富永朋信(プロフェッショナルマーケター)

西友、ドミノ・ピザなどのCMOを経て、現在Preferred Networks CMO。同時に「マーケ=人間理解」という考えの下、複数企業にアドバイザリ業務提供。マーケターオブザイヤー審査員、内閣政府広報アドバイザ。著書に「幸せをつかむ戦略」(ダン・アリエリー共著 日経BP)他。

富永朋信(プロフェッショナルマーケター)

西友、ドミノ・ピザなどのCMOを経て、現在Preferred Networks CMO。同時に「マーケ=人間理解」という考えの下、複数企業にアドバイザリ業務提供。マーケターオブザイヤー審査員、内閣政府広報アドバイザ。著書に「幸せをつかむ戦略」(ダン・アリエリー共著 日経BP)他。

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      日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

    • 人事・組織xマーケティング考察

      マーケティングの核となる人間理解の考え方をベースに、組織や人事などについて考察しています。

    • マーケだけ勉強しても、マーケできるようにはならない

      マーケティングが出来ること、の構造を「仕事のOS」「マーケのOS」「マーケそのもの」「マーケの拡張」の4階層に分けて考えるマガジンです。

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    技術としての旅行は、総てビジネスに効く

    筆者は、40になるかならないかの頃、とにかく時間に追われていた。 というと、聞こえがいいが、つまりは仕事が全然片付かない状況が続いていた。 時は15年ほど前、まだ働き方改革のような考え方は登場しておらず、土日も仕事に充てていた。 その日曜日も、いつものように自宅で資料作りに勤しむ傍ら、ふとした思いつきで、引っ越しが多かった子供の頃に住んでいた頃の住所や電話番号をいくつ思い出せるか、自分に試してみた。 なぜそのような奇妙なことをやろうとしたのか、今ではわからない。とにかく思

      • 老若は関係ない。他者は絶好の教科書。学ぶべし。

        今回の日経COMEMOお題はこちら。 筆者が務めるプリファードネットワークス株式会社には、筆者から見たら自身の子供でもおかしくないような年齢のエンジニアが多数活躍している。 彼らは非常に優秀で、理系的素養のない筆者にもわかりやすい表現で、コンピュータそのもの、深層学習、その手法などといった、難しい概念を授けてくれる。お陰でここ数年、筆者のこれらに係る理解・感覚は飛躍的に向上した。 彼らが知識を共有してくれるのも面白いが、経験を語ってくれるのはさらに面白い。 彼らが仕事や、

        • 運動音痴が考えてみるスポーツの効能

          今回のCOMEMOお題はこちら。 さて、何を書こうと思索し、キーボードを打つ指が止まる。 筆者は筋金入りの運動音痴である。ボールの挙動が直感的にわからず、迂闊に球技に参加すると、その種類を問わず、必ずエレガンスに欠けた有様を披露することになる。 ので、このお題に応えるライセンスがあるのかどうか甚だ疑わしいところではあるが、人間理解とスポーツの関連を考えるところから、糸口を掴んでみようと思う。 さて。 上の記述からお察しいただけるように、筆者はほとんどのスポーツから縁遠

          • まずはYesと言ってみると、見えていなかった地平が見えてくる

            この記事は、COMEMOのお題である「#大切にしている教え」の参考作品として依頼を受け、筆を取ってみた。 コンテンツに移る前に、少し自己紹介をさせて頂きたい。 初めまして。富永朋信と申します。 大学卒業後、日本コカ・コーラ等9社でマーケティング業務を歴任。うち西友等直近4社ではマーケティング部門責任者を拝命。 現在は株式会社Preferred Networks SVP&最高マーケティング責任者。 マーケティングの核=人間理解という考え方に基づき、社内にとどまらずブランド

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            良い会社 最大の条件は、気骨のある社長が率いている、ということである

            今回のCOMEMOのお題は、こちらである。 https://comemo.nikkei.com/n/n016756880bc4?magazine_key=mb7af516ae320&fbclid=IwAR3tikH01CjG_ALWULGzRH5hW95HTA_AtNWGB1Umkpm8eibZOpXpCu15edE 良い会社の条件・・・・?! と問われ、筆者がまず想起したのは、 ・風通しが良い ・心理的安全性が高い ・公平である ・チャレンジ精神が漲っている など、つ

            人生も、マーケティングも、迷ったときは「変化が大きい方」を選ぶ

            20年ほど前の話である。 ある日リクルーティング企業のコンサルタントからメールが届いた。ある企業のあるポジションに応募しないか、という誘いだった。 その当時、筆者は新卒の頃から行きたかった会社に3度目のチャレンジでようやく入り、成果も出だした頃だった。いわゆる部下はいなかったが、プロジェクトリーダーとしての日々は忙しくも楽しく、今考えても充実していた。 一方で ・将来的にはこんな仕事がしたい(具体的にはいずれ流通のマーケティング部門の責任者になり、そのチェーンのお客様

            マーケティング観点から人的資本経営を考えてみる

            筆者が仕事にしているマーケティングは「人の心に働きかけて、それを動かすことである」と考えると人事にとても近い。 顧客の心を対象にすれば、マーケティング、社員の心を対象にすれば、人事という次第。 そんなわけで筆者は最近、人事界隈の方とご一緒する機会が増えているのだが、その中でキーワード的に取り沙汰される言葉に「人的資本経営」がある。 人的資本経営。ちょっと調べてみたところ、概念的でつかみどころがないが、端的に整理すると ・ジョブ型組織を前提として ・社員のスキルアップのた

            「気前よく払うこと」と「情けは人の為ならず」

            やってよかった自己投資? 30年も勤め人をやっていると、その時どきに勤めていた会社で研修に参加させてもらったり、短い留学をさせていただいたりもしたこともあるが、これは人様のお金。すなわち自己投資ではない。 こう考えてみると、自分の場合、自己投資はせいぜいマーケティングやその周辺・関連分野の読書くらいかな、と全く面白くない形で結論しかけたが、一つ思いついたことがあったので、雑文を記そうと思い立った。 筆者は22歳で企業に属し、仕事を始めた。 その職場では25年ほど先輩の

            2023年の働き方は、性悪説<性善説、管理ベース<モチベーション向上ベース、になりますように

            筆者が今まで経験してきた企業の多くでは、物品購入や接待などのために経費を使う際、稟議による事前許可を得ることが必要でした。 そして、経費の支出後は、領収証などの証票とともに詳細を報告する業務、つまり精算が要求されることがほとんどです。 この事前許可と精算は、組織のお金を使う以上、必要なプロセスであるように直感されます。が、ここでちょっと筆者が、行動経済学者 ダン・アリエリー氏のオフィスで経験したエピソードを紹介させてください。 ダンの会社は従業員100名ほどの小体な組織

            謙虚なデブキャラになる道は、生涯終わらない修行である

            筆者は小学6年生のとき、身長168cm、体重70kgと、相当大きな体躯をしていました。 当時は勉強もよくできていたので、目立つ存在であり、尊大でイヤな子供でした。先生のことをからかったりしたことも思い出されます。 そんなある日、父の書斎にあった書籍を、何気なく手に取りました。デール・カーネギーの「人を動かす」です。 一読し、衝撃を受けました。 そこに描かれたことと真逆な、日々の自分の振る舞いに、冷や汗が出てきました。 その日から、私は自慢めかしたことを口にするのを止め、

            人間とコンピュータの関係は競合ではなく、補完である

            筆者は「AI・ロボティクス」のスタートアップと紹介されることの多い、株式会社Preferred Networksで最高マーケティング責任者を拝命しています。 B2Bメインに見える同社において最高マーケティング責任者とはこれいかに、と感じられるかもしれませんが、現在開発中の2Cプロダクトのマーケティングをやったり、2B向けビジネス開発をやったりしており、「最高マーケティング責任者」を広義で捉えれば、まぁこれでいいのかなと思いながら、スリリングな日々を才能あふれるエンジニアの仲

            マーケティングだけ勉強しても、マーケティングできる様にはならない〜その7〜

            「マーケティングが出来る」とはどういうことか、の構造を考えるために始めた本記事。 ここまではマーケティングを下のスライドの様な四階層 に分け、「マーケティングができる」こととはどういうことなのか考えています。 第7回目となる本記事では、第三階層の「マーケのアプリ」のまとめとして、ブランドとは何か、それはどの様にしてできるのか、について考えたいと思います。 よく「ブランドとは「らしさ」である」という説明がされますよね。まずはこれについて考えていきたいと思います。 ちょっ

            仕事場を選ぶのに、大手/スタートアップという軸は、あまり役に立たない

            今回のCOMEMOのお題はこちらです。 筆者は、92年に就職してから、メーカー3社、リテール3社、ITの新興企業2社、旅行業界1社にフルタイムの社員として勤務した経験があります。 このうちIT2社は、両方とも100人以上の規模なので、少し大きいですが、まぁスタートアップと言ってもよいのではないか、と思います。 逆にリテール3社、メーカーのうち1社、旅行業界1社は1000人規模の大手でした。 ので、一応、両方で仕事したことがあるわけですが、今胸に手を当てて思い返してみる

            首都高速道路株式会社 営業管理室から、なんとも怪しい未払い請求が来た話

            筆者も御多分に洩れず、仕事でもプライベートのコミュニケーションでもメールを利用している。 と、多い日は一日10通くらいのペースで、怪しげなテキストが届く。 いわく、 ・Amazonのアカウント止める ・クレジットカードの口座にXXな請求があった ・ETCのカードを止める ・駅ねっと(JRのオンラインサービス)を止める ・2段階認証のお願い などなど。 思わずうっかり文面に貼ってあるリンクを踏んでしまいそうになるような本物っぽい「作品」もあるにはあるが、大抵は何かしらツッコミ

            天職とは、天が決めた運命的な職ではなく、自分がそうだと感じるものである。だが、それで良い。

            今回の日経COMEMOのお題は「天職」です。 筆者は、92年に大学を卒業して以来、9つの企業でマーケティングの仕事に就いています。直近の4社ではマーケティング部門の責任者をやっており、かつ、現在は副業的に顧客コミュニケーション、社内コミュニケーションなどマーケティングに関連するアドバイザ業務もいくつかやっています。 大学時代にマーケティングに憧憬を感じ、運よく新卒で入った会社でその配属をいただいて以来、30年間飽きることもなく、それをやり続けており、次の人生でも、その次の

            小売の集客を決めるもの

            筆者は今まで9つの企業でマーケティングの仕事に携わってきましたが、その中には、リテールが3社ありました。具体的には西友、ドミノ・ピザ、イトーヨーカ堂で、いずれも執行役員としてマーケティングの責任者を拝命していました。 業務の一環で「お客様が店舗を選んでくださる理由」の調査を行うことがしばしばありました。その結果は、店舗の立地・価格・品揃え・商品の品質(味)といった要素が並んだものでした。 今朝Webでニュースを見ていたら、これに関連する記事をいくつか見つけたので、雑感を記