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第80回 ローズベルトの圧力

1941年7月26日、ドイツと同盟関係にあるという理由で、アメリカにいる日本人の資産が凍結されました。
ローズベルト大統領は、昔から日本を好きではありませんでした。逆に中国にはとても親愛の情を持っていました。それは、外祖父が当時の清でアヘン売買をして中国の文物が家にあって馴染んでいた事も関係あると思います。だから日本に侵略されている中国に同情したともいえます。しかしよく考えてみると、アヘンでしこたま儲けた外祖父の陰に、健康を破壊されて死に至った中国人がたくさんいたのは脳裏になかったのでしょうか?少なくともアヘン売買の謝罪の言葉は聞いた事がありません。

日本の首相、近衛文麿は7年前の1934年に渡米し、ローズベルト大統領やハル国務長官と会談した事がありました。そしてその時驚きました。ローズベルトも春も日本の歴史・文化には全く無知で関心を示そうともしなかったからです。英語も堪能で、後室と並ぶ家柄の藤原摂関家筆頭の近衛家の当主である文麿は面白くもありませんでした。
文麿は、ローズベルトが昔から読書嫌いで、外国の歴史などは全く興味があにと側近から知らされました。ただ、ハンサムで美声だったので、ラジオの向こう側の聴衆を虜(とりこ)にする術には長けていました。
『黄色人種の遅れた国ーそう思っているのだ』
近衛はそう感じました。実際、ローズベルトは、
「日本人の頭蓋骨は我々と比べて二千年進化が遅れている」
と蔑視して公言していました。しかしアメリカの実力は嫌が上でも近衛は分かっていました。(続く)

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