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芸術史講義(西洋)1レポート2023年度

「ギリシア建築からローマ建築にかけての神殿建築の変化について」
[第2章:2-1《パルテノン神殿》第4章:4-8《パンテオン》]

今回、私はアテネの「パルテノン神殿」と、ローマの「パンテオン」の2作品を取り上げ、2作品の造形的な特徴をそれぞれ説明および比較分析した上で、その違いが生じた原因について考察する。はじめに、パルテノン神殿について取り上げる。パルテノン神殿は「古典期」と呼ばれる古代ギリシアの黄金期に建てられた神殿である。ギリシア建築について、ドリス式やイオニア式、コリント式といった建築規格の発達により、神殿の表現と技術が相当に進展し、外観からオーダーが調節されたことが主な特徴として挙げられる。パルテノン神殿の外観は、白大理石からなる円柱の列で囲まれており、ドリス式オーダーによって柱頭がシンプルに表現されている。また、円柱のプロフィルにエンタシスの技法を用いることで視覚的な安定感を創出している。神殿の内部には、神室の隣に処女の間が存在し、イオニア式の4本の円柱によって支えられている。洗練された列柱建築と彫刻から、黄金期のアテネがもたらした叡智の集大成と見ることができ、ギリシア建築を代表する建造物であると言える。

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