第60回 『源氏の物語』の一次完成
寛弘5(1008)年11月17日、ついに中宮彰子と若宮の一条院還啓が行われました。いわば凱旋です。その手土産として豪華な『源氏の物語』十七帖が待ち兼ねていた一条天皇に献上されました。
その時は、空蟬、夕顔、末摘花、玉鬘などは、まだ入っていない状態でした。それを列挙します。(現在の帖の番号で示します)
(1)桐壺・・光源氏の誕生、母・桐壺の更衣の死、藤壺の女御との出会い
(5)若紫・・北山で10歳の若紫を見初め、二条院に連れて帰ります。
(7)紅葉賀・・藤壺は源氏の子を宿します