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ちはやぶる神代の斎王・卑弥呼

「ちはやふる」全3作(上の句、下の句、結び)は、何度観ても泣ける映画です。「ちはやぶる」は「荒々しい」という意味ですので、「競技かるた」にはピッタリの言葉です。

「ちはやぶる」は和歌では「神」にかかる枕詞です。
そうなんです、

──神(の荒魂)はすさまじく荒い。

 昔、祖母が「お守りを2つ持っていると、神様が喧嘩するからよくない」と言っていましたが、3つも強力なお守りを持っていたら・・・「三種の神器」を1ヵ所に置いたら凄まじいので、第10代崇神天皇は、勾玉を残して鏡と剣を奈良の御所から出し、紀伊半島東端の伊勢で、天皇に代わって初代斎王の倭姫(ヤマトヒメ)が祀っていましたが、東征の前に寄った甥・倭建(ヤマトタケル)に剣を渡し、東征後、倭建は尾張氏の宮つ姫に渡したので、現在、勾玉は皇居、鏡は伊勢神宮、剣は熱田神宮にあります。

むかし、男、伊勢の斎宮に、内の御使にてまゐれりければ、かの宮に、すきごといひける女、私事にて、
ちはやぶる神のいがきも越えぬべし 大宮人の見まくほしさに
男、
恋しくは来ても見よかし ちはやぶる神のいさむる道ならなくに

(昔、男が、伊勢神宮の斎宮(斎王が住む宮殿)に、天皇の御使として参上したところ、斎宮の、色恋沙汰を話してきた侍女が、(斎王の使いではなく)自分自身の恋の歌として、
「私は斎宮の垣根を越えてしまいそうです。宮廷にお仕えする貴方にお目にかかりたいばかりに」
と送って来たので。男は、
「恋しいなら来て私をみてごらんなさい。神が咎める恋の道でもないだろうに」
と返した。)

『伊勢物語』(第71段)「神のいがき」

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