見出し画像

20年前の今日、何を食べたかったか、あなたは覚えていますか。

20年前の今日、何を食べたかったか、あなたは覚えているだろうか。

自信を持って言えるのだけど、私は覚えている。

というか、ふと思い出した。ショッピングセンターでマックを食べながら。


20年前の今日、私はマックを猛烈に食べたかった。結局、食べられなかったのだけど、ものすごく食べたかった。

20年前の今日は、確か、月曜日だった。

夜中に陣痛が始まり、我慢ができなくなって、朝4時くらいに病院に向かった。車の助手席で産んでしまったらどうしよう?というくらい、波絶頂で病院に到着した。

夜間受付のところで待たされて、助産師さんの顔を見るまでがものすごく待ったのを覚えている。見てもらった時には、既に子宮口は7〜8センチくらい開いていたらしく、そこからは、出産に立ちあった人なら分かるだろう、テニスボールと一緒に闘うことになる(テニスボールってテニスする以外にも使い道があるんだ、と衝撃を受けた)

途中、看護師さんに「今なら朝ごはん、手配できますけど食べますか?」と聞かれたのを覚えている。

「外で買ってきてもいいんですか?」
「いいですよ。」

そうなんだ、何食べてもいいんだ。だったら、妊娠中に太らないように我慢していたマック食べたいな。今から出産だし。もう体重増えても怒られないよね。病院近くのマック、朝8時には空いてるんじゃないかな?食べたいな。食べたいな。食べたいな。そんなことを考えていたし、言ったと思う。

結局、波に耐えるのが精一杯で、夕方まで何も食べなかった。半日以上頑張って、18時前にはピークとなったその時、経産婦さんが分娩室に飛び込んできて、そっちが先に出産となった。私の周りを取り囲んでいた医師たちは、一斉に隣の分娩台に向かった。カーテン一枚隔てた隣の分娩台で、命の誕生の瞬間に立ち会いながら耐えた。

「こんな感じだったっけ?」既に出産を経験した妊婦さんは余裕な感じで、何回かフンッといきんですぐに赤ちゃんが誕生した。「待たせてごめんねー」って先生が戻って来て、ようやく出産にゴーサインが出た。

あの時の経産婦さんの飛び込みがなかったら、娘の誕生時刻はもう少し早かったはず笑

あれから、20年。早かった。思い出すと泣けてくる。慌ただしく過ごしたけど、早かった20年。

ハタチになった娘へ。お誕生日、おめでとう。

記事が面白いなと思ったら、ぜひサポートしていただけますと幸いです。頂いたサポートで、楽しい終活を広めていきます!次回の記事も楽しみにお待ちください!