小説版ヌーヴェルヴァーグを恐れている……


今年冬の芥川賞が発表された。毎回ヒヤヒヤさせられるが、今回もなんとかセーフといったところだ。

さて、僕はヌーヴェルヴァーグ映画が好きだ。ヌーヴェルヴァーグの存在を知ったのは2年前。何か映画が観たいけど、観たい映画が思いつかない。新鮮な映画が観たいが、入り込めない初見の映画を観るくらいなら、ショーシャンクやスタンドバイミーを観る方が有意義だ……そんな時にネットサーフィンをして見つけたのが、あのキザなモノクロフランス映画達だ。すぐに「コレだよ」と思った。そして嬉しくなった。まだまだ観てないヌーヴェルヴァーグがたくさんある。退屈だった土日も一気に楽しみに変わった。なんて愛着の湧く映画だ!

音楽にもヌーヴェルヴァーグがあることを最近知った。appleミュージックで「new wave」という公式プレイリストを見つけたのだ。リストにはデイヴィット・ボウイ、トーキング・ヘッズ、ワム!、デュラン・デュランなどの名前がズラリ。それらがニューウェイヴと呼ばれていることなんて知らなかった。確かにこういうバンドは正統なロックンロールをひとしきり聴いた後に聞くとめちゃくちゃ楽しい。デュラン・デュランしか聴きたくない、という瞬間は定期的にやってくる。

何が言いたいかというと、文壇のゴダールやトリュフォーが出てきても全くおかしくないということだ。

村上春樹や庄司薫はヌーヴェルヴァーグ的だったが、二人の時代も違うし、そもそも「ニューウェイブ」というのは1人や2人で起こせるわけじゃない。ウィリアム・バロウズやジョセフ・コンラッド、ギンズバーグ達はいわゆるニューウェイブなんだろうが、僕としては映画や音楽ほどハマってない気がする。なんというか、ゴダールを初めて観た時の衝撃と、バロウズを初めて読んだ時の衝撃では、ゴダールの方がはるかに大きかったのだ。

昨日芥川賞が発表され、2人同時受賞という記事を見た時、正直ホッとした。もし文学版「勝手にしやがれ」が出てきたら、2人同時受賞なんてことはありえない。しかし芥川賞は毎年2回。時間の問題だろう…実際に目の当たりにした時、僕は悔しくてたまらないに違いない。

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