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飲食店におけるMedia MIX(メディアの使い方)について:PESOモデル

2年前に作成していた記事なので、少し内容が古く感じる部分もあるかもしれませんが、最近聞かれることが増えてきましたので、noteへアップします。

『飲食店におけるMedia Mix(メディアの使い方)』
と言われてもピンとこないかと思います。食べログやぐるなびの事でしょ?と思った方は一部正解です。でもメディアはそれだけではありません、数年前と比較すると様々なものが登場します、既存のやり方だけでは足りなくなってきています。

どんなにいいお店であったとしても知ってもらえなければ、誰も来てくれません。という事で最近の状況も踏まえて飲食店のMedia MIX(メディアの使い方)について記載していきたいと思います。

1.メディアとは? 

よく聞く言葉ではあるのですが、いざ何?って言われると答えるのが難しかったりします。ということで、まずはこちらから解説していきます。

MEDIA :MEDIUMの複数形。MEDIUMとは皆さんがよく見るのは、日本語でいう「ミディアム」=中間 かと思います。もう一つの意味合いとして「媒介」とうのがあります。ですので、その複数形なので媒介するもの、媒介する手段といった意味になります。物と手段のどちらのことも表しているので、文脈によって変わるので説明しづらいんですね。

具体的にはマスメディア、ソーシャルメディア、市民メディアの様に情報を仲介する機関を示していたり、伝達形式として文字メディア、動画メディア、音声メディアといった表現をしたり、記録メディアといった感じで、HDD、USB、CD -ROM、SDD等の記録媒体のことを表したりと多様な使い方があります。

今回は、どちらかというと店舗の情報をお客様に届ける媒介者としての媒体の意味で使わせていただきます。

2.飲食店でのPESOモデルを考える

①PESOモデルとは

これまでメディアを分類する際にPEOM(PEO-Model)が使われてきました。
昨今のSNSの浸透によって新たにShared Mediaを加えてのが、このPESOモデルです。それでは、具体的に説明していきます。まずは、PESOの意味について解説します。

・P (Payed Media)
購買:対価を払って書いてもらう広告
 グルメ媒体、ネット広告、折込チラシ、FAX-DM、テレビCM、雑誌・新聞広告、ラジオCM、交通・野外広告 etc.

 一般のお店が短期的に集客を行おうとするにはこちらを使わないと難しいです。一方で昨今消費者が徐々にプッシュされる情報へ嫌悪感を示すようになり、見られなくなりつつあります。

・E (Earned Media)
獲得:記者等の外部が書いてくれる、発信してくれるパブリシティ
 プレスリリース、ニュース系(ネット、キュレーション)、テレビ番組、雑誌・新聞記事系 etc. 

 自身だけの発信にはない信頼を獲得するためには、広告では載せることのできない外部のメディアも重要です。こちらも以前と比べると格段にパワーは落ちましたが、リーチできる数が膨大なので、お店の認知度向上やnet上への情報の露出といった意味では非常に価値があります。

 ⓵信頼度が高まる=検討段階まで行ければ他の店舗よりも有利になる=クロージング率が上がる
 ②露出が増える=ブランド認知が進む=店名や商品を知るきっかけが増える=回数を見ることで親近感が涌く 

と回数を重ねるほど効果が徐々に出始める部分でもあります。

・S (Shared Media)
 共有 : 個人が自由に行うSNSシェア

  instagram、Twitter、facebook、Line、Pintarest、YouTube、TikTok etc.

 最近のよく出てくるUGC(User Generated Contents)が正しくこちらに当たります。

・O (Owned Media)
 所有 : 自ら書き、コントロールできるメディア

 自社(企業)サイト、ブランドサイト、店舗、従業員、店頭看板、Blog、メールマガジン etc.

②イメージ図

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※これらのメディアは、完全に独立での存在ではなく、それぞれに重なるものも存在しますので、上記のイメージ図のような形になります。
例)例えば、ぐるなび・食べログのようなグルメ媒体は、費用をかけて掲載しているのでPayed Mediaですが、内容に関しては自分で編集し、コントロールができるので、その意味ではOwned Mediaともいう事ができます。食べログに関しては、口コミのレビューもあるのでEarned Mediaといった要素もあります。このように複数の要素を持っている媒体もありますので、上記のような重なりが生じています。

3.飲食店での活用を考える

あくまでもPESOモデルは、分類の仕方であってそれを知っているだけでは意味がありません。これらの中にうまく自店舗の情報を露出し、認知を増やすと共にファン獲得をしていくという事が重要です。

①Payed Media

既存Payed Mediaの衰退これまで飲食店は、主にPayed Mediaを利用して集客を行ってきました。具体的にいうとグルメ媒体やリスティング広告がそれにあたります。

2年くらい前までは、ここさえやっていればそこそこの集客が実現できていました。しかしながら、徐々にグルメ媒体での新規集客力が落ちてきました。さらに費用対効果もどんどん落ちています。

これには、いくつか要因があります。
・過剰になった掲載店舗数
 グルメ媒体への掲載店舗数が増え過ぎている。

・掲載費用の高額化
 高額課金をしないとグルメ媒体内で上位に表示されない。

・ネット予約の総客手数料の増大
 ネット予約ができるようにしないと上位表示されない。
 ネット予約の比率が高くなっている。

・グルメ媒体の集客力の衰退
 グルメ媒体でしか手に入らない欲しい情報がないために、グルメ媒体からお店を探す人が減ってきている。せいぜい食べログの得点位ですかね。それもかなり信頼を失ってきています。

 基本的にPayed Mediaはプッシュ型広告のため、最近の流れ的にはあんまり消費者から敬遠されがちです。背景としてはプッシュ型広告で押し込んでくるお店に限って品質があまり高くないといった傾向があるため、それを経験したお客様が徐々に離反しているといったこともあります。

・Payed Mediaはインフィード型へ
 これまでのgoogleやYahoo検索で出てくるリスティング広告やディスプレイ広告はいかにも広告といった感じになってしまいますが、SNS上のフィードに出るインフィード広告は比較的抵抗感が少なく、認知を上げるものとしてはいいと思います。
 ただし、短期的な成果を狙ってのものには向いていないです。広告臭がプンプンするようなものですとフィード上で浮き、いかにも広告となり反応は落ちます。使用イメージとしては、あくまでも店舗の認知度向上&イメージ醸成を目的とした使い方の方がいいでしょう。

②Earned  Media

 こちらは、基本、外部の方が作成するメディアとなりますので、何もしないで取り上げてもらえるということはほとんどないです。
 ここを強化したいのであれば、Press  Releaseでマスコミに向けて情報発信をしていくのをお勧めします。ある程度の店舗数のあるお店さんであれば定期的に情報発信をして行くことをお勧めします。
 写真や記事作成を自分達で行えば、情報の配信費用だけで発信する事ができます。情報の配信代行会社もあるのでそちらを使う場合は代行費用(3から5万円くらい)で行えます。

 やはり自身だけでの情報発信ではなく、第三者からの記事があることによってお店の信頼性が高まり、ページを見たのちのクロージング率が高まる効果も期待できます。

③Shared Media

  SNSからの情報取得が増えて来ているので、今後強化をしていかなくていけない部分です。自社での発信部分はOwned Mediaになりますので、こちらは一般の方が投稿するSNSといった意味合いになります。
 徐々にSNS内検索・ハッシュタグ検索が浸透してきており情報データベースといった位置づけと日常の何気ない情報取得のツールとなっています。
 購買決定ブロセス(AISCEASやULSSAS、AISDSMAS−T)と照らし合わせた際に最初のS(Seach)はSNS内で行われます。これは、そもそも興味を持つきっかけにSNSが多いため、そのままSNS内で検索しているという事と実態を知るために一般の方が投稿している内容を確認するといった意味合いがあります。その為ここにお店の情報がたくさん投稿されている事の重要度が高まっています。
 
 またブランドイメージの醸成といった意味においてはお客様のあげている写真と店舗のイメージ写真や売りの商品の統一性が取れているとなおベターです。
意図的に増やしていくのならば、そのあたりも考慮して『撮りたくなる・人に伝えたくなる』商品やサービスといったものも用意していく事が必要でしょう。

④Owned Media

 自社でコントロールできる媒体ということで、ホームページや自社SNSといったところが着目されがちですが、店頭看板や店内POP、メニューブックに始まり店舗スタッフや制服もOwned Mediaの一つです。もちろんスタッフが発信するSNSもそうです。

  ここの部分は意外と意識されていないですが、ブランディングを行っていくにあたっては、店舗の世界観を作り上げていく一番のベースになるところだと思います。
先ほどのShared Mediaの中で発生するUGC(User Genarated Contents)の源泉はここにあり、UGCのお手本となるようなものを自ら発信していくことが重要になってきています。

 基本、Owned Mediaはかなり自店舗に興味を持った段階でないと目につかないです。自社ホームページ、自社SNSしかり、店名や社名を直打ちで検索されてやっと出てくるようなものなので、新規への露出を増やすといった意味合いにおいては重要度は低いですが、店舗への予約や問い合わせ、コンバージョンの改善といった意味合いにおいてはポイントとなります。

何か他のメディアでお店のことを知る

店名でSNS内検索やgoogle検索をする

自社SNSやホームページがヒットする
↓             ↓
期待していたイメージと違う  期待通りのイメージ
↓              ↓
離脱する        予約、問い合わせ

上記のように自社SNSやホームページの発信内容が他媒体で見たときの期待にそぐわない場合離脱につながってしまいます。そもそも検索でヒットしないというのはさらにダメなので、まずはきちんとページがあるという事を行う必要があります。
 その上で好印象を持ってもらえるような情報発信をしていくことが重要になってきています。これは、店舗内においても同様でSNSやホームページで期待していたことが店内で行われていなければ、不満になりますし、UGCが発生して増えていくことは起きないです。

4.追記

 人々のデジタルメディアリテラシーがどんどん上がってきています。また、若い世代だけでなく年齢層の幅の広がってきています。これら4つのメディアへの露出を漏れなく行っていけるようにすることは、今後さらに重要性が増していくと思います。

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