松屋で定食を食べる　～激闘編～

前回 → 松屋で定食を食べる　～受難編～

【前回のあらすじ】
「松屋で定食を食べる男」になるべく最寄りの松屋へ赴くしゅいどるだったが、想定外にテイクアウトで供された焦りから、タレやドレッシングを取り忘れてしまう。

家庭の調味料を駆使し、牛焼肉定食を哀しき合成獣-キメラ-にすることでどうにか事なきを得たが、いつか本来の定食を味わうべく復讐を誓うのだった。

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天気は小雨。なんとも言えぬ天候が前回失敗時の心情を鮮明に想起させる。

店内飲食の食券を確実に購入し、セルフ店舗利用２度目とは思えないスムーズさで着席。松屋マスターかと見紛う振る舞いだが、唯一「松屋で定食を食べる」という経験のみが不足している。
だが俺は今日、「松屋で定食を食べる男」となり、完成された存在へ至る。

前回注文した牛焼肉定食は提供を終了しており、アンガス牛焼肉定食にリニューアルされていた。50円の値上げ。

丼に紅ショウガを盛り味噌汁を一口啜る一連の動作で、松屋に来たことを強く実感する。
特に味噌汁。丼でも定食でも、そしてカレーでも容赦なく付される味噌汁の味は否が応でも松屋と紐づけされる。ちなみに松屋のロゴは大円が盆、中円が丼、小円が味噌汁を表しているらしい。へぇ～

一連のお決まりの動作の後、サラダに手を付ける。松屋でサラダを食すことはほとんどないため、卓上の２種ドレッシング(ごま/フレンチ)を半々で使ってみた。
比較結果を下記マトリクスにまとめたので、ご参考いただければ幸いだ。

味噌汁とサラダで胃を整えていざ肉へ。できればリニューアル前と比較したかったが、２週間以上前に１度食べたきりなので覚えてもいないし、タレも同条件ではないため不可能。まぁ普通にうまい肉だった。
ちなみにタレはこちらも２種類（甘口/バーベキュー)あったため、ドレッシング同様比較結果をマトリクスにまとめた。ご参考いただければ幸いだ。

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肉と米を平らげ、俺は無事松屋で定食を食べる男になった。
だがこの虚無感はなんだろう。
俺はなぜ松屋で定食を食べる男になりたかったのか。
松屋で定食を食べる経験にどんな価値を求めていたのか。
何もわからない。
当初の志を失い、ただ復讐のみを追い求めた男のなんとも空虚な末路である。

残った味噌汁を飲み干し、店舗をあとにする。次は丼を食べに来よう。

松屋で定食を食べる

完