コラム0011 プログラミングと作曲
プログラマーには作曲する人が比較的多いと聞きます。パソコンのキーボードとピアノなどのキーボード(鍵盤)楽器に親和性があるのでしょうか。
実は、プログラミングと作曲には共通点がたくさんあります。まず、自分で作ったものは、全体から細部に至るまで自分の責任であること。特に細かい動きが全体に与える影響を考えなければいけないこと。たったひとつのバグが致命的であるように、たったひとつの外れた音が曲全体を台無しにしてしまいます。目と操作を心地よく誘うインタフェースを設計するのと同様に、旋律や和声やリズムをバランスすることにも気をつけなければいけません。
さらに、プログラマーがパソコンやスマホでも同じように使えるように配慮するのと同様に、曲の仕上げの段階の音をまとめる作業(ミックスダウン)では、高級なスピーカー、ヘッドフォン、スマホやパソコンのチープなスピーカーなど、いろんな場面で再生されることを想定してイコライジングします。
プログラムも曲も、どちらの場合も良いものができたら気持ちいいですし、喜んでくれる人がいます。広く公開したい気分にもなります。
最近は、高価で、重くて、邪魔で、配線がめんどくさいシンセサイザーなどの音源機器を使わなくても、パソコンだけでかなり高品質な作品が作れるようになりました。デスクトップミュージック(DTM)のソフトウェアの高機能化と、ハードウェアが高速化されてPCMなどのソフトウェア音源も扱えるようになっためでしょう。30年前に浜松のシンセサイザーの有名な会社の研究者が、将来は必ずソフトウェア音源の時代になると予言されていました。みんなそんな無茶な、という顔で聞いていましたが、その通りになりました。
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