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人聾ゲーム 経緯2

崎本代表の提案で、『人聾ゲーム』の企画を本格的に始めることになった。手話リノベルズのスタッフたちで何度も会議を重ねた。

当初は、村人役を聴者、狼役をろう者と考えていたが、ネイティブの場合、手話や表情でろう者だとすぐわかってしまう、手話が堪能な聴者を揃えるのが現実的に難しい問題が出てきた。そこで、発想を変えて狼役を手話が堪能な聴者に【偽聾者】をやってもらい、村人役はろう者・難聴者で統一する結論になった。

人聾ゲームの企画は慎重に検討が進み、内容は以下のようになった。

・崎本代表は自ら進行役と会場の管理人を兼ねることになり、参加者たちは崎本の指示に従って進行する。

・参加者は全員で10人とする(年齢性別などは問わない)。

・狼役つまり【偽聾者】である聴者は2人である。

・村人役(8人)はろう者及び難聴者で構成する。

・参加者たちは、会場入りするまでお互いの情報は知らないようにする。狼役の聴者たちは終始ろう者として振舞ってもらう。

・会場は、誰にも介入できないような場所を検討する。山奥または離島にあるステージなどで候補場所を決める。

・参加者たちが持参しているスマホなどの情報機器類は進行役の崎本が預かることにする。

・参加者たちの会場までの交通費及び報酬は当団体が負担する。偽聾者を務める参加者にはさらに破格の報酬に設定し、ゲームの勝利者側には別途で賞金が出るようにする。

これを基本方針として決定した。人聾ゲームのテストプレイの参加者たちをHPやSNSで募ったら、破格の報酬条件に釣られる人々が殺到した。そのためスタッフたちは毎日対応に追われてる羽目になった…。

数カ月かけて、応募者はまず書類選考でふるいをかけて、そしてオンライン面接で二次、三次まで行い、ようやく最終的に参加者10名が決まった。会場は、伊豆諸島からさらに南の方にある小さな離島に決定した。

続く


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