夜の散歩:東中野~新宿
昨日、とある拍子に夜の街をひとり歩く機会がありました。
せっかくなのでそれを文章にしようと思います。
そこに至る道のり、道中の感覚、今の感じを織り紡ぎつつ、自分が読んだ本の紹介も同時にやってみよう。
序:夜歩きに至るまで
私、読書が好きなんです。
紙の本も良いけど、デジタルもかさばらなくて良い。
ともあれ、昔から活字は割と遠からぬ関係性で。
そんな中、先日読んだものがこれ。
森見さんの文章はどことなく夢見心地で意地悪さもあり、色々な感情がないまぜになってるように感じ好感を持っているのですが、読んだ直後から、夜歩きの夢が立ち現れて自分のそばにいたんです。
そして結果的に、後日夜歩きをすることになった次第。
まるで自分が引き寄せられたようで不思議ですが、これもプロセスなんだろうなと今は思ってます。
夜歩きの始まり
もともと、ポレポレ東中野に上映最終日の映画を観に行くところからはじまります。(ラインナップも素敵でいい映画館ですよね)
行ってみたら当日チケット完売で入れず。しょげる私。コロナ禍で座席削減してるとはいえ大丈夫かな・・という目算が甘かったので自業自得なんですが。
さてどうするかな・・・と一思案。「せっかく外出したんだし何かしないと」とかねてからの貧乏性が私にささやき、そして自宅のスパイスが切れかけている記憶を呼び起こします。「そうだ!新大久保だ!」思えば一駅少々で目と鼻の先。ついでに最近の出不精で体が重くていけない、と感じていた矢先。斯くして夜歩きが始まります。目指すは新大久保のグリーンナスコ。
夜歩き 東中野~新大久保
徒歩での道中は久しぶりで。以前見た光景から変わっているようないないような。徐々に不安とワクワクが増してきます。夢の中を歩いているような、こんな感覚を求めてました!
・・ふと「夜の薄暗い道を不安なく歩けるのは男性の特権」という言葉が、以前読んだ本の記憶とともに浮かび上がります。
そう思いなおして周囲を見ると、明かりも充分に行き届かず暗がりから誰かが出てきてもわからない場所が多数。身の危険を感じる人がいてもおかしくない。いや、明かりはひとつの解決方法だけど、根本はそこじゃない。不思議なもので、意識が変わると見え方も変わり、自分の中の様々な声に耳を向けられるようになってきます。
新大久保に近づくにつれ、以前インド旅行の際感じたような喧噪も近づいてきます。そのパワーは日常の私から遠く、新大久保に来るたびパワーをおすそ分けしてもらってる感覚があります。エスニックダイバーシティが多様な街だけあって、道沿いにある業務スーパーも自宅近所の店とは品ぞろえが違うのも新鮮な感覚。
私にとっての非日常を味わいつつ、目的地のグリーンナスコへ到着。
店先ではなかなか刺激的な光景が。
まさに投げ売り。品不足の時にマスクを入荷したけど、市場に出回るようになったから売れなくなったんでしょうね。こんなところにもコロナの影響が色濃く出ています。
※せっかくなので、最近購入したカレーの本をご紹介。
結果的にスパイスは購入せず。500グラムのチリパウダーを購入しかけて「そんなにいらないだろう」と止めました。グッジョブ自分。
夜歩き 新大久保~新宿
新大久保から新宿に向かう道は通りやすく改修済み。
以前の雑多な感じのほうがパワーやつながりを感じて好きでしたが、これは安心につながるんだろうな、と思いながらゆるゆると歩きます。
そして旧コマ劇前。ゴジラがお出迎え。
学生の時、ここには噴水があってよじ登ってる人がいたなあ、と記憶がよみがえります。寂しさも感じつつ、なんだかその光景をゴジラが怒っているように見えてちょっとユーモラス。若干時空がゆがんで感じるのも夢のような体験です。
そして新宿駅前に到着。現在の気温を見て夢が覚めます。
気付くと自分も汗だくに。夢が終わって夜歩きも終焉。
結びに代えて:振り返り
夢のような体験だったけど、順に振り返っていくと日常見聞きしていることがあちこちに転がっていることに気付きます。そして、自分が読んでた本を紹介として組み込むことで、気づきがより日常につながる感じがあり新鮮でした。
プロセスを丁寧に見ていくことは自分にとって学びになる。改めてそう感じました。
一方で、これまで自分が気付いていなかった場所に気付けたり、新たな発見があったりと刺激的なのも確か。
目的を決めずそぞろ歩くのも良いものです。別の場所でもやってみよう。
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