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バグが生まれるさまざまな理由

 人間がバグを作ります。人間が間違えることをヒューマンエラーと呼びますが、想像以上に私たちはヒューマンエラーを起こしています。例えば、エクセルなどの表計算ソフトでは、表の各項目(セル)の中に数式を記述して計算することがよくありまが、ハワイの研究者が世界中の表計算ソフトで作成されたファイルを調べたところ、86%のファイルにヒューマンエラーが含まれており、セルあたり2.5%のエラーがあると報告しています。2.5%ですよ。40個のセルにひとつの割合です。5x8の小さな表にひとつの割合です。人間は本質的に間違う生き物だと考えていいいでしょう。
 さて、バグが生まれる要因はいろいろありますが、単なる勘違いやスペルミスなどであれば、見つけやすいでしょう。ほとんどのバグはこのようなタイプです。
 一方で、人間の脳の働きのクセによるバグもたくさんあります。クセにはいくつか種類がありますが、知恵バイアス、確証バイアス、根本的な帰属の誤り、正常性バイアス、アンカリングなどが知られています。次回以降、それぞれ簡単にご紹介します。

R. Panko, "Spreadsheet Errors: What We Know. What We Think We Can Do.," Proceedings of the Spreadsheet Risk Symposium, European Spreadsheet Risks Interest Group (EuSpRIG), 2000.

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