105.ずっと10年先が楽しみな人生 ~80歳でもワクワクな女性経営者に出会う~
ごきげんよう。
前回は「若いうちに遊んでおけよ」
というアドバイス(?)が
好きじゃないという話でした。
とはいえ、
周りがそんな大人ばかりだったのも事実です。
「自分の未来が楽しみ」
なんていう5歳上、10歳上の人に
お目にかかったことは、
当時ありませんでした。
ところが、ひょんなきっかけで、
そういう人に何人も出会うことになるのだから
人生というのは面白いものです。
当時通っていた本屋さん
未来が楽しみという方のなかでも、
もっとも印象的な方に出会ったのは、
2014年のことです。
その方は、なんと当時80代のおばあちゃん。
出会ったのは、
当時好きで
よく通っていた本屋さんのイベントでした。
その本屋さん自体もかなり面白く、
当時創業して間もない頃でしたが
めちゃ勢いがあって、
書店の枠に縛られない色んなことをされており
店主の方もすごかったのですが、
その話はまたの機会に。
(ちなみにここです)
創業65年の吉祥寺の名店
ともあれ、その書店のイベントで
店主の方がご自身のバイブルとして
絶賛されている本の著者の方を招いての
トークイベントがありました。
その本がこちら。
『1坪の奇跡』(ダイヤモンド出版)
これはどういう本かというと、
吉祥寺にある、創業65年(当時)になる
老舗の和菓子屋さんがありまして。
その和菓子屋さんは、
面積にしてわずか1坪という小さな店舗で
商品は羊羹と最中の2つだけ
にも関わらず、
年商3億の売上を出し続けており
40年以上行列が途絶えたことがない
という、とんでもないお店なのです。
そのお店「小ざさ」の2代目社長であり、
創業者の娘さんである稲垣篤子さんが
創業者から受け継いだことや
大事にされていることについて
書かれたのが、この本になります。
「私、90になるのが楽しみでね」
そんな稲垣さんのトークLIVEは、
おそらくその価値に対しては不相応なくらいに、
小規模かつアットホームな雰囲気で
開催されました。
LIVE終了後には著者を交えての
フリートークの時間があり、
そこで参加者の誰かの質問に対して
稲垣さんの答えたお話が
とても印象的で、今でも覚えています。
質問の内容の方は忘れてしまったので
稲垣さんの答えたお話だけ書きます。
「私ね、ずうっと自転車で通勤してるのだけどね。
70代の時と、今とで、
同じ道なのに景色の見え方が違うのよ。
だから、私ね、
90代になるのが楽しみでね」
(7年前のことなので、
細かい言葉は違うかも知れませんが
概ねこんな感じでした。)
衝撃でした。
40代、50代、
ヘタしたら20代ですら
「若いうちが花」だの
「学生時代に戻りたい」だのと
言っている人間が多い中、
80を過ぎて、なお10年先が楽しみだと、
こんなに自然に、朗らかに言える人がいるのか…!!
どうしたらそうなれるのか分からないけど、
自分もそういう歳の重ね方をしたいと
このとき、思いました。
なぜ、出会うことができたのか
このときの体験はとても貴重で、
今でも自分の人生のなかで重要な一場面だった
と思っていますが、
ではなぜ、そんなご縁に恵まれたか
と考えると、
色々ありますが
一言にまとめるなら
「求めていたから」
ということに尽きるんじゃないかな、
と思います。
あの頃は、
人生を変えるチャンスがどこかにないか
目を皿のようにして探している最中でした。
「求めよ、さらば与えられん」
じゃあないですが、
やっぱり
何かしら掴みたいなと思い、
それに応じて足を動かしてきたからこそ
出会えた場面だったのかな、と
今振り返っても思います。
これからも、
「自分は何を求めてるんだろう?」
「これからどうなりたいんだろう?」
というところに向き合って、
そこに正直に生きていきたいものです。
小ざさは吉祥寺にあるので、
もしご興味のある方は
よかったら行ってみてください。