移動革命MaaS/日経ビジネス2019年4月29日・5月6日合併号

GWがはじまりましたね。皆様、いかがお過ごしですか?
大型連休の悲しいところは雑誌が合併号になって、情報が少し途切れるところです。まぁそういうときこそ溜まっている積読本を消化するのがいいんでしょうけど。

さて、今回は移動革命MaaSを取り上げます。
MaaSとはモビリティー・アズ・ア・サービスの略。車や鉄道、バス、タクシーなど多様な交通手段を連携させて、移動の利便性を高めるサービスを意味する言葉で、世界で起こりつつある「移動革命」の代名詞らしいです。
最近話題の自動運転とかの話です。
これが注目されている理由の一つに、ソフトバンク・トヨタが共同設立した会社モネ・テクノロジーズがあります。ここに多くの会社が参画しているとのこと。

MaaSとのかかわりが一見うすそうな企業までモネの周囲に集まりつつある現象だ。イオンモールやニトリホールディングス、吉野家ホールディングス……。モネが3月28日までに88社を集めて設立した「モネ・コンソーシアム」には各小売業や飲食業、不動産業など幅広い魚介の企業が加わった。

シャアリング文化が広まって、これから自動車は売れなくなっていく時代に入っていきます。時代はどんどんハードからソフトへ移動していきます。ハードの覇権を握るのはGAFAに代表されるような超大手企業のみ。その他はソフトで行きていく道を探っていきます。日本のスマホ市場がまさにそうで、同じ轍を踏まないようにと日本の自動車産業は一致団結して大きなハードを作ろうとしているのがモネ・テクノロジーズなんです。
そこに自動車とは関係ない企業が参画しているのが非常に興味深い。こういう新しい分野はある意味では未来のカタチ。未来を見ている企業が、MaaSは次の未来だと確信を得て投資しているんです。これから10年で大きく市場が変わっていくのですが、自動車のみならずあらゆる分野に革命が起こっていくことの証左といえるでしょう。
市場規模の動きは以下の通りです。

【市場規模】2017年の387億6000万ドル(約4兆2600億円)から25年には3583億5000万ドルと、ざっと10倍に膨らむと予想する。
現状は世界の自動車産業が上げた利益のうち41%が新車販売によるものだが、30年にはその比率は26%に低下。代わって、全体の30%の利益を生み出すのがMaaSだ。
米国と欧州の自動車総保有台数は2025年以降、減少する見通し。一方で、自動車の普及率が先進国に比べて低い新興国では保有台数は伸び続けると予想される。中国の30年の総保有台数は3億300万台と18年の1.6倍に増えるとみる。

このことから以下のことがいえます。
・先進国では自動車は売れなくなる
・新興国では自動車はまだ売れる
・MaaSビジネスは伸び続ける
つまりまず、日本で自動車産業に参入するのはやめたほうがいいということですね。まぁ僕は自動車売ることに興味ないのでやりませんが。やるのであれば新興国でやるのがいいのかもですね。
で、自動運転が増えれば、移動中暇になるわけで、そのときになにをやらせるのか、というのがビジネスチャンスのひとつ。でもこれっていま電車の中でみんなスマホをいじっているように、すでに寡占状態。まぁ少し裾野が広がるのかもしれないけど、いずれにせよ「暇つぶしビジネス」はこれからも伸びる可能性がありそうですね。

面白そうなアイディアもありましたので、それも紹介します。

「移動バー」
「移動自動販売機」

バーカウンターが自動で移動してやってくる。自動販売機が飲みたいときに自動でやってくる。面白いですよね。とくに自動販売機が勝手にやってくるのは滑稽で面白いですね。もうジュースそのものが飛んでくればいいのに。それこそ自分の近くに小型ロボットが浮いている時代が本当にくるかもしれないですね。

MaaSが伸びているからといって、すべてが儲かるわけでもないようです。というのも、現在相乗りサービスで急成長をしているウーバー・テクノロジーズやリフトも赤字経営を強いられているとか。あの規模で赤字とか、逆に新規参入は無理じゃねって思いますよね。

「当面はサービスサイドは赤字を垂れ流すことになる。競争でプレーヤーが集約し、残ったところが利益を上げるようになるだろう」

ゴールドラッシュの話に似ていますね。金を採掘できたものはわずかで、その人のためにジーンズやつるはしを売った業者が一番儲かったと。たぶん大手企業しかこういうMaaSビジネスは参入できないでしょう。あとはアホな企業(笑)。だからそこにソフトを売るような展開でいかないと小さい企業は生き残れないでしょうね。だからこそソフトの時代だと思うんです。とくに僕みたいな超小さい会社はソフト一辺倒で行くべき。こういう情報を知れば知るほど、ソフト企業でいかないといけないなと思いますよね。

僕の知り合いで、MaaSが拡大すれば、エンタメ分野に光があたってくる、という意見を持つ人もいました。さっきも書きましたけど、暇が増える。そうすると、趣味に時間を使うことができる。まずはこの趣味の分野でシェアを取るか。僕の事業でいえば「謎解き」を趣味にしてもらうことがまずひとつ。それを移動中でもできる仕様にする。もう一つは、趣味を提供するソフトを強化する。例えば野球観戦が趣味なら、移動中も野球が見れるようにする。しかもただのテレビ画面じゃなくて、例えば球場の様々な場所にカメラを設置し、それをアプリを使えばいろんな視点から野球観戦できる。遠くにいながらライブ感のある映像が見られる。これはコンサートでも応用できそうですよね。ある意味ではハードになるかもしれないけど、その趣味をより楽しめるソフトを提供するのも一つ。
このMaaS革命はエンタメ分野にとってはチャンスだと思います。余暇ができることで、遊ぶ時間が増える。そこにお金を使う、あるいは情報を流す(広告とか)。スマホのゲームなんかまさにそうですが、そのコンテンツをより強化し、みんなが楽しいと思えるコンテンツを作れるところに需要が高まるような気がしています。
これを書いていて自分の中でまとまってきましたが、最終的にはデジタル分野での体験型ゲーム、あるいは別のイノベーティブなゲーム(笑)。そこを目指していくのが重要なのかなと思いました。

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