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ウイズコロナ、私の居酒屋選び

去年の今頃、世界がこのような状況になることを誰が予想できたでしょうか。国内の飲食店も、ますます増加するインバウンド需要に、ガイドブックに載るような有名店だけでなく、街の小さな飲み屋さんにも外国からのお客さんが押し寄せていました。それが、いまや、この状況。

皆さんは最近、居酒屋へ行きましたか。

会社などの組織として開かれる宴会が皆無となった今、飲み歩きが趣味という方でもないと、なかなか日常的な外飲みの機会は多くないものと思います。また、外で飲み歩くことがネガティブな印象になるような状況から、飲みたいという気持ちがあっても、自宅で我慢されている方は多いのではないでしょうか。もちろん、なにより安全第一、健康第一。自分自身が拡散しない、感染しないを最大限に対策して。

こんな現在でも、お住いのエリアや諸々の状況が許されている方は、キケンな場所を避け、粛々と飲んでいらっしゃると思います。居酒屋でそっとお酒と向き合う時間は、日々の生活を刻むなかで大切な潤滑油です。

それでは、どんなお店に行きますか。

個性と波長があうお店

日常のなかでは、なかなか遠くの居酒屋はハードルが高いです。また、せっかく飲みに出るならば、私は特色があるお店に行きたいです。そして、なによりコロナ禍以前から面識があるお店に行きたいです。

とってもお刺身が美味しいお店、そこでしか飲めない特別な酎ハイがあるお店、近所で仲良くさせてもらっているお店…

そこを切り盛りされているご主人や女将さんが顔見知りで、行けば温かく迎えてくれる…。大変だよねという気持ちのを伝え合って、他にお客さんがいないときならば、「お互い頑張ろうね」という着地点に向けて話ができます。こんな状況だから、そういうお店の存在が本当にありがたいと感じています。

ただ酔うために居酒屋さんへ行くわけではありません。評判の店のスペシャルな料理はたしかにものすごく嬉しいですが、それにもまして、やはり馴染みのお店のいつもの料理とお酒が嬉しいのです。

個人店とチェーン店、どちらがいいという天秤にかける話ではありません。チェーン店でも好きなお店はいくつもありますし、そこの店長さんや長年いらっしゃるアルバイトの方も、顔なじみになれば個人店のような距離感を感じます。

いまは半世紀続けてこられてきた老舗の酒場が、様々な事情をお持ちの上で、コロナ禍がトリガーとなって暖簾をしまわれることがたくさん出てきています。一人の常連ではもちろん支えられないですし、おやめになるご判断をされたお気持ちを想像すると、簡単に「辞めないで。もっと行けばよかった」なんて軽い言葉を発することは出来るものではありません。

だからこそ、好きなお店・馴染みのお店には、密を避けるために口開けに訪ねたり、散歩がてら様子を外から覗いて、空席多数ならば顔を出すようにするなり、タイミングをみて、そっとお伺いします。そして、お礼の気持を込めて、ですが時節柄小さな声で「ごちそうさま」って笑顔で言うようにしたいです。大変なときだから、ちゃんと向き合って、好きなこの空間を守ってくれていることに感謝をこめて。

コンビニやファミリーレストラン的な利用ができるお店を重宝していますし、便利な場所と思っています。ただ、いまお店選びの第一候補となるのは、そこにいらっしゃるお店の方が醸す、"その店だけの個性"だと私は考えています。

ただテンション上げるため、ただストレス発散に飲みに行っているわけではありません。そこにあるコミュニティや、お店の方との距離感が、人生の中で大事だと思っているから居酒屋にいきます。もちろん、感染対策の上、粛々と。

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