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ESは、鬼滅の刃だ。

昨日、AM11:30。第一志望に書類選考落選のお知らせが来てから、ずっとESについて考えてた。

ESってなに?

ESって結局何が正解だったの?

どうしてたら通過してた?

昨日一日中考えながら、出した結論をつらつらとnoteに書いていこうと思う。なお正解かは知らない。



突然だが、皆さんは『鬼滅の刃』を読んだことがあるだろうか。
突然何の話?キメハラか?と思うかもしれないがまあ聞いてほしい。

私が鬼滅の刃に出会ったのは、アニメが始まるずっと前、まだ2~3巻しか発売されてない頃だ。ジャンプで看板漫画が次々と終了する中、「今、『鬼滅の刃』がじわじわと人気が出ているらしい」という噂を耳にし、名前だけは知っていた。

そんな時、妹が一巻だけを購入していたので、せっかくだから、噂の「じわじわ人気を得ている『鬼滅の刃』」くんを読んでみた。

正直、全く面白くなかった

いや、なんというか。普通に読める、読めるレベルではあるんだけど、1巻が終わっても続きが全く気にならなかった。打ち切りレベルとか、つまんなさ過ぎて不快ってわけではない。でも、好きだとは思えなかった。

そうして私は、『鬼滅の刃』を追いかける選択肢を捨て、見切りをつけた。

これ以上面白くはならない。せいぜい、アニメを1期やって影薄く終わるだろうと。そう思って私は、1巻を妹に返し、『鬼滅の刃』を頭の中の「面白くない箱」に入れた。

『鬼滅の刃』1巻終了時といえば、炭治郎が岩を切ったあたりである。あの時点で私は見切りをつけた。


しかし、『鬼滅の刃』は社会現象を起こしたのである。


1巻終了時では全くそんな風になるとは思えなかった。これ以上大きくなることはないと思った。しかし、『鬼滅の刃』は私の予想を大きく上回り、コロナ禍の日本を救う柱となったのである。なくてはならない存在となったのである。

もし、『鬼滅の刃』作者の吾峠呼世晴先生がもし私に持ち込んでいたら、私はこの作品で「行ける!!」と確信を得ただろうか。これから面白くなり、人気作品になると予想できただろうか。否、おそらく思えない。私は『鬼滅の刃』という日本を救った作品でさえ、見抜けなかったのである。


ESも同じではないだろうか。

今回、私は第一志望にエントリーシートを提出した。そしておそらく、御社の社員の方が誰かしらが私のESを読んだ。おそらくその社員の方は私に可能性を感じなかった。だから「落選の箱」に入れてシュレッダーをかけた。

もし、その社員が私のようにポンコツなら?

私が『鬼滅の刃』に間違った見通しを立てたように、その社員も私のESに間違った見通しを立てていたなら?

超失礼な考え方なのは100も承知だが、社員も人間である。万能ではない。私がこれから、社会現象を起こすヒット作を連発する(かもしれない)とは知らずに、会社を救う柱になる(かもしれない)とは知らずに、私を「落選の箱」に入れたのである。

ポンコツな私が『鬼滅の刃』担当者なら『鬼滅の刃』は日の目を見なかったかもしれない。それと同じように今回私もたまたまちょっとおちゃめな社員の方に見られたため日の目を見なかった。しかし、私とは違う見方ができる担当編集者が見たからこそ、『鬼滅の刃』は日の目を見ることができた。

結局のところ、ESも漫画も運なのである。「誰が」見るか。それがすべてだ。


鬼滅の刃の話をするとあまりにも私の無能感が目立ってしまうので、『呪術廻戦』の話もしよう。

『呪術廻戦』をnext鬼滅を言われているくらい超人気作である。本屋に行けばいつも在庫がないほどだ(最近はあるかもしれないが)。

『鬼滅の刃』が趣味に合わなかった私も、『呪術廻戦』は大大大大好きである。1話から「これは好き!!!」と思い、読み続けることを決意した。頭の中の「読む箱」に入れたのである。

しかし、『呪術廻戦』は漫画をあまり見ない人からするとそこまで好評ではないことを、みなさんはご存じだろうか。鬼滅は子供からあまり漫画を読まない大人でも楽しめる「The わかりやすいストーリー」だが、『呪術廻戦』は結構設定が複雑だし、展開はサクサク進む。漫画をよく読む人なら、漫画あるあるな設定、展開のパターンに慣れているため、その速さについていける。しかし、漫画に慣れていない大人からすると、呪術を鬼滅と同じ感覚で見てもよくわからないと思うし、もしかしたら面白いと感じないかもしれない。

それとESも同じだ。

私のような見る人が見れば「これは好き!!!!面白い!!!!!」と思うかもしれなかったが、残念ながら今回はそうではない人が見たのだろう。ESはどの部署の社員が見るかは完全にランダムだ(多分ね)。おそらく、その人のアンテナに私がたまたま引っかからなかっただけだと思う。

「じゃあ、呪術じゃなくて鬼滅みたいにわかりやすくすれば万人受けするESが書けるんじゃないの?」と思う人もいるかもしれない。しかし、思い出してほしい。鬼滅みたいに分かりやすくすれば、今度は私のような社員に引っかからない。

結局ESは、誰が見るかという運ゲーなのだ。


別の考察もある。これは『進撃の巨人』が例だ。

これはあくまで噂だが、『進撃の巨人』は、マガジンの前にジャンプに持ち込みをしていたらしい。だが、ジャンプでは「絵がちょっと…」とダメだったらしいのだ。あくまで噂だが。

しかし、その後、『進撃の巨人』は講談社で連載され、看板作品となり、社会現象を引き起こし、今、最高の形で終わろうとしている。私の友達は、全員、進撃の巨人を見ているほどだ。『進撃の巨人』の作者である諌山創先生を見つけた講談社社員はすごい見る目だったと思う。

しかし、それは決して、『進撃の巨人』のNOと言ったジャンプ編集が無能といいたいわけではない。考えてみてほしい、『進撃の巨人』がジャンプで連載されていたら売れていたかどうか。私は売れないと思う。これは、にちゃんねるでも散々交わされている議論だが、会社のカラー似合う作品を連載するということは大切だと私も思う。

それとESも同じだ。

私は、御社の作品も社風も大大大好きだが、私自身はその御社のカラーにあわず、活躍できない社員だったのしれない。



一日考えて、出した結論としては、結局ESは、

誰が見るか、という運ゲーと

社風が合うか、という相性の問題

なのだと私は思う。
もちろん、これはある程度の力があることが前提である。例年の通過者ESと私のESを、時間を置いた上で何度も何度も見比べてそれでも、「同じか私の方がうまいだろ!?!?」という結論を出した上での話だ。
自画自賛してしまって申し訳ない。匿名noteなので許してね。

私は自分のESを何度見ても、「大手出版社のガバガバ(といわれる)書類選考で落ちたES」とは思えないのだ。

私の周りにも「OBの方に通らない訳がないと、太鼓判を押してもらったのに落ちた」「去年書いた適当ESよりも何度も何度も推敲を重ねたのに落ちた」という人が何人もいる。私自身も何人もの方に添削をお願いし、見てもらい改善したのに落ちた。

だから絶対、落ちる原因は「基礎力不足」だけではなく、「見る人が誰か」という運と、「会社としての相性」があると思う。

以上、私が一日中考えて、やっと納得できた結論である。誰でも考え付くことなのかもしれないが、私はこの結論に一日かけてたどり着き、納得することでやっと、前に進めるので許してほしい。


おやすみ。


【注】御社社員のうち誰かがポンコツだと、勘違いされるような表記がありますが、このnote著者、どうしようもないドーナツは1ミリもそんなことは思っておりません。もし、勘違いされましたら深く深くお詫び申し上げます。