見出し画像

話の苦手な教員が話し方トレーニングを自分で考えて少しは改善された話③

僕は高校の教員ですが、話が下手だという致命的な弱点がありました。それで絶望してかなり精神的に落ち込んだのですが、何とかトレーニングでどうにかなるんじゃないかと思って少しは克服出来るようになったんですね。

数種類のトレーニングメニューを毎日こなしていたら2か月くらいで結果が出始めました。

今日はその中で効果が高かったなと自分で思った4つのトレーニングの紹介をします。

① 目の前にあるモノの名前をとにかくすぐに言っていくトレーニング
② 実況中継トレーニング
③ 一つの単語の関連ワードを書き出すトレーニング
④ 風が吹けば桶屋が儲かるトレーニング

今日はいよいよ最後の一つ④の風が吹けば桶屋が儲かるトレーニングです。ちなみに前半3つの記事はこちら。

さあ、今までで一番訳の分からないトレーニングの登場です。

「風が吹けば桶屋が儲かる」は有名な話ですね。一応参考までに。

(1)大風が吹けは土埃が立ち、盲人などの眼病疾患者が増加する。

(2)盲人などが三味線を生業とし、演奏方法を指導したり、門付で三味線を演奏するので、三味線の需要が増える。

(3)三味線製造に猫の皮が欠かせないため、猫が多数減り、鼠が増加する。これら鼠は箱の類(桶など)をかじることから、桶の需要も増加して桶屋が儲かるだろう

まあ、かなりいい加減なまとめ方をすると

ある現象の発生が、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶこと

と言う風に説明ができます。

この諺は子供の頃から知ってたんですけど、話し方のトレーニングを探してたころにもう一度この諺を見て、「あっ!この諺、話し方のトレーニングに応用できる」って思ったんです。

これって、あまり関係ない二つの話題を、上手につなげるためのトレーニングになりそうじゃないですか?

ちょっと下の二つの例を見てください。

例1)このレストラン美味しいよね。→僕巨人のファンなんだ。

これって、会話としてダメですよね。だって「レストラン」も「美味しい」も「巨人軍」と関係ないからです。確実に相手をビックリさせてしまう会話の展開なわけです。

例2)このレストラン美味しいよね。→巨人軍の選手もよく来るらしいよ→そういえば、僕巨人のファンなんだ。

例2は例1に比べたら「レストラン」と「巨人軍」の接続がとても自然なため、会話の展開が滑らかです。

なるほど、上手に会話を展開させるためには、ある話題とある話題をつなげるための「つなぎの話題」を入れることが重要なんだなと思いました。

その時にふと思い出したことがありました。

実は僕はバンドをかなり本格的にやっていて、月に3回はライブハウスで自分のオリジナルバンドでライブしてたんです。

全然売れていなかったバンドだったので、他のバンドさんと一緒にライブをやる、いわゆる「対バン」をよくやっていました。

その時に不思議に思っていたことがありました。それは、「演奏が上手だけど盛り上がらないバンド」があるのに対して、「演奏はあまり上手では無いけどライブがやたらと盛り上がるバンド」がいるということでした。

当時の僕は何故「演奏はあまり上手では無いけどライブがやたらと盛り上がるバンド」がいるのかわからなかったのですが、このトレーニングをやって、ライブが盛り上がるバンドの特徴が分かった気がしました。

曲や演奏力はもちろん重要な要素ですが、盛り上がるバンドの特徴はそれよりも、曲と曲との間のMC(ボーカルなどがしゃべる内容)だったんです。

盛り上がらないバンドのMCはひどいもので、例えば、2曲目が「卒業」をテーマにした歌だとして、3曲目が「夢」についての歌だったとします。

盛り上がらないバンドのMC:「2曲目を聞いてくれてありがとう。いやー、本当にね。ありがとね。今日、僕はお気に入りのTシャツ着てます。それでは聞いてください3曲目」 ファン:「あれ夢関係ないじゃん」

盛り上がるバンドのMC:「この時期本当に寂しいよね。だって卒業してみんなバラバラになるもんね。でもさ、頑張ってたらまたいつかみんなで会えるよ。それでさ、もう一度みんなであって語り合おうぜ。それでは聞いてください3曲目」 ファン:「そうか夢って大事だよな」

上手なMCってファンに「あれ?なんでこの展開」っていう疑問が浮かばないようにものすごく工夫していたんだな、と思ったんです。

なので、本当に前置きが長くなってしまいましたが、このトレーニングをすると、ある話題から、次の話題に移るのがものすごくスムーズになるトレーニングです。

【トレーニング内容】

ⅰ) 二人一組のトレーニング ※一人でも可能 
ⅱ) 「最初の現象」と「最後の現象」だけ決まっていて、それを上手につないでいくトレーニング

【トレーニングの具体例】

最初の現象:眼鏡をかけた
最後の現象:ご飯が美味しい

このように最初と最後の現象を相手に提示して、それを上手くつなぐゲーム。

眼鏡をかけた→視界が良くなった→遠くの景色が見れるようになった→景色を見てたら外出したくなった→たくさん歩いた→お腹が減った→ご飯が美味しい

このトレーニングをした場合、ほぼほぼ話にオチをつけることが困らなくなります。だって、最初からオチが決まってるからです。

あとはこのオチに向かって適切なブリッジを設定するだけです。

このトレーニングは特に教員に向けておススメです。なぜなら雑談がビックリするくらい上手くなるからです。

僕は50分授業を15分×3パート+雑談5分で構成しています。人間の集中力の上限が15分だと聞いたからです。

例えば、授業冒頭の15分が「EU」についての内容であり、次の15分の内容が「スマートフォン」だった場合、このトレーニングの応用で、生徒に違和感を持たせることなく「EU」から「スマートフォン」の話題に展開できるわけです。

ちょっと難しいトレーニングですがやる価値本当にあります。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?