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これから『UberEats』を始める飲食店の方へ ~オープン前から戦いは始まっている~ 事前対策講座

 これから『UberEats』を始めるといった飲食店の方もたくさんいらっしゃるかと思います。私たちの方へ相談に来る方もほとんどがオープンしてから2,3カ月たってからの方です。しかしながら、売上が上がらないと相談に来た方々の売上の上がらない原因はオープン時に起因していることが多いです。
 ということでオープン後に対策を打つよりもオープン前からコツコツと対策をした方が楽ですので、今回はオープン前の方に向けての記事を書いていきたいと思います。

1.『UberEats(ウーバーイーツ)』の仕組みについて

 戦う相手のことを知らなければ勝利することが難しいということがありますので、まずは、『UberEats(ウーバーイーツ)』の仕組みを簡単に理解したいと思います。

①『UberEats(ウーバーイーツ)』は3者間の利益の全体最適化を考えている。

 EberEats自体の表面上に仕組みはそれほど難しくなく、『UberEats』のアプリを介して、3者間(店舗、配達員、お客様)での取引を行っています。

UberEats全体イメージ

 上図は、1回の注文の流れですが、実際にはこのような取引が同時に複数個所で行われています。UberEatsにとっては、この3者(店舗、配達員、お客様)すべてが顧客であり、お金を払ってくれる人たちです。ですから、この3者がバランスよく増えてくれることが正義ですので、それぞれの利益が最大化するように最適化をしていくことを考えます。

 ではそれぞれの利益とは?何か?考えていきましょう。

1)お客様
 ・種類がいろいろと頼める
 ・いつでも頼める
 ・頼んだものが間違いなく来る
 ・料理の品質が高い(味、見た目、温度、ボリューム、パッケージetc.)
 ・注文してから到着までが早い
 ・リーズナブルに(配送費含めて)

2)店舗
 ・注文がたくさん入る
  (売上が上がる)
 
3)配達員(配達パートナー)
 ・たくさん稼げる
 (単位時間当たりの稼ぎがいい=止まっている時間が短い)
  
といったことになります。ニーズの発生ポイントはお客様になりますから、まずはそこのニーズを満たさないとここのマーケットが増えません。
そこで、掲載する店舗に対しての品質を見る指標として『Uber Eats』が発表しているのが『グリーンスタンダード』(Green Standard)です。

②グリーンスタンダードについて

 ①であげた『グリーンスタンダード』(Green Standard)ですが、詳細は下記の記事ご覧ください。

 では、こちらのグリーンスタンダードのポイントが高くないとどうなるのでしょうか?
 余程意図的な悪意のあることをやっていない限りは、特にペナルティーのようなものはありません。ですが、表示順位には影響が出るはずです。例えば自分と同じカテゴリーのお店がたくさんあったとして、グリーンスタンダードを数値が高いお店と低いお店があった場合に、どちらを上位に表示させるでしょうか?
 お客様のことを考えたら当然数値の高いお店を上位表示させますよね?ということは、オープン前からこのグリーンスダンダートに対しての対策をしておく必要があります。

 ただし、こちらはあくまでスタンダード=標準であり、ここがきちんとしたとしてもそれはスタート地点に過ぎないということです。これ以外のことも行っていかなければ他店には勝てません。

2.オープン前にできる事前対策

 さきほど出てきたグリーンスタンダードの中で対策すべきことがあります。

①対グリーンスタンダード

 こちらは、お客様に対しての最低限の守るべき指標なので確実に行いましょう。

1)メニュー数
 こちらは、必ず15品以上掲載させましょう。品切れになることがある商品があるのであれば、プラス数品は登録しましょう。

2)写真
 すべての掲載している商品の写真を入れましょう。

3)商品説明
 こちらも確実にすべての商品に説明を入れなくてはだめです。

※上記の条件はだれでもできることなので必ず、行ってください。

②対配達パートナー

1)待ち時間を作らない
 先ほど記載しましたように単位時間あたりにどれだけ運べるか?が配達パートナーさんの利益になります。
 到着時にすぐに渡せるように提供時間のかかるすぎる商品は、外すことも検討した方がいいでしょう。イートインをやっているお店は、ピーク時に重なっても提供できる商品でないと危ないです。

2)店舗をわかりやすく
 店頭や看板にもUberEatsをやっていることを分かりやすく掲示しましょう。お店の近くについてからの時間のロスが少なくなるようにしてあげましょう。

3.応用編:より売上をとるためには

 2.までの所を行えば、スタートラインには立てるようになります。
もちろん、写真の撮り方や商品名のつけ方等でさらにコンバージョンを高められるようにはなります。

 ここでは、さらに長期的な視点と店舗全体の売上をよりとっていくためにはといった視点で記載していきます。

 オープン前から、これらを準備できるとUberEats単体の戦略でなく、全体としての販促戦略を考えることができるようになります。

①その他の媒体ページも整合性をとる

 最近では、通常のイートインの予約もそうですが、注文確定の前に見ているページ(UberEats)以外もチェックされることが多いです。どんなにUberEatsにページに綺麗な写真を載せていたとしても他のGoogleマイビジネスや食べログetc.のページの写真がそうでもなかったら、、、、皆さんだったらどう思いますか?あれちょっと怪しいかも。。。ってなったりしますよね。もしくはSNS系でチェックするかもしれません。今後そういた方が増えていくでしょう。

 そう考えるとどのページを見てもある程度の一貫性がないと結果、購入につながらないといったことになります。

②環境に適応しながら、自ら情報を発信する 

 これは「『UberEats』を始めるから」に限ったことでなく、時代の流れがそうなりつつあります。あらゆる情報がインターネットを介して取得できるようになり、情報で溢れかえっています。お店の情報を見つけてもらえるのを待っているだけの時代は終わりました。

 飲食店を探す際の情報取得は、ニーズ発生してから検索していると思われがちですが、普段の何気ない日常生活の中で行われています。ネットニュースやSNSのフィードやyoutubeであったり、さりげなく生活の中で目にしているものから情報を得て蓄積しています。また、いかにも広告とわかるものに対しての拒否感も多くなってきており、プッシュ型の広告が嫌われて言います。
 ですから、普段の生活で何気なく目にされることの重要性が高まっており、その為には自ら情報発信していかなくてはいけなくなってきています。

 Payed Mediaといわれるような課金型広告媒体(グルメ媒体やリスティング広告etc.)ではなく、その他のEaned Media(信頼を獲得するメディア:ネットニュースやテレビ、雑誌等の記事等)やSocial Media(SNS系)、Owned Media(自社でコントロールの利く媒体:自社ホームページやSNS,店舗や店舗スタッフ、看板etc.)への情報発信の重要性が高まっています。
 
 重要なのは今、これまでにないくらいの非常に速いスピードで情報のIT化が進みマーケットが変化しています。。この環境に適応していくためにはその情報を得なくてはいけません。中々その情報を店舗にいながら取得するのは非常に難しくなってきています。

 UberEatsのデリバリー機能の外部化同様にそういったマーケティング情報収集機能の外部化というのも時代の流れかと思います。

③ブランディングを意識する

 今後もデリバリーアプリ内での掲載店舗は増え続けていくと思います。そうすると何が起こるか?過去のグルメ媒体で起きたことと同様のことが起きると思います。

・媒体のさじ加減による表示ルールの変更
 恐らく、Uberではそういった課金による上位表示はしないと私は信じているのですが、今後どうなるか?は分りません。出前館とかは既にそういったプランが出ていますよね。
 ここは、恐らくお客様の利益に反する(極端な話、すごく品質の悪いお店にもかかわらずお金出したら、上位に表示され、お客様が注文しやすくなってしまう)から、まともなインフラになろうとしたらやらないはず。 
 ただ考えられるリスク(媒体のさじ加減による表示ルールの変更)として常について回ります。

・競合過多による露出の減少
 類似商品で品質もそれほど変わらないものを出している店舗が増えたら、恐らく表示が分散され、その分注文が入りずらくなる。

・価格競争の激化による収益悪化
 類似商品(店舗)間で大きな差がない場合は、顧客は必然的に価格で競争するようになります。
 すなわち、『ブランディングできていない=他店との差が分からない⇒価格の安い方に流れる⇒安売り競争に巻き込まれる⇒収益の悪化』となっていくのも見えています。

・媒体の集客力低下による売上減
 媒体にだけ頼っていると媒体の力が落ちたときにそれにひきづられて自店舗も売上が悪くなります。
 ぐるなびや食べログだけに集客を頼っていたお店さんは、ここ3年くらいその媒体の衰えの影響を受けてきたのではないでしょうか?

・よってこれらに巻き込まれないためにも
 ということは同じ過ちを繰り返さないためにもブランド名(店名)や商品名を認知してもらい、その名前での検索をしてもらえるようになっておかなくてはいけません。すなわちブランディングです。

私が思う飲食店のブランディングができた状態とは
『利用シーン+ポジティブな感情を思い浮かべたときに店名や商品名が想起されるようになること』
で、そうなるためには、想起されたいイメージをあらゆるところで露出していく必要があります。

④まとめ

・ブランディングを意識して進めていかなくてはいけない。

・UberEatsのページだけ、頑張ってもダメ。その他の媒体のページも統一性を持たなくてはいけない。(統一性はブランディングの方向性に沿って)

・マーケットに適応しながら、自ら情報を発信していかなくてはいけない。

・その為にも変わりゆくマーケットの情報を取得できる体制も作らなくてはいけない。

こちらの応用編に興味のある方には、下記の記事もおすすめ。

◎お問い合わせ先

 ・これからUberEatsに取り組もうという方
 ・すでに取り組まれていて、さらに売上を伸ばしていきたい方
 ・UberEatsに関わらず、販促戦略をどうしたらいいか?お悩みの方
は、下記までお気軽にお問い合わせください。

株式会社GlobridgeMARKETING 担当:岩田
siwata@globridge.co.jp


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