Vol.10 ウォッカカクテル①
※かつてアメブロに投稿していたものを移行しています。
前回のウォッカに引き続き、今回はウォッカベースのカクテルについて
書きたいと思います。レシピも併せて記載していきます。
1.スクリュードライバー(Srewdriver)
【レシピ】
・ウォッカ(vodka) 45ml
・オレンジジュース(orange juice) 適量
タンブラーに氷をいれ、材料を注ぎ、ステアする。
個人的にウォッカカクテルと聞いて先ず思い出してしまうのは、スクリュードライバー(screwdriver)ですね。かつては、レディーキラー(もう死語ですね。。。)のお酒として一斉を風靡しました。といっても30年近く前ですねw
中身は単純で、タンブラーに氷をいれ、ウォッカをオレンジジュースで割っただけのものです。
しかしながら、そのネーミングの横文字の響きについついカッコよさを感じでしまったものです。日本語だと「ねじ回し」ですけど。。
味は、単純にオレンジジュースですから、飲みやすく、クイクイいけてしまうと言うことでついつい飲みすぎてしまった女性も多いはずです。
(その後どうなってしまったか?知る由もないですが。。。。)
しかしながら、なぜスクリュードライバー(ねじ回し)?
これは、油田で働いていたアメリカ人の作業員が喉の渇きを潤す為に即席で作ったカクテルで、その材料をステアする際に、スクリュードライバー(ねじ回し)を使ったことから由来していると言われています。
映画にも登場しており、有名なのは『ボディーガード』
主人公のケビン・コスナー扮するフランク・ファーマーがいつもはオレンジジュースしか飲まないのですが、ヒロインの姉を守れなかったことにひどく落ち込んだ時に注文したのが、逆スクリュードライバーとも言えるオレンジジュースのウォッカ割りでした。。。真似はしちゃダメですよー。
話を元に戻して、こちらをベースにちょっとアレンジしたカクテルとして
次のものがあります。
2.ハーヴェイ・ウォールバンガー
【レシピ】
・ウォッカ(vodka) 45ml
・オレンジジュース(orange juice) 適量
タンブラーに氷をいれ、材料を注ぎ、ステアする。
その後にガリアーノ(galliano)というハーブ&バニラのリキュールを浮かべる。
単純にスクリュードライバーの上にガリアーノを浮かせているだけのカクテルです。
こちらのカクテルの名前の由来には諸説ありますが、私が聞いていたのは
はサーファーのハーヴェイが大会に負け、大量の酒を飲んで泥酔し壁を叩きながら帰ったところから、壁たたきのハーヴェイ=Harvey Wallbangerになったらしいです。でも全然、カクテルの中身と紐づかないですよね。。。。
飲みやすいカクテルなので、泥酔するという所が共通点なのかな?
3.ソルティードッグ(Salty Dog)
【レシピ】
ウォッカ(vodka) 45ml
グレープフルーツジュース(grapefuruit juice) 適量
ロックグラス(オールドファッションド・グラス)のフチをレモンでぬらし、塩をつけたグラスに
氷を入れ、材料を入れステアする。
これも昔はカクテル初心者の定番のドリンクでした。グラスのフチに塩がついているといったスタイルは当時カクテルをあまり見たことのない私にとってはセンセーショナルでクールでした。
ちなみにこのグラスのフチに砂糖や塩をまぶすスタイルの事をスノースタイルと呼びます。
一般の方にはソルティードッグやマルガリータが知られているので、塩をつけるのが当たり前に思われますが、本来のスノースタイルは砂糖がオリジナルなんです。
一般の方は全然気にされていないと思いますが、お店はこのスノースタイルにする際に使う塩もこだわっていたりするんです。塩の銘柄や粒の多きさにも気を使っているお店もあります。ブレンドしてみたり。。。
かつて私が働いていた店もミキサーで塩を少しひき、粒を細かくしたりしていましたね。
そうそう この『ソルティードッグ』とはスラングでイギリス海軍の『甲板員』のことです。恐らく潮風を浴びているので、『しょっぱい奴』といった所が語源なんでしょう。でもイギリス海軍といったら、お酒はジンですよね。という事で、元々はこのソルティードッグもジンベースだったようです。他のカクテル同様、アメリカに渡り広がっていく中で癖のないウォッカベースにされていってしまったんだと思います。
塩をグラスにつけないものは『テールレスドッグ』や『ブルドッグ』などと呼ばれています。
4.モスコミュール(Moscow Mule)
【レシピ】
ウォッカ(vodka) 45ml
ジンジャービア(ginger beer) 適量
ライム(lime) 1/4
銅製のマグカップに、氷と材料を入れステアする。
こちらもすっきりとして飲みやすいと言ったところから、日本では非常にメジャーなドリンク。
直訳するとモスクワのラバと言う意味になる。ウォッカを使っていると言うことで『moscow』。ここは分りやすいのですが、なんでラバ?となると思います。
その理由はちょっと洒落ていて、ラバの武器がその脚力を活かしたキックなんですね。そこでキックのある飲み物(海外ではもっと濃く作る。)ということで『mule』となりました。
(あとに書きますが恐らくBUCKスタイルに対してちょっと変わった洒落たネーミングにしようというところからきていると思います。)
類似のネーミングで、バック(buck;牡鹿)スタイルと言うのがあります。こちらはスピリッツをジンジャーエールで割るドリンクであるが、こちらも同様にキックのある飲み物と言うことから由来しています。
広がった背景としては、元々はスミノフ(smirnoff)が自社のウォッカの販売促進として、このカクテルを広めたと言われています。(その他にも諸説ありますが。。。)
何人かのニューヨークの有名なバーテンダーにスミノフのボトルと銅製のマグカップに入れたこのカクテルを持たせて、写真を撮り今、流行っているカクテル
として他の店に紹介し、広めていったといわれています。
日本では、ジンジャービアが手に入りにくい為、ジンジャエールで代用して作られる事が多いです。というかこだわりのお店でしかジンジャービアを使っていないですよね。。。
銅製のマグカップで出しているお店があるのは、この元々のオリジナルを再現しているからです。
4.コスモポリタン(Cosmopolitan)
ウォッカ(vodka) 30ml (シトラス・ウォッカを使うことも)
コアントロー(cointreau) 10ml
ライムジュース(lime juice) 10ml
クランベリージュース(cranberry juice) 20ml
シェークして、カクテルグラスに注ぐ。
私がバーテンをやっていた当時には、まだまだ日本ではあまり知られていませんでしたが、
昨今、ニューヨーカーや女性の好きなドリンクとして非常に有名になり、スタンダードの
仲間入りをしたカクテルです。
スッキリとした飲み口とネーミングからNYでブレークしたのではないかと思います。
ネーミングも『国際人』といったところで、いかにもNYといった感じですね。
むこうでは、これをフルーツマティーニの一種と捕らえることもあるようで、全般的に低アルコール化、味のライト化がアメリカでは起こっています。最近ではノンアルコール化の波が来ていますので、今後さらに変わっていくのだと思いますが。。。
今回は、この辺りまでで。そのうちウォッカカクテルについては取り上げていきたいと思います。
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