色が分からないのに服が好き

私は色弱で、生まれた時からずっと皆と違う色の世界を見ています。

皆が簡単に認識したり区別したりできる色も、私は区別するのが大変、またはできないなんてこともあります。

例えば、紫とピンクの区別。これは私にとって難問です。紫の濃さにもよりますが、この2色は識別できないことが多々あります。

また、よく困るのがライトの色。私にとってライトは「光っているか光っていないか」の違いに過ぎないので、その色が何色なのかと言われるととても困ります。昔、友達とwiiで遊んだとき、電源がついているのかどうか分からず勝手に恥ずかしがってたなぁ、なんて記憶も。信号機の色も黄色と赤色は区別できないので、光っている場所で判断です。

さて、本題に入ります。服の話です。

タイトルの通り、私は色が識別できなくても服が好きで、人一倍ファッションを楽しんでいます。

アルバイトで得た収入は全て服に溶けますし、「ご飯食べるなら服を買う」が座右の銘というほどの過激派です。

なぜ色が分からないのにそんなに服を楽しむことができるのか、疑問に思う方もいるでしょう。服を選ぶ時、着る時には誰もがその色を気にしますから、色が分からないのにオシャレするというのは相当難しいのではないかと考えますよね。

しかも、服の色は絵の具の色なんかと違ってかなりわかりにくく、色弱でない人も何色か言い切れない、なんてこともあると思います。色弱の私にとって服の色の識別はかなり難しい作業ですし、自分の思っていた色と本当の色が違うことを買ってから知ることもあります。

例えばこのシャツ。私はカーキというか緑がベースのものだと思って着ていましたが、友達に聞いて茶色だと初めて知りました。このように、自分が着ている服が何色なのか、周りにどう見られているのかわからないまま服を着ています。

なぜそんな私がファッションを楽しむことができているのか、その答えはサラッと前の文に書いてしまいました。そう、「自分が着ている服が何色なのか、周りにどう見られているのかわからないまま服を着ている」からです。

吹っ切れた、という言い方で伝わるでしょうか。私は、人にどう見られているかわからない事実をネガティブではなくポジティブな事だと認識しています。周りにどう見られているかわからなくて不安、ではなく、どう見られるかわからないなら自分の好きな服を好きなように着てしまおうと考えているのです。

シャツの色が緑であろうが茶色であろうがその服がお気に入りであることに変わりはありません。自分のスタイルが周りから見たらおかしな色の組み合わせだとしても、自分が気に入っていればいいのです。

この考え方ができるようになったおかげで、私は心からファッションを楽しむことができるようになりました。今では自分の好きな服に囲まれてとても楽しい毎日を過ごせています。自分の部屋には世界一素敵なクローゼットがある、なんて考えたりもしています。

こんなふうに、私は私なりにファッションを楽しむ方法を見つけることができました。色弱でファッションを楽しめないでいる方にも服の楽しさを伝えたいと思っています。これからぼちぼち、自分のファッション遍歴なんかを書いていきますね。