SDGs達成の貢献度評価のプログラミング
COVID-19以降、しばらくあまり目立たなくなっていましたが、気候変動は地球の大きな課題です。グレタさんはじめ、特に若い世代の方が積極的に行動されています。私も大学では地球科学を学んでいたこともあり、全球的な課題は心配になります。EUも2019年にEU Taxonomyというガイドラインを発表し、CO2を排出するあらゆる経済活動への投資を規制する、という動きがあります。
しかし、地球課題はそれだけではありません。貧困で苦しんでいる国や地域もたくさんあり、十分にきれいな水を使えない人も数多くいます。「いま飢えに苦しんでいる人たちのところに、ガソリンを使う安い車で食料を運ぶ」という活動は一概にダメなことと切り捨てるわけにはいかないかもしれません。
2015年に国連で、持続可能な社会のための開発目標、いわゆるSDGsが全会一致で採択されました。17のゴールがあるのはみなさんご存知かもしれません。17のゴールは、169のターゲットに細分化され、さらに232の指標として、具体的に示されています。
たとえば、6番目のゴールは「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all」となっていて、ターゲット6.1は「2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する By 2030, achieve universal and equitable access to safe and affordable drinking water for all」です。さらに、指標6.1.1は「安全に管理された飲料水サービスを利用する人口の 割合(%) Proportion of population using safely managed drinking water services」となっています。このような具体的な指標が232個もあるわけです。当然気候変動や貧困に関する指標もあります。各国はこれらの指標を監視、向上するよう努力が求められています。
生命の危機と気候変動は、本来比較できない課題です。どちらも大切です。しかし、比較できないからと言って、バラバラに対策していては2030年までにSDGsは達成できないでしょう。そこで無理を承知で、あらゆる経済活動が、232の指標をどのくらい改善(または悪化)するか、プラスとマイナスを合算できるように定量的に計算するソフトウェアをプログラミングしました。社会や環境にとってどのくらい良い活動なのか評価できるようになり、合理的な投資が促進されることを期待します。
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