。『ポケモン』で遊んでいると、あっという間に東京駅に到着。行きは3日かけて移動した区間を、帰りはたった2時間半で駆け抜けてしまいました。14時半の中央線快速に乗り換えて中野駅に帰り、日常に戻ります。


教訓など

年末年始という実に微妙な時期に旅をしたわけですが、「意外となんとかなるもんだ」というのが私の所感です。確かにレストラン選びには苦労しましたが、実際困ったのはそれくらいで、公共交通機関などは通常通り営業しているケースが多かったです。冬は連休が少ないので、この時期は遠出をする貴重な機会でもあるでしょう。年末年始旅、割とアリです。

青春18きっぷについては、通常の学割料金よりギリギリおトクだったと思います。青春18きっぷの良いところはその日中であれば何回でも乗降車できることですが、今回の旅では連絡の悪さを理由にあまり途中下車しませんでした。とはいえ、初の青春18きっぷ利用にしてはなかなか良い行程を考案できたのではないでしょうか。機会があれば、他の方面でも同じような旅をしてみたいものです。

宿については、宿泊体験に対する満足度こそ高くなかったものの、コスパは良かったと思います。初めてゲストハウスやカプセルホテルに泊まったということもあり、なかなか新鮮な体験ができました。個人的に「ナインアワーズ」は内装やサービスが良く、今後も利用したいほど気に入りました。今回泊まった3つの宿をもう一度まとめると、次の通りです。

持ち物は過不足なかったと思います。パーカーやボトムスを着回すことを不快に感じることはありませんでした。衣類を最小限にまとめたおかげで、機動性の高いバックパックを使えたので、「荷物を預けなくてもなんとかなる」状態を作り出せました。これは旅の随所で効果的に作用しました。

カメラのレンズ選びも正解でした。今回の旅では SONY ZV-E10 に Tamron 18-300mm をずっと付けていたわけですが、旅全体を通して振り返ると広角から望遠まで満遍なく必要だったと思います。Tamron 18-300mm は良く働いてくれました。カメラ本体側の ZV-E10 はその筐体サイズからは考えられない性能を発揮してくれました。速く正確なオートフォーカス、スマホでの鑑賞には耐える程度の高感度性能、こまめに電源を切れば1日はもつバッテリー性能。このすべてが今回の旅を記録する上で役に立ちました。

移動中の暇つぶしのために買った『ポケットモンスター スカーレット』は思っていたより何倍も楽しめました。発売当初からTwitterなどでグラフィックについてディスられていたので、旅に行くまで6500円を支払う勇気が出ませんでした。しかしいざ遊んでみると、グラフィックについては前作『ポケモンレジェンズ アルセウス』と大差ないし、プレイに支障はないと感じました。これまでの『ポケモン』シリーズを踏襲しつつも、様々な点(例えばジムチャレンジとか)で手が加えられていて、既存も新規も楽しく遊べるゲームに仕上がっていると思います。

今回の旅は色々と新鮮な体験ができました。予定を立て、遂行し、予定外の事に適切に対処することの繰り返しで、人間として成長できたような気がします。また、友人Aとは助け合いながら旅を楽しいものにすることができました。

ここまでの7000字近い紀行を読んでいただき、ありがとうございました。気に入っていただけたら、ぜひとも「スキ」をつけてください。私が泣いて喜びます。感想や質問があれば、ぜひコメントしてください。返せるものは返そうと思います。それでは、またどこかで。