歩くタイミングをコントロールするプログラミング
人間の行動をコントロールするプログラミングができれば、使いやすいソフトウェアが作れるだけでなく、いろんな応用ができそうです。
ある鉄道会社の方が、エスカレータの事故が結構多いので何か防止するアイデアはないか、と尋ねてこられました。エスカレータを降りたところで立ち止まってしまう人がいると、後に乗っていた人とぶつかってしまうことがよくあるそうです。不案内な駅のホームや建物では、どこに行けばいいのかキョロキョロしてしまうのかもしれません。降りたらそのまま進んでほしいとのことでした。また、エスカレーターに乗る際も、小走りで駆け込んできたり、あまりにゆっくりしていると、前の人にぶつかったり、渋滞したりしてしまって危険ですので、できるだけ一定のペースで乗ってほしい。
エスカレーターの乗り降りする箇所には、金属の凹凸のあるカバープレートがあります。メンテナンス時に、これを外して、中に入って点検しているところをご覧になったことはないでしょうか。
わたしたちは、このカバープレートにLEDをたくさんとりつけて、歩いてほしいスピードに合わせて、光が流れるようにしてみました。直線や矢印のような光のパターンや、色なども変えられるようにして、被験者の方に実際に乗ってもらいました。
その結果、面白い傾向が見えました。なぜか人は光を踏まないように歩幅を調整していたのです。これが一般的なことなのかどうかは、厳密な心理実験が必要ですが、人の歩くタイミングをコントロールするプログラミングが書ける可能性があるということです。また、エスカレーターの乗り降りだけでなく、あらゆる床に仕込んでおけば、人の流れもコントロールできそうですね。
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