![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79687871/rectangle_large_type_2_00a3a2e0843e5c0f8d0bca26a556dc01.png?width=800)
最近、美少女としてVRChatをしている。
承前(読まんでよろしい)
要約すると『自意識が現実と地続きすぎて、VRChatで美少女として振舞えない』という内容。
あれから3か月経った。
重ねて、読まんでよろしい。何故なら、俺はもう美少女と成ったから。
【起】自作至上主義と想定他己評価
そも、VRChatで美少女として振舞えない原因は何だったのか。
今一度、思案したい。
撫でや見つめなど美少女VRChatは、相互の可愛さ承認によって成立するんだなと最近思っている。互いのカワイイコンセンサスが無ければ、美少女VRChatは発生し得ない。
自分にとって足りなかった部分はそこだったように感じる。
![](https://assets.st-note.com/img/1653965763985-cP3RiWcEYT.jpg?width=800)
まず、上記画像のアバターを使い続けていた理由から説明しよう。
何か創作がしたいという欲求は抱えつつもイラストはてんでダメだった自分は、VRChatを始めた際に「3Dアバター制作ならいけるか……?」という気持ちが芽生た。
だが、既製品のスペシャルカワイイアバターを一度使ってしまえば「自作とかあほらし~」となるのは火を見るよりも明らかであり、常に可愛いに飢えた状態であるために基本は自作アバターしか着ないという制約を自らに課したのだ。(画像左上は1作目までの繋ぎとしていたスフィアボーイ)
次に、想定他己評価について。
俺の、"モノ"に対する自己評価として、自作という要素はとてつもないプラスの要因となる。自分で作った料理というだけでおいしいし、自分で作った動画は何度だって見返す。
当然自作アバターも最高にカワイイし愛している(そう思えた始めたのは上記画像右下、3体目からだが)
このように日頃から自分を褒め称えて機嫌をとっている一方で、他者は俺にまつわる全てをゴミカスと評価していると考えている。
アバター周りに換言すれば、俺はカワイイと感じているが皆はそう思っていないという自意識を飼っているのだ。
可愛さの相互矢印のうち自分に向かう方は存在し得ないという認識が、前述の自作アバターで過ごすうちに強く形成されていった。ゆえに、カワイイコンセンサスは無く美少女VRChatは発生しない。
以上が、アバターの想定他己評価の側面から推察する、美少女VRChatが出来なかった理由である。
【承】容認のコミュニケーションによる受入土壌の醸成
ネガティブ要素の取り扱いについて、これを取り上げて場を盛り上げる「煽り」のコミュニケーションがある。
自分はこの「煽り」に苦手意識があり、当然適している場は多々あり採用することもあれど、個人的には無ければ無いに越したことはないと思っている。
一方で、ネガティブ要素を容認しポジティブ要素をヨイショヨイショするコミュニケーションが好きである。仕事じゃねんだから、娯楽としての交流くらいは安息と快楽の場でありたい。
ここ数か月、自分の周囲ではこのような雰囲気が良い感じに形成されているように感じる。
コミュニティ……と評するには少々流動性が過ぎるが、まぁとにかく直近の周辺コミュニケーションを平均すると、明確に「やさしいVRChat」となっている。
自作アバターに対する想定他己評価は自分にとって明確なネガティブ要素であるが、上記のような雰囲気がバーチャル自意識をじわじわと浸食していく。
徐々に、想定他己評価はネガティブからニュートラルくらいにしてもいいかなとなっていった。
【転】夏の到来、アバターに"なる"こと
4月の後半、VRChatに夏が来た。PhysBoneの正式リリースだ。
正直なところ、前情報としてはそれほど興味は無かった。プレイスタイルとして他人にほとんど触れたりしないし、自作アバターにも揺れ物はあまり搭載していなかったからだ。
リリース当日、いつも通り適当なインスタンスを立ててだらだらしていると、愉快なPhysBoneギミックを搭載したフレンドが遊びに来てくれた。
ふゥン楽しいじゃんと思い、様々なサンプルアバターで動作を確認しているフレンドから適当なアバターをクローンしてみる。
地雷系の装いでスカートが持てるため、どれどれとカーテシー(スカートつまんで挨拶するアレ)をやってみた途端、雷に打たれた衝撃。
か、可愛すぎる……!
頭がおかしくなるかと思った。というか実際おかしくなって、ここから数日の間狂ったように鏡の前でカワイイムーブをしていた。
この日から、アバターに"なる"ということを知った。アバターの服や雰囲気に合わせて体を動かす。所作もアバターを成り立たせる一要素でしかない。
自意識が現実とVRで分断される感覚を知った。
自作アバター以外着ないという制約も忘れ果て、可愛いの快感に酔いしれる日々。しかし既に自作アバター着用生活も1年以上経過している。創りたいという欲求も忘れてはいなかった。
以下、当時のツイート。
ウオオオオ次のアバター作るぞ作るぞ作るぞ作るぞ可愛くなるぞ可愛くなるぞ可愛くなるぞ可愛くなるぞ可愛くなるぞウオオオオオ
— しゅいどる (@syuidoru) April 25, 2022
新しいフレンドのここが良い 俺が可愛いムーブすると可愛いーって言ってくれる
— しゅいどる (@syuidoru) April 25, 2022
これを自作でやるのが人生の目標
— しゅいどる (@syuidoru) April 25, 2022
可愛いの相互矢印が、自分に向かう快感を知った。
アバターが可愛ければ、相互矢印は実現が可能なことを知った。
あとは想定他己評価をブチ上げられるだけのフルスクラッチアバターを作るだけだ。迷いはない。
俺は、取り憑かれたようにBlenderに張り付く。
【結】そして美少女へ
![](https://assets.st-note.com/img/1653978764398-RSraT6AHLN.jpg?width=800)
当然一般的な販売アバターには遠く及ばないが、可愛いのが出来た。
前まではあまりカワイイと評されてこなかった俺のアバターが、ついに今回はカワイイカワイイとフレンドに褒めてもらえるのだ。
創作の承認と美少女としての承認が同時に駆け巡り、脳みそはぐちゃぐちゃである。
こうして俺は、想定他己評価の改善によりカワイイコンセンサスを得た。美少女としてのVRChatを阻害するものは、何もない。
フレンドのケモミミを撫でることも容易だ。目の前に美少女の顔が来ても……多少は動揺するが、かなり受け入れられるようになった。
おわりに
もう少しだけ美少女としてVRChatを遊んでみたかった3か月前の俺。
いくつかの偶然と周囲の協力、己の努力で掴んだよ。
ありがとう、VRChat。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?