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『乙夜之書物』と『政春古兵談』

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加賀藩の兵学者・関屋政春が収集した武辺噺集『乙夜之書物』『政春古兵談』に関するあれこれ
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#斎藤利三

『乙夜之書物』に見る明智光秀の告白

『乙夜之書物』に見る明智光秀の告白

 『乙夜之書物』では、明智光秀は、謀反の企てを、重臣たちに、篠村八幡宮ではなく、亀山城で告げたとする。

【現代語訳】 明智光秀は謀反を企て、「6月1日に丹波国の亀山城(京都府亀岡市荒塚町)から出陣して、中国地方に向けて出陣する」とお触れを出して、軍勢を亀山城に集めた。
 この時、斎藤利三は、丹波国の居城・黒井城と亀山城の中間に位置する笹山城(兵庫県丹波篠山市北新町)にいて、6月1日の昼頃に亀山城

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明智光秀の謀反表明(『乙夜之書物』)

明智光秀の謀反表明(『乙夜之書物』)

 ──明智光秀は、いつ、誰に、どこで織田信長を討つと表明したのか?

 2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、明智光秀は、亀山城で重臣たちに謀反を表明すると、刀を抜き「間違っていると言うのであれば、今すぐわしを斬れ」と言っていました。

 通説では、「羽柴秀吉への援軍だ」として兵を呼び寄せて亀山城から出陣し、途中の源氏の足利高氏(後の尊氏)の倒幕挙兵地・篠村八幡宮(京都府亀岡市篠町篠)で源

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