四行詩集 2023.8.24〜28
生命の海
今まで流した涙が
川となり 生命の海へと続く
海沿いの道には花が微笑んでいる
私もまた生きねばならない
庭
庭は花ざかり 蝶や蜂が
踊るようにやって来ては
命をつなぐために
必死の思いで蜜をとってゆく
晩夏の夜
蝉ももう唄うのをやめて
蟋蟀や鈴虫が 「それじゃあ代りに」と
愉しげにコーラスする 晩夏の夜
いつかの夢のように 儚くて幸せな夜
詩作
今でもハッキリ思い出す
初めて詩を書いたあの日のことを
あの日の喜び 胸の高鳴り
それは今でも変わらないもの
雨
しとしとと雨が降る
雨音は 神のつくった詩のようだ
そのすぐれた押韻に
私は有難く酔いしれる
勝負のとき
すがれるものは
この一本の万年筆だけだ
苦しいときは勝負のとき
私は詩を書き 答えを出す
風
一陣の風が 去りゆく夏を
追いかけるように吹いている
私はひと夏の思い出の数々を
拾いあつめるように思い出す
(2023.8.24〜28)
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