からだエッセイ ヨギーの独り言
年齢を重ねると、体のあちこちに故障が出て来る。腰や首、肩、膝の不調だ。
ウォーキングや水泳、ストレッチをした後は凝りがすっきりしたり体が軽くなったりするが、まもなく元に戻ってしまう。
長年仕事の合間に、メタボの予防や、凝りの改善のためにジムに通っていた。
運動仲間に、ヨガをやるとインナーマッスルが鍛えられ、故障しにくい体になると勧められた。
元々興味もあり、試してみることにしたのは7年ほど前の話だ。
ジム内のスタジオで、何度かヨガの体験をすると、自分の身体の硬いところや左右のバランスの悪さ、姿勢の癖が分かってきた。
それまでの自己流の運動では気づかなかったことだ。
ヨガのインストラクターは、丁寧に説明をしながら様々なポーズをとらせるが無理をさせるわけではない。
各々の体の特徴に合わせた指導がされる。
以前は開脚しても腰が後ろに倒れ90度くらいしか開かなかったし、立って前屈しても両手は床上10㎝で止まっていた。
幼い頃はそれなりに柔軟な身体だったのだから、長年の生活習慣の蓄積で得た硬さということだ。
ヨガレッスンへ定期的に通うようになった。時間はかかったが、だんだんそれなりのポーズがとれるようになり、成果が目に見えるようになってきた。
腰痛や肩凝りがなくなり体調の良さを実感するようになると、がぜん面白くなってきて、多い時は週3回通うこともあった。
2021年に起こったパンデミックの影響で、ジムに通うのがままならなり、誰しもが、生活スタイルを安心安全をメインに変化させていった。
その影響で、今は週1回、近くのヨガサークルへ通っている。週何回かは、家でヨガの動画を見ながらポーズをとる。
目当ては、目に見えるさらなる成果だ。開脚が120度を超え、前後開脚もあと少しで達成できそうだ。前屈では、手のひらがピッタリ床につくようになった。
できないことができるようになる嬉しさは、年齢には関係ないだろう。さらに体の調子が整うのだから。
だいぶ前、林修のテレビ番組で5つの行程で腰に“くびれ”を作るというコーナーがあった。
5つのうちの4つがヨガのポーズと同じだった。
某新聞に、毎週月曜日“すぐトレ”という運動のコーナーがある。
ストレッチや古武術、健康体操などだが、ほとんどがヨガのポーズの特徴と共通している。
ヨガは約5千年前にインドで発祥したと言われている。それほど昔に生み出された技法が、現在も受け継がれ、健康ブームを支えている。
新米ヨギー(ヨガ行者)は、その奥深さにたじろぎながらも、今日もマットの上でポーズを取り、自分の体と向き合っている。
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