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夜の旅の歌

ウィスキーを飲みながら
パイプに葉を詰めて 点火する
果てしない旅のような
夜がはじまる

やがて 私は熟考する
思考は次第にパイプのように熱を持ち
両目には哲学を渇望していた頃の
輝きが戻ってくる

ウィスキーを飲み干し
パイプたばこも吸い尽くした
思考の熱は次第に沈静化し
ふと 詩を書きたくなってくる

果てしない旅のように
夜は続く──
詩を書き終えてようやく来る
慎ましく 厳かな静寂

私のかけたバッハのロ短調ミサのなかで
静寂は清められ 美しい星のような
きらきらとした微光を
私の瞼の裏側に投げる

私は射止められた野うさぎのように
体を静かに静寂に横たえ
崇高なる音楽のなかで
主よ 夢であなたに会うことを願う

やがて来る朝のために
芸術と 神聖なるものへの憧憬が
私に生きてゆく力を与える
やがて来る朝よ 私のために清からんことを!


(2023-03-06)

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