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深掘り「源氏物語」の時代

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「源氏物語」の時代背景を深く掘り下げて探求していきます。
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記事一覧

第67回 新作『源氏物語の時代を彩った女と男』発刊!

note投稿を停止してから約2カ月、やっと新作を上梓できました。『源氏物語』の時代の主に歴史…

高堀 枝裕二
4か月前
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第66回 和泉式部と「夕顔」執筆

寛弘6(1009)年4月、前月の頼通の婚礼に続いてまた慶事で道長一家は湧きました。何と中宮彰…

高堀 枝裕二
6か月前
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第65回 後嗣・頼通の縁談

※『源氏物語・紫式部 小話100』のペーパーバック版も発売になりました。(1540円 税込)…

高堀 枝裕二
6か月前
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第63回 斎院からの中傷

若い女房の裸身がちらつきながらも、あの盗賊の一件以外にも、香子が弟の惟規を不満に思う理由…

高堀 枝裕二
6か月前
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第62回 若い女房の裸身

「賊が宮中に入った!」という声に、香子はしばらく腰が抜けていましたが、気を取り直して、 …

高堀 枝裕二
6か月前
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第61回 年末の出来事

12月初め、香子は物語完成の労をねぎらわれ、一旦堤邸に戻りました。賢子も10歳になっていて、…

高堀 枝裕二
7か月前
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第60回 『源氏の物語』の一次完成

寛弘5(1008)年11月17日、ついに中宮彰子と若宮の一条院還啓が行われました。いわば凱旋です。その手土産として豪華な『源氏の物語』十七帖が待ち兼ねていた一条天皇に献上されました。 その時は、空蟬、夕顔、末摘花、玉鬘などは、まだ入っていない状態でした。それを列挙します。(現在の帖の番号で示します) (1)桐壺・・光源氏の誕生、母・桐壺の更衣の死、藤壺の女御との出会い (5)若紫・・北山で10歳の若紫を見初め、二条院に連れて帰ります。 (7)紅葉賀・・藤壺は源氏の子を宿します

第59回 一条天皇の行幸

生まれた敦成親王の家来に、香子の弟、惟規が漏れたのは香子にとって意外であり軽い落胆でした…

高堀 枝裕二
7か月前
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第58回 皇子誕生。物語の完成。

寛弘5(1008)年9月11日正午、ついに中宮彰子は産気づきました。 そして僧達の読経の中、男皇…

高堀 枝裕二
7か月前
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第57回 倫子の反撃ー菊の着せ綿事件

香子が再び道長と関係を持った事はすぐに殿内に知ら渡りました。そして「『源氏の物語』の作者…

高堀 枝裕二
7か月前
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第56回 弟の失態そして・・・

香子らが土御門殿に来た翌日、勅使として蔵人となっていた弟・惟規(のぶのり)がやって来まし…

高堀 枝裕二
7か月前
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第55回 『紫式部日記』の開始

寛弘5(1008)年6月、中宮彰子一行は一度一条院内裏に還啓して主上と過ごし、そして再び7月16…

高堀 枝裕二
7か月前
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第54回 「すきもの」の歌

4月、懐妊の分かった中宮彰子の一行は土御門殿に行啓しました。 懐妊を待ちわびていた道長、倫…

高堀 枝裕二
7か月前
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第53回 中宮彰子の懐妊

寛弘4(1007)年閏5月、道長は吉野の金峯(きんぷ)山に登るため長い精進の生活に入りました。金峯山とは、かつて香子の亡き夫宣孝が結婚前に、質素なみなりで普通は行くのに派手な格好で行って話題になった所でした。神罰どころか昇進したので「どうだ!」と得意顔でいたのをまた清少納言がだいぶ後になって『源氏の物語』で人気を博しかけてきた香子に冷水を浴びせるように『枕草子』で変人扱いして書いたのでした。生きている時ならまだしもとっくに亡くなっている夫を笑い者にした清少納言を香子は許す事が