友達グループにいる時に考えてしまう疎外感的なもの
ここに奥さんの指輪があります。
小さな宝石がちりばめられた美しい指輪です。
指輪についたちっぽけな石はまんまるなわっかの上でいつも思っていました。
「この銀のわっかがちぎれたら指輪とは呼べないだろう。でも私は?私がなくなっても指輪は指輪のままだ。なら不要なのではないか?」
ある日ついに石ころは指輪の枠から離れコロコロと飛び出していきました。
すると指輪を見た奥さんは大慌てで旦那さんに言います。
「指輪の宝石がなくなってるの!」
旦那さんは落ち着いた様子で
「いつもと変わらないように見えるけどな…なるほどここに小さな石がついてたのか」
「大丈夫だよ。こんなちっぽけな石誰も気づきはしないから」と安心させるように言いました。
それを聴くと奥さんは
「誰が気づかなくても私は気づいたわ。私にとってはとても大事なことなの」
とまっすぐに言いました。
それを聴いていた石ころは、その固い頭で思いました。
「自分は総てにはなれなくても、自分は総ての一部にはなれるのだ」
そうするといてもたってもいられず、コロコロと奥さんの足元に飛び出していきました。
「あぁよかった。やっぱりこうでないと。」
そう言って奥さんは小さな宝石がちりばめられた綺麗な指輪をはめて、微笑みました。
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