記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

アニメ「ラブライブ!スーパースター!!」11話感想

かのんちゃんのトラウマ克服回。残りがあと1話ということもあり、ゲームで言うところの「ラスボス前の主人公覚醒イベント」みたいな印象を受けた話でした。


トラウマとの対峙

今回、かのんちゃんのトラウマとの向き合い方についての構図が面白いなぁと思った。
まず、3話でかのんちゃんが言った「歌える。一人じゃないから」という台詞を問題提起に使ってくるというのが新鮮だった。3話の話の流れとしても、言葉そのものにしても、この台詞は完成されたものだったから、その言葉を、ある種揚げ足取るような形で展開したのは驚いた。この言葉に孕む危険性を発見したのは、ちぃちゃん。やはり流石である。長年幼馴染のことを見ているだけのことはある…。

そして、他にも面白いと思ったのは、物語の主軸としては間違いなくかのんちゃんなのだけど、本編の前半においては、かのんちゃんというよりはむしろ、そのちぃちゃんを中心とした四人のやり取りをメインとして進めているところ。
かのんちゃんが過去と向き合うために四人がその環境を用意してあげている所が、かのんちゃんへの信頼と絆を感じさせる。
そして、その環境が出来上がった所で、かのんちゃんがメインとなる。
向き合い方の演出として、画面上にて、過去の自分と対峙するというのは分かりやすいし、やっぱりグッとくるものがある。こういう演出は、やはり映像作品ならではだと思うし、強みでもあるよなぁとしみじみ思う。


受け入れるということ

今回、この話を観て、スーパースターという物語は「受け入れる」ということをテーマの一つにしていたのかなと思った。
かのんちゃんが子供の頃は、本当に純粋に歌が好きで、歌は楽しいものだと思っていた。楽しい気持ちは、世界中にも伝わると思っていた。そんな純真さがあった。
ただその後、歌で失敗し、自分自身にがっかりするほどに落ち込んでしまったかのんちゃんにとって、純真だった子供の頃の記憶は、思い出すだけで傷付いてしまうものだったと思う。
けれど、ちぃちゃん達がかのんちゃんに向き合う環境を整えてあげて、かのんちゃんは、昔と同じ場所、同じ舞台袖で、過去の自分と対峙する。
そして、その対峙の中で「怖かったんだ、あの時も」と、穏やかな声で呟き、「大丈夫、好きなんでしょう?」と、これから失敗する自分を送り出している。
そういうことが出来たのは、きっと過去の自分を受け入れることが出来たから。
直後に、自分一人の力で歌えることが出来たのも、過去を受け入れたからこそなのかなと思ったり。
かのんちゃんの笑顔は、人を安心させ、勇気を与える笑顔。
そんな笑顔が出来ていたのは過去の自分。
その自分は、苦しい思い出の中にいる。
そんな苦しかった時の自分を受け入れることで、「歌は怖くない。楽しいものだよ」と心から言える自分になれる。

言葉では過去を受け入れる、だなんて簡単に言えるけど、現実のこととして考えてみると、これはとても大変なことだ。
失敗や後悔した自分というのは、やっぱりなかなか受け入れることは出来ないもの。表面としては受け止められるかもしれないけど、心からしっかりと受け止めるというのは痛みも恥も伴う行為で本当に難しい。
だからこそ、かのんちゃんが過去の自分と目線を合わせて、笑いかける姿はグッときたし、凄く尊いシーンだったなぁと思う。

スーパースターのキャッチコピーは「私を叶える物語」だ。
だから、理想の「私」を叶えるためには、自分を受け入れるところから始まるんだよと、かのんちゃんの生き様を通して、そう伝えたかったのかもしれない。



私のSymphony

このエピソードを見終えてからこの曲を聴くと、Liella!の五人…というか、スーパースターという物語を全て落とし込んだ曲だなと驚く。
サンシャインで言うところの「Step! ZERO to ONE」のような。この11話を経て、「私のSymphony」はスーパースターを象徴するような曲に化けたなぁと思った。
元々良い曲だと思ってたけど、リリイベでこの曲のパフォーマンスを見て印象が強くなり、今回でかなり強く跳ねたという感じ。
曲と物語が密接に交響し合う構造というのは、やっぱり素敵だなぁと思う。



クゥクゥちゃんとすみれちゃん

前回の流れがあったから、画面上に二人が並んでいると、何だかとても嬉しい気持ちになった。すみれちゃんがクラスメイトに誉められていた時、嬉しそうにしていたクゥクゥちゃんが可愛い。というか二人とも可愛い。


最後に

ついに次で最終回…!
Liella!はどこまで勝ち進めることが出来るのか、クゥクゥちゃんの帰国騒動はどうなるのか、廃校問題はどうなるのか。
気になる所は色々あるけど、泣いても笑っても、あと残り1話。
二期があるのは規定路線として、あと1話で物語をどこまで進めるのか、何を二期に持っていくのか、楽しみです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?