時間をデザインするプログラミング
クラブ活動と称して、「時計または時間をリ・デザインする」取り組みを長く続けていました。デザイナーや研究者がアイデアを出し、それを誰かがプログラミングして動くようにする、という活動です。100個近いアイデアがたまって、開発したプログラムはスクリーンセーバとして普段から使えるようにしたり、プロジェクターで常に大きく投影したりしていました。
たとえば、これは蚊取り線香のようなグラフィクスが2つ表示されています。左は午前、右は午後で、一周が一時間を表しています。過ぎた時間は灰色に変わっていきます。赤く燃えている方向で、いま何分かがわかります。時間が進むごとに、円周が短くなっていくので、時間の進み方が加速されて感じるようなデザインでした。
これは何時を示しているかわかるでしょうか?
わかれば簡単なのですが、そろばんをグラフィカルに表したものです。すなわち、17時06分28秒です。一度わかった人は、まだわからない人がいると優越感が得られるらしく、嬉しそうに教えてらっしゃる場面をよく見ました。おそらくアハ効果ですね。若い人はそろばんなんて知らないと思ったら、今も学習指導要領には残っているようです。ただし、そろばんが普及していない国の人には通じません。
これは、外側の円の切れているところが秒、真ん中が分、内側が時間を表しています。さらに、小さい赤い球が一秒間に1つずつ上から落下してきます。ほとんどの赤い球は外側の円を沿って画面の下に消えていくのですが、0秒前後の数秒だけ、円の中に入ることができます。運が良ければ、分の円や時間の円の中に入ることもあります。残った赤い球は、それぞれの円の切れ目が真下に来た時、下に落ちます。内側に入った場合、6時間経たないと落ちません。ただそれだけの予想可能な動きをしているだけなのですが、多くの人は飽きずに見続けていました。「あと30秒経ったら落ちるのかな、あ、落ちた」と見届けようとするみたいです。30秒や1分間、飽きずに見続けられるような映像コンテンツを制作するのはなかなか大変ですが、不思議です。
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