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友達が、“友達だった人”に変わった瞬間
「久しぶりに会いたいね!」
高校時代、初めて友達になった人から連絡があった。
10年ぶりだった。
ソワソワしながらカフェで会った。
彼女はもともと細かったけど、さらに痩せていた。
「結婚したの」
そう言って見せてくれた結婚指輪が、骨のように細い薬指でカランカランと回っていた。
“大丈夫かな?”と内心、心配になった。
ひとしきり話した後、ところでさぁ……と彼女がカバンから紙を取り出した。
「美容モニターを募集してるの」と説明が始まった。
寡黙だった彼女が、弾丸のように話すのを、
知らない人を見るように眺めていた。
カフェに来てから1時間ほど経った。
彼女が腕時計をチラッとみて、「この後、モニターになってくれる友達と会うから」と言った。
彼女にとって、反応の悪い私は“モニターになってくれない友達”になるのだろうか。
またね!が
こんなに切なかったことはない。
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